紋谷のソコヂカラ
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拝啓 皆様
投稿日時:2008/07/16(水) 17:32僕の癌の名前は「胚細胞腫瘍」と言います。一般的には「精巣癌」…睾丸の癌です。日本では10万人に1人の確率で比較的若年層(2030歳)で発症するケースが多いのが特徴です。
また、源発部位を取り除いた後は“進行の程度には関係なく”化学療法での治療となり①②とその投与される薬の順番も決まっているという意味では比較的「治療が確立された癌」とも言えます。
「抗がん剤治療は長い闘いとなるが、薬で治る可能性が高い癌。辛さに負けず治ると信じて途中で止めない」
この病気でよく言われる言葉です。
僕のただ今の状況は、①②の投薬の先、③というまだまだ効果的には未知に近い療法に入っています。
医師の説明をそのままに記すと「①BEP療法②VIP療法を経て再発したもんやさんは大変治りにくい状況と判断します。正直にこの段階ではベストと思われる治療はありません。治療断念することもあります。」
簡単に言えば 確立されているとは言え、限度はあり、その限度を越えたら神のみぞ知る…そんなところです。
とはいえ、マイナーな癌の割には、効き目のある薬があることは恵まれていることで…最初に発症した13年前から今日まで“のほほんと”生きて来られたのはありがたいことです。
今、試している③は「NI療法」と言います。といっても何も特別なことはなく、ネダプラチンとイリノテカンという新しい薬を点滴で入れるだけの話し。
このなんだかふざけた名前の二つの薬を組合せた治療を「NI療法」と…そう、頭文字を繋げただけです。
京都府立医大から、このNI療法での実績(効果)が上がっているとの報告があがったのが数年前、まだまだ新しい治療方法なのです。ここ神奈川県立がんセンターでも今までは行われておらず、なんと僕が“第1号” なのです。
僕の治療効果や副作用の具合は丁寧にウオッチされ、今後、同じ治療をされる患者さんへと活かされるそうで、逆に言えば病院の会議で導入が決まったものの、僕次第では、せっかくの新治療が今後受けられなくなることもありうるらしいです。
たぶん医者は、僕がひと一倍責任感の強い性格であることを知らないのでしょう。なんとはなしに話していました。
本日7月16日 1回目の点滴から10日程が過ぎました
①BEP②VIPが1クール3週間で点滴期間が7日~10日間であるのに対し、NIでは1クール1ヶ月で点滴期間はなんと“1日半”。これはクスリの血中濃度を長時間高めておくことで効果が出るのか、逆に短時間が有効なのかという性質の違いらしいのですが、点滴をされる側にとっては大違いまさに“天国と地獄”。
また、源発部位を取り除いた後は“進行の程度には関係なく”化学療法での治療となり①②とその投与される薬の順番も決まっているという意味では比較的「治療が確立された癌」とも言えます。
「抗がん剤治療は長い闘いとなるが、薬で治る可能性が高い癌。辛さに負けず治ると信じて途中で止めない」
この病気でよく言われる言葉です。
僕のただ今の状況は、①②の投薬の先、③というまだまだ効果的には未知に近い療法に入っています。
医師の説明をそのままに記すと「①BEP療法②VIP療法を経て再発したもんやさんは大変治りにくい状況と判断します。正直にこの段階ではベストと思われる治療はありません。治療断念することもあります。」
簡単に言えば 確立されているとは言え、限度はあり、その限度を越えたら神のみぞ知る…そんなところです。
とはいえ、マイナーな癌の割には、効き目のある薬があることは恵まれていることで…最初に発症した13年前から今日まで“のほほんと”生きて来られたのはありがたいことです。
今、試している③は「NI療法」と言います。といっても何も特別なことはなく、ネダプラチンとイリノテカンという新しい薬を点滴で入れるだけの話し。
このなんだかふざけた名前の二つの薬を組合せた治療を「NI療法」と…そう、頭文字を繋げただけです。
京都府立医大から、このNI療法での実績(効果)が上がっているとの報告があがったのが数年前、まだまだ新しい治療方法なのです。ここ神奈川県立がんセンターでも今までは行われておらず、なんと僕が“第1号” なのです。
僕の治療効果や副作用の具合は丁寧にウオッチされ、今後、同じ治療をされる患者さんへと活かされるそうで、逆に言えば病院の会議で導入が決まったものの、僕次第では、せっかくの新治療が今後受けられなくなることもありうるらしいです。
たぶん医者は、僕がひと一倍責任感の強い性格であることを知らないのでしょう。なんとはなしに話していました。
本日7月16日 1回目の点滴から10日程が過ぎました
①BEP②VIPが1クール3週間で点滴期間が7日~10日間であるのに対し、NIでは1クール1ヶ月で点滴期間はなんと“1日半”。これはクスリの血中濃度を長時間高めておくことで効果が出るのか、逆に短時間が有効なのかという性質の違いらしいのですが、点滴をされる側にとっては大違いまさに“天国と地獄”。
点滴後は“採血”3日 と空けず抜き取られます。この検査で白赤血球や血小板が異常に減っていなければ、自宅への帰宅が許され、通院で採血と問診に通います。
今のところは大きな問題もなく 病院と自宅を行ったり来たりしています。
お見舞いに関してのことや病状へのお問い合わせ頂いていると伺いました。
ありがとうございます。
monyachi@docomo.ne.jp
こちら携帯のメールが一番手っ取り早い(笑) です
遠慮なさらず直線 ご連絡ください。
今のところは大きな問題もなく 病院と自宅を行ったり来たりしています。
お見舞いに関してのことや病状へのお問い合わせ頂いていると伺いました。
ありがとうございます。
monyachi@docomo.ne.jp
こちら携帯のメールが一番手っ取り早い(笑) です
遠慮なさらず直線 ご連絡ください。
注:PCからは送れません スパム拒否で設定したら戻せなくなっちまいまして、
かなり不評のようなので広く受け取れるように設定し直します。
しばらくお待ちください。
かなり不評のようなので広く受け取れるように設定し直します。
しばらくお待ちください。
もんやが亡くなったらしい。お葬式は身内だけで“密葬”したとさ…」
投稿日時:2008/06/30(月) 21:48「もんやが亡くなったらしい。
お葬式は身内だけで“密葬”したとさ…」
こんな噂が流れていると…聞かされた。
可笑しい。
この“身内だけで”というのが微妙に当たり障りのないリアルさを醸している。しかし“密葬”は頂けない。
僕のような一般人にはそぐわないし、それでも使うとなると…僕の死は、家族が公にしたくない “いわく付き” ということになる。これは困る。
噂の主に悪気はなく、恐らくは、身内だけ=密葬と単純に
想起し、単に付け足してしまったのだろうが。
この珍妙な噂は、その後何人かの友人達から別々にもたらされた。
デマというのは尾ひれがつくと言うが、僕の死に、それほど価値はないのか、付ける尾ひれがないのか、相変わらず“身内で密葬”としか形容されていなかったらしい。
昨年のお盆前に癌の再発を告知され、
2種類の抗がん剤投与を併せて9クール、
延べ7ヶ月間の治療を終えて退院したのが3月の末。
癌自体を抑え込むのに費やした投薬は
体のあちこちを副作用という名で“破壊”してくれる。
骨髄抑制が引き起こす白赤血球や血小板減少、
また嘔吐・食欲不振・脱毛のような短期的な症状は、
投薬後時間の経過と共に改善するのだが、
腎機能不全や末梢神経障害などは簡単には治らない。
とはいえ、その症状の程度は“人による”…世の中、
大抵のことは“人による”のだ。
僕の場合は、末梢神経障害。退院後3ヶ月経った今でも、
足は膝から爪先きまで、手のひら全部が完全に痺れている。
退院後、一刻も早い社会復帰を実現するためには、
とにもかくにもこの痺れを取り払わないことには…と
治療に明け暮れた。
しかし神経内科の医師には
「筋電図の検査ではあなたの足の運動神経は70歳レベルですね」
と評され、さしたる治療法も提示されず、
「神経はビタミンB12とヨウサンが造るのです」と
2種類の錠剤を渡された。
「先生!この赤い方…メチコバールですよね。
これはがんセンターでも飲んでましたが、体が痒くなるだけで…」
と訴えると、気分を害したのか
「そんな簡単に治るわけないじゃないですか…飲み続けないと!」と切れ気味に。
負けじと「普段の生活で僕が出来ることはありますか?」と聞くと、
薄笑いを浮かべ「まぁ動かさないよりは動かした方が…」と。
これはダメだと、以来通っていない。
西洋が駄目なら東洋だと友人に勧められた針灸の女先生の元にも伺った。
「もんやさんの体は例えると“火事場のさつまいも”スカスカ状態だねぇ。
しかも強い薬を入れすぎて体が外部からの侵入を拒否しているのよ。針がね…入らないわ。」
それでも丁寧に何度も何度も少しずつトライをして頂き、
2回目の訪問では、かろうじて有効な針が打てるようになったと言われた。
簡単には治らないことは覚悟し、自分専用の針を買い、とにかく通おうと決意した。
そんな矢先でした。
主治医より“再々発”の連絡が入った。
そして1ヶ月後 今、僕はまた病院のベッドにいます。
可笑しくも珍妙なる噂のもとは分かりませんが、
そんな噂が流れた理由のひとつは思い当たると友人に言われた、
「ブログを更新しないから…」
ということで、再開することになりました。
再開に当たっては、この サイトの管理者であり、
よき友人でもあるM氏と約束をしています。
それは単なる「闘病日記」にはしないこと。
出来るなら、エンタテイメントなど広い分野に対して
“もんやチックな”視点を披露すること。
僕自身も、病気に関する話ばかり書いていても楽しくはなく、
その約束は嬉しい限りなのですが…かといって、
僕を心配して覗いてくれた方に、あまりに脳天気な
“もんやチック”であってもいけない。
悩ましいところです。
そのあたり、適当なところで折り合いをつけ、
副作用に立ち向かいつつ、痺れに負けず、正直に感じたままを
綴ってていこうと思いますので、
時に思い出し覗いて頂ければ 嬉しいです。
お葬式は身内だけで“密葬”したとさ…」
こんな噂が流れていると…聞かされた。
可笑しい。
この“身内だけで”というのが微妙に当たり障りのないリアルさを醸している。しかし“密葬”は頂けない。
僕のような一般人にはそぐわないし、それでも使うとなると…僕の死は、家族が公にしたくない “いわく付き” ということになる。これは困る。
噂の主に悪気はなく、恐らくは、身内だけ=密葬と単純に
想起し、単に付け足してしまったのだろうが。
この珍妙な噂は、その後何人かの友人達から別々にもたらされた。
デマというのは尾ひれがつくと言うが、僕の死に、それほど価値はないのか、付ける尾ひれがないのか、相変わらず“身内で密葬”としか形容されていなかったらしい。
昨年のお盆前に癌の再発を告知され、
2種類の抗がん剤投与を併せて9クール、
延べ7ヶ月間の治療を終えて退院したのが3月の末。
癌自体を抑え込むのに費やした投薬は
体のあちこちを副作用という名で“破壊”してくれる。
骨髄抑制が引き起こす白赤血球や血小板減少、
また嘔吐・食欲不振・脱毛のような短期的な症状は、
投薬後時間の経過と共に改善するのだが、
腎機能不全や末梢神経障害などは簡単には治らない。
とはいえ、その症状の程度は“人による”…世の中、
大抵のことは“人による”のだ。
僕の場合は、末梢神経障害。退院後3ヶ月経った今でも、
足は膝から爪先きまで、手のひら全部が完全に痺れている。
退院後、一刻も早い社会復帰を実現するためには、
とにもかくにもこの痺れを取り払わないことには…と
治療に明け暮れた。
しかし神経内科の医師には
「筋電図の検査ではあなたの足の運動神経は70歳レベルですね」
と評され、さしたる治療法も提示されず、
「神経はビタミンB12とヨウサンが造るのです」と
2種類の錠剤を渡された。
「先生!この赤い方…メチコバールですよね。
これはがんセンターでも飲んでましたが、体が痒くなるだけで…」
と訴えると、気分を害したのか
「そんな簡単に治るわけないじゃないですか…飲み続けないと!」と切れ気味に。
負けじと「普段の生活で僕が出来ることはありますか?」と聞くと、
薄笑いを浮かべ「まぁ動かさないよりは動かした方が…」と。
これはダメだと、以来通っていない。
西洋が駄目なら東洋だと友人に勧められた針灸の女先生の元にも伺った。
「もんやさんの体は例えると“火事場のさつまいも”スカスカ状態だねぇ。
しかも強い薬を入れすぎて体が外部からの侵入を拒否しているのよ。針がね…入らないわ。」
それでも丁寧に何度も何度も少しずつトライをして頂き、
2回目の訪問では、かろうじて有効な針が打てるようになったと言われた。
簡単には治らないことは覚悟し、自分専用の針を買い、とにかく通おうと決意した。
そんな矢先でした。
主治医より“再々発”の連絡が入った。
そして1ヶ月後 今、僕はまた病院のベッドにいます。
可笑しくも珍妙なる噂のもとは分かりませんが、
そんな噂が流れた理由のひとつは思い当たると友人に言われた、
「ブログを更新しないから…」
ということで、再開することになりました。
再開に当たっては、この サイトの管理者であり、
よき友人でもあるM氏と約束をしています。
それは単なる「闘病日記」にはしないこと。
出来るなら、エンタテイメントなど広い分野に対して
“もんやチックな”視点を披露すること。
僕自身も、病気に関する話ばかり書いていても楽しくはなく、
その約束は嬉しい限りなのですが…かといって、
僕を心配して覗いてくれた方に、あまりに脳天気な
“もんやチック”であってもいけない。
悩ましいところです。
そのあたり、適当なところで折り合いをつけ、
副作用に立ち向かいつつ、痺れに負けず、正直に感じたままを
綴ってていこうと思いますので、
時に思い出し覗いて頂ければ 嬉しいです。
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