紋谷のソコヂカラ

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拝啓 加余子さま [紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/10/31(日) 17:06

手軽で美味しい料理を教えて…と言われ 
だいぶん時間が経ってしまいました。

僕の知るあなたは、いつも明るい人でした。
ついでにいえば、あまり細かいことに執着しない 
ノリの人でもありました。

もう少しついでにいえば、
感性豊かな人でもありました。

料理などは、ましな食材と少しの想像力さえあれば
なんとかなります。

最近はゴム長を履き、農家で働きはじめたご様子、
美味しい野菜は手に入るはずです。

あとは、その類まれな感性を少し発揮すれば 
チョチョイのチョイではありませんか。

…?

…あっ…そうですね。

食べさせる相手次第では、チョチョイの
…とはいかないですね。


「料理の時間はもったいない
 とっとと食べて遊びに行きたい…」
そんな子供心ままに大人になった旦那さま。

なぜか、大人の食べるものに執着を示すご長男。
そして、好き嫌いの多い娘さん。
最近は、義理の母親が上京され、
…はてさて、嫁として何をつくればよいのやら。


「手軽で美味しい…」と望まれた理由は、
そういうことに前向きな、表れなんですね。

あまり悩まず、
そんなに悩んでないかもしれませんが、
自分がうまいと思うものを食わせりゃ、よいんです。

大切なことは 

「おい だんな 美味いか 不味いか言ってみろ。
 美味いなら美味い…と ひとことでいいから、
 言ってください。お願いよ」

であり。

「おい 子供 好き嫌いは100年早い。
 自分の望む食べ物は3分ではできないのじゃ」

であります。 


まあ、そんなやりとりが出来たとしても、
それでも、毎日の食事には気を使うし 
なにより面倒くさい。

わかります。


この季節に僕が必ずつくるものを、紹介しましょう。


そのかわり、必ず守ってほしいルールがあります。


それは

ひとつ、「かならずつくること」 

ふたつ、

「いただきます…と口にするまで…これはなに?
 …と家族に聞かれても中味を言わないこと」
 

です。


なお、名前を付けるのが嫌いなのでレシピだけを書きます。
また、レシピは、ポイントだけで収めます。
レシピなんて、こんなもんで十分なのです。 
馬鹿にしてるのか…ってほど簡単なのですが
こちらはいたって真面目です。


● ひと品目

① イングリッシュマフィンにバターを塗り、両面焼く
② 生のサンマの刺身を面いっぱいに並べ、
  その上に塩、こしょう(塩・こしょう必ず)
③ 洋からし(和ではダメ)をたっぷりかける(たっぷりです)
④ パセリのみじん切りと玉ねぎのみじん切りを
  これまたたっぷりかける
⑤ マヨネーズをかけ、最後にオリーブオイルをかける

● ふた品目

① 柿(出来れば種なし)の皮を剥き、スライス。
② ボールで スライスした柿にポン酢(※)とすりごまを入れて和える。
  
  ※ポン酢は 出来れば手作りがいちばんですが、
   面倒でしょうから 市販のものでよいのですが、
   ごめんなさい。ここは良いものを。
   少し、贅沢ですがポン酢は高いものと安いもので
   味に差がありすぎるので、
   他にも使えますから、なんとかひとつ。

● み品目

① 山芋(水分の少ない芋)スル 。
② 大きめのお猪口や深い器の中に、鳥のささみを一口に切ったもの、
  おしんこ(ザー菜とか)を刻んで入れ、
  ①をその中に。
③ ②を蒸す (蒸器がなければフライパンで代用)
④ 別の鍋でお湯を沸かし粉末か白だしなどで味を濃い目に
  沸騰したら溶いた片栗粉をかけとろみをつける。
⑤ 蒸しあがったら、④をかける

● よ品目

① そうめんをゆでる ゆで上げないで、アルデンテ状態であげ、
  湯を切り ごま油をかけ混ぜておく。
② シーチキンともやしと青ネギを炒める 塩コショウ 
③ ②が炒められたら ①を投入、
  火を止め、白ごまと塩こんぶを入れ混ぜる。
④ 食卓に並べる直前に、ラー油を。 
  子供が苦手なら大人用に。

  ※②はベーコンでもにんじんでも代用はなんでも可
   ただし水分の出過ぎる野菜は不可。

● ご品目

① 子持ちししゃもとお味噌 生姜 ネギ 粉末だし 
  片栗粉を混ぜ ミキサーに。
② 分量は ししゃも5に対して以下1づつ
③ 鍋にお湯と出汁昆布 塩少々で沸騰したら①をお団子にして投入
④ 灰汁が出たらすくう。 
  別の鍋でごぼうをささがき
 (面倒なら細く切れば可)にして下茹でしておく。
⑤ ③に④を入れ …美味しいポン酢(笑)で。


とりあえず こんなところで 今回は。


「味の想像はだいたいつくけど 

 …!?

 …それ入れるんだ?」

って感じのひっかかりが、
ひとつあるものを並べてみました。


材料は どうしてもというものもあれば 
他で代用がきくモノもあります。

あくまで、きっかけになれば…と。

ぜひ、あなたの想像力で発展させてみてください。

なお写真は イメージです(笑)
書いていたら、ご飯をちゃんとつくりたくなり 
作ってしまいました。





どうすんだ こんなに ひとりじゃ食えないだろです。

ミルキィー[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/10/20(水) 22:53

昨日の昼間(10月19日) 

ミルキーが息を引き取りました。


生後2カ月でわが家にやってきて…14年と5カ月 
…シェットランドの寿命は
15歳と言われていますから
ほぼ授かった命をまっとうしてくれました。

さきほど、お骨にして家に戻りました。

昨日、「餌を食べなくなった」と 
ペットシッターの清水さんから連絡を受けて 
駆けつけた時には、ぐったりしてはいるものの
意識もあって 清水さんとは、強制給餌をしようかなどと話し 
最後は、我が家に戻しましょう…
など相談して いったん自宅に戻りました

…ほどなくしてまた清水さんから電話が 
…清水さん 泣きじゃくっておられて会話になりません。

「すぐ伺います」…と駆けつけた時には 
もう 息をしていませんでした。

僕が帰り少し体を動かし 
…そのままゆっくりと息をひきとったそうです。

ペットの死に何度も立ち会われた清水さん曰く、

「苦しまず 静かな さようならでした。
 もっと苦しんで逝く子もいます…
 せめてもの救いです」 

彼女が僕に飼われて幸せだったのかはわかりません。
でも、彼女がいてくれて
僕は幸せでした。


僕の都合で、最近はいっしょに居られることが
多くありませんでしたが、 
その分 いろいろな方の愛を受けてくれたと思っています。

ミルキーを可愛がってくれてありがとうございました。

頭をなでてくれてありがとうございました。
お散歩に連れていってくれてありがとうございました。

ミルキーと関わってくれたすべての方に
ご報告とお礼を申し上げます。




…機会は自らつくり出し…[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/10/14(木) 10:01

「…もう…あの頃の、
 もんやさんのやり方じゃ通用しないですよ」

などと言われた。 

以前、働いていた会社がいま、
どんな風なのかという会話をしていた流れで。

僕自身は、別段、“その会社の今” を
肯定も否定もするつもりはなかったのですが、
彼には、当時の僕がよほど、“好き勝手”していた…
と受け止めていたようで、
思うに任せない彼自身の現状と相まっての
ご指摘であったように思う。

半分は納得…半分はカチン! …ときた。

決して、ルールを無視して
好きなことをしていたわけではなく、
あくまでも原則的なルールは遵守しつつ、
どうやって面倒から逃れ、

要するに売上と利益に貢献しているという
具体的な実績をあげていれば、
会社からは文句がでないことを見越して、
自分にとっては意味のないことから逃れるか…

いやいや、意味のあることだけをしていられるか…
ということに専念していただけなのです(笑)。

これでも、いろいろと使わない気を使っていたのだから、
まるっと“好き勝手”と評されては 困る。

しかし、この指摘の胆は、
僕がどうのこうのよりもっと大きなこと… 

「自らの意志がない」

「ルールしか守れない」

そういうその会社の組織人を
揶揄する気持ちが彼の中にあることであって、

「そういう相手と仕事としていても、
   なんだかなあ…って感じること多いんだよね」という、
ため息をつきたかったのであるから、

むしろ「もんやさんと仕事していた、あの頃は楽しかったな~」
と言っているわけで、うんうんと頷いていればよい、
という話であります。

…では、今の時代、仕事を楽しんではならないか、
というとそうではなく、楽しんで仕事をしたいか 
と言われれば そうに違いない。

いや、もしかしたら 
楽しいという基準が 
もう大きくズレテいるのかもしれないが…。

原価管理を徹底する。対内外ルールを先鋭化して整備する 
ここまでは当たり前である。

やはり、根本は運営にある。

役職は増えるが権限が減る 
ここで、責任の所在を明確にできる“功”が、
個人の裁量(度量)を減らす“罪”に勝ればよいのでありますが、
リスク管理からいえば、個人の裁量は抑え込みたい、
必然、仕事の幅は減り、器量や度量なるものも
比例して摩耗してゆく。

「いいんじゃん 言われたことをしていれば」 
…とこれが 楽しい仕事と言われれば致し方ない。

「自ら機会をつくりだし、
 チャレンジしている人間は大勢いる」 

今の世だから“出来にくい”かもしれないが、
“やろうとすれば道はある”

それはあなたが、会社人ではないからだよ 

…本当にそうなのだろうか。

僕が組織人をしていた頃にも、 
言われたまま子ちゃんは大勢いたし、 
好きなことしかやらない君より 
数はだいぶん勝っていた。

そうそう、好きなことしかやらない君は、
言われたまま子ちゃんが 
いなければ生きていけないのでした。 

好きなことばかりしている奴しかいない
組織なんて存在しないのだから 
甘えていたのですね つまり。 


◇◇◇


半期が終了して 
「会社の売り上げ報告と下半期の見通し発表の会」
をやるので出席して欲しいと言われた。
僕が、リーダーの育成に塾長として
関わらせていただいている会社から。

そこで、社員の前で 
ライブトークをすることになった。 

テーマは、「働くチカラ」。

平たく言えば、 
「昔 我々はどうして、がむしゃらに仕事をしていたのか?」 
なんてことを好き勝手に話し合い、
そのままを見せて感じてもらおうという企画です。

簡単な懇親会を挟んで、会議室が暗くなり 
手作りののれんの下に簡単なカウンター 
新橋のスナックという設定。



社長に加え ゲストは僕ともうひとり、
求人広告関連の会社の社長H氏であります。
3人とも以前は同じ会社にいて、
社長とH氏は同期です。

場内に我々の自己紹介がスピーチされ 
3人が登場 スナックならではの小芝居を挟んで 
おもむろにトークは始まる。

内容は、簡単なアウトラインはあるもののほぼアドリブ。
「 知らない時代のおやじ連中の、昔はよかったなあ~」
というありがちな内容を
今を戦っている社員たちに 
いかに心に残る話として聴かせるか 
かんたんな様で以外に難しい。 

普通に話せば 専門用語が多すぎて 
まるで伝わらないから そこんとこ 
行き過ぎるタイミングではさえぎり、
注釈など交えた。

以前の会社での日常には、
どんなモチベーションがあったのか?
逃げ出したくなる場面では、どう対処したのか…
などなど、

また、H氏の会社では 
近年、かなりの規模でリストラをせねばならなくて、
そのあたりの厳しさと、結果、黒字化してゆく背景を 
社長の立場で語ってくれた。

そもそもこの企画は、社長が社員との会話で

「ワタシの、この会社での存在価値がわかりません」

と言われたことから生まれた。

…これを、なんとも情けない発言
…と受け止めてはいけない。

この社員は、自問しているのです。 
自分は会社に貢献しているのか? 
また、貢献するためにはどうしたらよいのか? 

まことに純粋に前向きな発言だと思う。 
そうであるならば、なにかヒントを与えねば 
ということになったのです。

事前のアウトラインでは、この発言を受けて 
「自分の存在価値」に関してのなにがしかの答えを
僕が話すことになっていたのだが
時間がなくなってしまい話せなかった。 

ここで言うことにする 

「 それは 自分で つくる もの だよ」 


◇◇◇

はい。 本題。



免疫療法が1クール終わりまして 
検査結果が出ましたので報告させてください。

以前、おらが村の…で、
「悪さをする輩(癌細胞)をやっつける細胞はあるのに、
見つける役がさぼっている」
と説明したと思います。 

今回の治療では 他人の活性したリンパ球を 
段階的に投与して、このさぼり細胞をやる気にさせる
というのが大きな目的でした。

結論から言うと 
残念ながら思うような効果は得られずでした。

「CD3 HLA PR」 

これが正式な名称 
…通称「Tリンパ球」です。

みなさんの体にもあるこのリンパ球 
基準値は4.8~23.5 
…ああ 数字はいいですね 

そもそも僕のTリンパ球
…基準数値内にはあったのですが、
癌細胞が増殖している僕にはもっと必要。

そこで、 新たに外部から助っ人を入れ込んだわけですが、
単純に数を純増させるのではなく 
送り込んだリンパ球が 僕のTリンパに刺激を与えて
やる気にさせる。そのための傭兵です。

しかし、結果は僕の、そもそものTリンパが感応しない。 
やる気にならないのです。

困ったものです。 
言われたまま子ちゃん以前の問題… 
無能社員です。

自ら機会を作り出せよ です。 

存在価値を示せよ です。

実はかなりショックです。 

冷静なようで がっかりしています。

しかし、クリニックの担当医S先生
(写真があるのですが 公表は控えます)は 
新たな手を紹介してくれました。

「…もんやさんのTリンパが感応しない理由は、
 もう大人の血液の状態だからと考えてみてください。

 体内を流れる血液は、もんやさんの性格から
 改心しないのです。

 性格を形作るのは骨髄の中にある“造血幹細胞”なのですが、
 これは採血では3/1000しか得られない。
 
 だから確率的にはどうしても低くなる。

 それでも、血管への投与でも感応する方は
 もちろんいるのですが、もんやさんの場合は、
 それでは足りないということです」


「血液は骨髄でつくられるのですが 
 その後、胸腺でその性格が決められます。 
 小学校みたいなもんですね。
 この学校の授業で、はい癌は敵ですよ。
 リンパ君、見つけたらやっつけなきゃダメですよ。
 と教育されるわけです。」

「だから 胸腺という学校の段階で、もっと教え込む。
 ここで 癌は敵 ちゃんと見つけなさい! とね」

つまり、ちゃんと学んでいない生徒が大人になっている。 
その大人に、今から新しい教科を勉強させようとしても
言うことを聞かない。

だから、これからの子供たちをターゲットに 
小学校に立ち戻りそこで教育する。

ということです。

理論的にはわかりやすいのですが、
ことはそう簡単ではないようで、

樹上細胞療法のひとつでもある
この治療法…現在では、まだまだ治験段階 

免疫でも最先端の領域らしく、
簡単には出来ないようです。

ということで、来週にかけて
S先生とこの治療を紹介いただいた
九州のT先生で相談してくれて 
どうするか決めていただくことになりました。

僕としては、出来ることならチャレンジしたいのですが 
こればかりはS先生とT先生のご指示を待ちたいと思います。


また決まりましたら ご報告させてください。

時代は変わっても 
場所が会社組織でも 
体の中のミクロの決死圏でも  
大切なのは 

「自己啓発~やる気」 

おんなじって話です。

命名 人間モドキ[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/09/28(火) 08:33

体が鈍るのは、どうにも気持ちが悪いので、
夏は、近所の住宅街の真ん中にある、
区民プールに通っていた。

25mの屋外プール、華やかさはなにもない、
入り口のおんぼろな発券機で、
入場券を買い、そのまま更衣室に、
シャワー室の向こう側の出口が、
もうプールサイド…という 
まことに僕好みの、
単なるプール…
1時間100円也。

こういう気楽さが好きで、
通っていたのだが、
行く時間を間違えると
トンデモナイことになる。

25mプールが、少年少女で溢れかえる。

ある日曜日の午後、実際に数えてみたら 
25mプールに145人“浸かって”いた。

…ちゃんと数えたから間違いはない。

そのうち120人くらいは少年少女
(こちらはなんとなく)

…平均年齢6~7歳 という感じ。

これはたまらんと監視員
(常時3名がプールサイドにいる
 ウォーターボーイズの妻夫木クン風、
 おそらく学生)に、

「いつもこんな感じになるの?」 と聞くと、

「…いえいえ 毎日 だいたい14時以降です
 子供たちの学校が終わったら…こんな感じです」

というので、早朝に来てみるとガラガラ 
あの騒がしさから一変していた。

♪快適快適 

…ある日はプールに中に僕ひとり 
…なんて日もあり、
そうなると3人の妻夫木クンは 
僕のためだけに炎天下仕事をしているわけで、
優雅に水の上を漂っているだけだと、
なんだか申し訳なくも思うので、
バタフライなど披露してみたりして、
ヘロヘロになったりして
…なんだかなあである。 

こういう時は「だれでもよいから、だれか来て」と
勝手な気分になる。

そう思っていたら、珍しく
(ほんとうに高校生以上は子供の父兄以外は
   こないプールだったので)若いアンちゃんが
4人で入ってきた。

しかし、“なにか” を期待して
夏のプールにやって来た彼らに、 
このプールはお気に召さなかったようで
…始終、盛り上がりにかけていた。

帰ろうと更衣室で着替えていると、
シャワーを浴びている彼らの話声が聞こえてきた、
ひとりが大声で、

「… シャワー浴びたらさ~
 ルービーぶちかましにいこうぜ!」

    …? 
 …なにを言っているのか最初はわからなかった?? 
    …わざとこういう言葉を使っているのか? 

しかし、かれらは

「いくべいくべ」「おおっ」 

なんて普通に会話をしている。
たぶん、わざとではなく、
普段の会話、そのままのようだ。


銀座で紋屋をしている時分、
バイトは学生クンにお願いしていた。

「もんやさん、カウンターのお客さん
 イモ焼酎を牛乳で…
 半分半分で割ってほしいそうなんです
    …いわゆるハーフ&ハーフ“的な”…」

「マジ?…牛乳ないから 買ってきて」

「わかりました …でも おつまみ、お刺身ですよ
 オレ的には…ありか なしかって言われたら…
 なしなんじゃね(語尾あげる)的な…」

「…あるか なしかで言われたら
 僕も なしなんじゃね(語尾あげる)
   …だけど、それでもお客様は神様…的な…」

こういう、言い回しが、店を閉めたいまでも、
たまに口をついて出てきてしまうのは、困る。

言葉というのは、安きに流れやすいと思う。
別に、日本語の乱れをどうこうとは思わないが、
言葉ひとつでその人間の価値が決まる時も
あるとは思うので、なるべく気をつけたいと思う。

先日、そのバイト君からメールをもらった、
すでに社会人3年生で、立派な営業マン。

「…最近、ワーキングプワーなんで…」
とメールの文中にあった。

彼は、立派な企業のれっきとした正社員のはず、
この言い回しは、おかしい。

もちろん、何気なく形容したのだろうが… 
彼が「人材採用関連の会社」で
働いていることも合わせると、
ありかななしで、なし。 

よほど返信で一言と思ったが、悪気もなし、
メールでの指摘は、角がたつので、
今度、面と向かい伝えようと思う。


朝のラッシュの銀座線…新橋駅のホーム 

僕がもっとも苦手な場所であります。… 
日本人の体型では合わない人もいるのに、
計ったようにピッチリとしたスーツ、パンツの裾は短く
(わが母の世代用語では“つんつるてん”)

…関西人でもないのに(関西人はよいのです)
茶の靴…この場合、スーツに縦じまの
ストライプのパターンが多い
(関西人でもないのに)

ノーネクタイで、シャツの襟は高く、ひとつボタン外し、
髪の毛は立たせて、視力が高くても伊達メガネ…

そして、みなさんうつむいて携帯で無料ゲーム、
座っている場合は、パソコン開いて、
なにやら眺めている。

僕は彼らのことを“モドキ” と呼んでいる。

…そう。…マグマ大使に出てくる悪の帝王の手先の集団
“人間モドキ”のモドキであります。

※ご存じない方に:
   ゴアの命令で、ルゴース星人が作り出した植物生命体。
   黒ストッキングを被ったような容姿をしていて、
   人間態で暗躍する。
   人間モドキがガムの熱線にやられてドロドロに溶ける
   特撮シーンには、寒天が使われた。:Wiki引用)

このモドキがもっとも多く出没する…
それが「銀座線新橋駅の“狭い”ホーム」なのです。


ショッカーじゃあダメなのか? 
と疑問に思われるでしょうが、
ショッカーはああみえて、強いのです。

「イー イー」言っているだけのように見えますが、
なかなかどうして根性があるのです。
一般的な人間より強い→れっきとした戦闘員。 
モドキの様に、人間社会に紛れこむなんて
卑怯な真似はしません。

いや、銀座線のサラリーマンの若者も、
がんばって仕事してるんじゃないの 
…確かに。

…でも、あのモノマネファッションに
浸かっている以上、たかが知れているのです。
だから 先輩諸君、会社の部下が、
モドキに見えたら、喝!です。

「人間見た目だぞ」
とか、

「そのままじゃ溶けてなくなっちゃうぞ」
とか

なんでもいいので、脅しながら…
正しい道に導いてあげてください。

なんでこんな話を…というと、
先日モルドバの女性と話す機会があり、
モルドバに関しては、旧ソ連で
20年くらい前に独立していて、
いろんな面でルーマニアに似ている
ということくらいしか知識がなく、
でも彼女、お父さんが京大の教授で、
産まれたのも京都で…

必然、京都弁(ほかに4ヶ国語は喋れるらしいが)で、
大学で地学を学び、オーストラリアでマスターまで修め、
いまはデンマークで「移民政策」に関わっている
という女性で、


「うーん どこの国の話をしていいのか困るなぁ…」
悩んでしまう。そんな流れの中で

「日本人…最近、なんだかみんな同じに見える」
言われたからであります。

それは、その顔で、京都弁で、そういう話をされると、
なんだか妙に説得力というか、
これは、問題視しなきゃならないと思ってしまい。

「おなじに見えるよねえ…、君は知らないだろうが…
 マグマ大使…モドキで…銀座線が…」
と喋ってしまったのでした。

こういうことは、重なるもので、これまた先日、
香港の若きご夫婦の面倒をみる機会があり、
半日、ご一緒して仲良くなった。

この夫婦も、日本は綺麗で楽しいけど、
人間的には個性がない…と指摘を受けた。 

相手が、モルドバ産まれなら仕方ない気もするが、
同じアジアの同胞に、ただ、やられている
わけにもいかないので、
ちょっとまて、
最近のオタクラは、いかがなもんか?
と切り返してしまった。

たとえば、
「領海侵犯の確信犯なら取り調べは当たり前じゃない?
 …プロバガンダだとは思っていても、
 実害が出始めると、なんだかなあ…と思うよ」

すると、
「反日 抗日感情 なんてワタシタチにはないわよ。
 香港と中国は似ていても違うし、
 あんなの政府と一部の人とひと世代前の人の感情よ」
と言う。

ご夫婦で日本に遊びに来る、ブルジョア層…
のごく当たり前の意見。

「人口は大勢いても、みんなバラバラ、
 国が成長途上だから、そのひずみの分だけ、
 考えも生き方も違うの。
 日本人は、いちように豊かだから、
 みんな似てきているんじゃない」

「たぶん11億人くらいの中国人は、
 日本なんかのことより、自分のことが
 優先であることは分かるんだけど、
 見聞きする範囲では、国を挙げての
 国民感情の象徴のように見えてしまうよ。」
と言うと、

「いいじゃん、あなたは私たちと今、
 一緒にいるのであって、いま、ここが楽しければ、
 その範囲で中国人といると楽しい…
 ってことで」 

確かにそうではある。

こういうことをさらっと言えるのが、
個性で、こういう会話ができれば、
モドキから卒業出来るような気がする。 

こういう話の結論は、嫌いではないのですが、
それでも根本に 「ひとそれぞれ」があるとなると、
黙って頷けない。

あるかなしかといえば、
「なし」なのです。
“ボク的”には…。

「ヒトソレゾレ」…結局最後は、
こういう言い方で締めくくるのは、
「逃げ」だと思う。

言うしかない場面は、日常どこにでもあるし、
やっぱり「人それぞれだから」
と言ってしまうのですが、
問題はプロセス。

どこまで考えて「それぞれ」なのか
…ということにあると思う。

イモ焼酎を牛乳とハーフ&ハーフ 
…飲み方としては「あり」だと思うけど、
お刺身には合わない… 

と考えて、でも人それぞれでお出ししましょ。

ルービーをぶちかます…仲間内ではありですが、
こいつはどうみえても「なし」でしょ。

銀座線の新橋駅のホームの「モドキ軍団」… 
その格好もひとそれぞれ、

…違う違う それぞれじゃない
…おんなじ…。


ハーバードのマイケル・サンデルは
“中立原則”と闘っている。 

講義の内容を読み、NHKでの放送も観た。
怒られるかもしれないが、昔流行った
「究極の選択」に似ている会話ゲーム
のような気もするが、

「なんでもひとそれぞれ…と結論付ける前に、
 考えちゃどうだい」

という根本姿勢は、わが意を完全に得ている。



◇◇◇

「詩のボクシング」をはじめて生で観て(聴いて)きた。

 

大井町 品川区民会館小ホール。 
東京大会本大会(全国大会の東京予選の位置づけ)
入場料無料 席はすべて自由。 

この前に、第6回となる神奈川大会で、
初出場の女子高校生が優勝 
同じ大会に参加していた友人が、
「あれには勝てない」と絶賛していて、
そちらは観に(聴きに)行けなかったので、
リベンジを兼ねてその友人がチャレンジする
「東京大会」を観に(聴きに)出かけた。

舞台の中央が張り出し、リングを模している。 
対戦は1:1形式。 

双方がそれぞれ3分、自作の詩を音読する。

両者が音読し終えると、前方の11人の審査員が
赤、青の旗どちらかの旗を上げ、勝敗が決する。

完全な「印象対決」 
より届く詩を朗読した(と思われる)方の勝ち。

出場者は16人 
赤青双方に分かれてトーナメント対戦 
勝ち残りで優勝者が決まる。

テーマは設定されていないので 
いろんな詩が飛び出してくる。 

なかにはこれは詩じゃなくて、紀行エッセイじゃない?とか 
これは単なるひとりごとじゃない?とか、 

どうみても50歳くらいの女性が 
沖縄戦争の状況と心理描写を語りはじめた時は、
うーんこれはあなたの体験じゃないよね。などと、
ひとり、いろいろチャチャを入れつつではあったが、
出場者と観客の間で、真剣な空気が流れている
会場に身を置いていて楽しかった。

審査員のジャッジを見ているとは、
詩そのもののの出来、不出来はもちろんながら、
声の質や大きさ 顔や体格、身振り手振りが醸し出す印象…
など全体の合わせ技が重要なようで、
どんなによい言葉を紡いだ詩であろうとも、
音読でる以上「ライブ表現」が求められていた。

僕が好きだったのは「肉屋のおばさん」 
自家製のチャーシューの自慢話を朗々とうたった。 

そういうものでも詩になることが新鮮で、
一歩間違うと単なる、出店の口上でしかないのだが、
商店街を形容した語り出しから、その声の良さに惹かれた。

残念ながら、初戦で敗退したが…
あれは 僕が審査員なら勝ちにあげていた。

男性は想像的な文句が、女性は現実的な描写が
…傾向として多いように思う。 

あらためて、詩というものはなんじゃらほい。 
と感じたのでした。

全国大会は日経ホールで10月16日…
「噂の女子高生の朗読」をぜひ聴きにゆきたいのですが、
病院の検査結果の出るタイミングで、
思わしくなければ、それどころではない。


 

せんぷうき[紋谷のソコヂカラ]

投稿日時:2010/09/01(水) 21:48

我が家にはクーラーがない。
正確にいえば、2台…あるにはあるのだが

動かない。

1台は、むかし、
…22~3年前(頃)に友人にもらったもの、
もらったというか、麻雀の負け分を
こいつでと、持ってきた。
別にいらないと言ったのだが、
それでは気が済まないと置いて行った。

以来、引っ越す度にただ持ってきた。
もう動かなくなってずいぶん経つ。

もう1台は、
戸塚に引っ越す際に、取り付けたもの。

こちらも壁の飾りになって…
10年は経つと思う。


いつだったか、なんかのついでに電気屋さんに 
直してもらおうとしたのだが、

「…うーん この型は
 もう部品もないし無理ですね。
 買い換えた方が…」

と 言われた。

やはりである。
最近の電気屋さんはやる気がない。

特に、都会の電気屋さんは、
…言いなおそう…

「僕の知る限りの範囲で、誠に恐縮ですが、
 都会の電気屋さんは

 …直そうという気構えがない」

そもそも、学研の付録が好きで、

メカ二ズムとか 
組み立てるとか 
配線とか…

ああでもないこうでもないが好きで、
始めた仕事ではないのか。

始めてみると、
町の電気屋さんならではの
きめ細やかなサービスを愛し愛され…

「ほら、奥さん映るようになりましたよ」

「…えっ? …ビールですか?
 …まだこれから仕事なんで
 …いや…はい…暑いですね 」

「…はい? …えっ
 仕事がら 重いものも持つんで
 ええ 筋肉ついちゃって…」

「… えっ 旦那さんは
 出張で今日はお留守…なるほど …」

「…汗?ええ …お風呂?
 …いや だうじょうぶです
 ……ほん…とに…いいんですか」

 … そういうこともあったりして、

電気屋さんになってよかったぁ!!
…ではないのか? 



クーラーを使わない。…などというと、
そういうポリシーなんですね。とか、

健康に気を使っているのですね。
とか、言われるが、

まったくそういう主張地味たことは、
1ミリもない。

ものぐさ なんです。単に。 

壊れたら壊れた… 
これが携帯やパソコンなら別、
白モノ家電なら 冷蔵庫は別…

それ以外は どうでもよい。 

たまたまタイミングで
電気屋さんに会ったら…

ところでうちのクーラー直りますか?
とは、聞くが、
相手にやる気がなければそれまで。

その程度のこと。

別に死にはしない。

 …いやいや 
 今年の暑さはそんなこと言っていられないのでは…

 …いられなかった。
 …というのも、数年前、から使っている
 扇風機も壊れてしまったからだ。

レトロ調なデザインが気に入って
買ってしまったのが いけなかったのか、
8月に入りお盆を待たずして風を送るという 
最大にして唯一の機能が失われた。

回るには回るものの、風がこない。
扇風機のアイデンティティーの崩壊。

少し、メカに強くて。 手先が器用なら…

「どれどれ、ふむふむ
 なるほど…チョイチョイ」 

なのだろうが。

こういう時に、
学研の付録にまった興味がなかった 
僕のような人間には、為す術がない。



Y電器に出かけた。  

相変わらずすごい人である。

ポイントなるものの
(まったく興味がないので詳しくはないが、
 来店すれば割引につながるらしい)が
なくなったようだが、

それでも週末には 
何を買う訳でもない
お客さんがたくさんやってくるようだ。

僕にはその心中はまったく理解できない。

…とにかく 扇風機を…と売り場に向かう…

??

この暑さなんだから 
各メーカーの商品が所狭しにあるかと思いきや

…ない 

業務用の大型のタイプと 
なんだか大きな冷風機 
なるものが数台あるだけで、
いわゆる家庭で普通に使う扇風機がない 

?? …

店員を捕まえ聞くと… 

「ああ …扇風機ですか。
 もう終わりですね」 

にべもない…とは、まさにこういう感じ。

もう…終わり? 

はい? …えっ? 
まだお盆前で こんだけ暑いのに?

「ええ。もうこの時期ですから…ね」

…ね…じゃない ねじゃ。
「あなたももちろんお分かりでしょ。
 当然ですよね」みたいに言うな。

「…これだけ 暑いのに?
 置かないのはおかしいんじゃないの?」

「…はい。まだ暑いですよね」

…だめだ やる気がない。 

それでもこちらは死活問題と…

「なんかないですか?なんか?」と食い下がると
…少しお待ちを…と奥に向かう店員。

ほらみろ あるじゃないか 
そうだろそうだろ。 

マニュアルで動くなよ 
お客さんの立場に立ってみようよ。

…「これしかないですね」

「!?…ちっさあああ~(小さい)!」


…ということで 
わたくし こいつで 

8月は乗り切り、本日9月に突入した。

最後に、こいつの値段は1600円 


なんだかY電器のポイントがあり、 
そのポイントで買えると言うので、賄った。

勝ったのか負けたのか。 
よくわからない。  

電気屋さんにも事情があるのだ。

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