紋谷のソコヂカラ
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30日に2回目の投薬。
投稿日時:2008/08/04(月) 20:26物事が、それなりにこともなく進んでいたり、
よい結果などが出ているうちは、よいのです。
いったん トラブルが起こったり、望んだ結果が得られないと分かると…人の本性は姿を現します。
また、良いときに“よい感じ”なのは当たり前で、悪い時に同じように“よい感じ”でいられるか。しんどい時の“在りよう”で、彼の器の大きさや、彼女の肝っ玉の座り具合は分かってしまいます。
30日に2回目の投薬。
1回目の結果を受けて…今回は許容量MAXの投与となる。実質120%UPだ。副作用もその分UPだ。
僕は決めていた
点滴中、いちばんキツク感じる瞬間に
主治医の先生と担当の看護師さん相手に
冗談のひとつもカマシテやろうと。
どんなにしんどくとも、ジョークを口ずさみ、余裕のあるところ見せてやろうと。
「おぅ…Mrもんやは、なんてすごい人なんだ。こんなにしんどいのに…ユーモアを忘れない。
本物の男だ」 と思って頂こうと。
30日当日 朝1000から1本目。まずは「吐き気止め」。
このネーミングがたまらなく嫌いだ。
なんとかならないか…といつも考えるが思いつかない。
この日は、午前中お見舞い客があった。彼らの会社や仕事の話しなどして盛りあがる。
「なぁんだ…元気そうじゃないですかぁ」と言われ
“007シリース製作40周年記念19タイトルDVDセッドを頂いた。
そういえば「FROM RUSSIA WITH LOVE 」のダニエラ・ビアンキが、
“スクリーンに恋した“初めての女優さんだったなぁ。などと思う。
1200。彼らが帰るとほどなく点滴交換…2本目にしていよいよメインイベンターの登場だ。
ネダプラチン …ネダ・プラ・チン! 。
…僕の元気は ここまでで終わった。
思い出したくもない時間のはじまり。
まずは 全身の皮膚が逆立つ感じの悪寒 これが前兆…次に 吐き気 …胃の中を駆け巡り…
ひっきりなしに突き上げてくる …鼻水が止まらなくなり 体全体から汗が噴き出してくる感じ。
胃がぐうっと縮まり、点滴を引きずりトイレに駆け込む。
特に吐き気はひどい。
一瞬たりとも収まらず、寝転がることすら出来ない。
そのうち体全体が痙攣をはじめる。
それでも吐き気は収まらない。
「こんなもの体に入れるな!!」 …僕が怒っている。
ネダプラ野郎は3時間をかけて、ゆっくり入れる。
まだまだ 続く…ひとこと…失神したい。
1500。次の抗がん剤は、イリノテカン …弱そうな怪獣のような名前だ。
しかし…手強い。さっきまでの症状に加え、左の上下の歯がギリギリと痛みはじめ、
右目がモノモライのような鈍痛で開けられない。
1700。いれたばかりの抗がん剤を、体に行き届かせる為の点滴、通称「流し」に替わる。
これが2本4時間。この流しがまたキツい。
いったん受け止め切った薬が、このせいでまた体中を巡るため…気持ち悪さが増大する。
このあたりまでくると。
ただぐったりしている状態となる。
動けない。動きたくない。
トイレの消毒剤の臭い。
病院食の臭い。
病院の臭い全部が気持ち悪い。
廊下を行くストレッチャーの音。そこかしこで聴こえるお見舞の声。
病院の音全部が気持ち悪い。
それでも、自分で決めた約束事は忘れていない。
いや正直、忘れてはいないが…どうでもよかった。
というか、それどころではない。
そんな気分であるわけがないじゃないか。
ここでジョ-クなど口にしてなんになる。
……しかし、逃げるのは簡単だ。
意味ない、と誤魔化し、なかったことにしても誰にもわからない。
それでよいのか。
いや違う。しんどい時ほど自分を試せ!だ。
先ずは様子を診にきた看護師“君”で肩慣らし。
「吐き気抑えるクスリある?」
「ドンペリドンでよいですか?」
「…銀座のホステスじゃないんだから…どうせならクリュグにして…美味しいから」
「…??」
「あっいや…ごめんシャンパンみたいな名前だなぁと思ってさ」
「……はぁ」
駄目だ 完璧にダメだ。
ジョークがハイブリット過ぎた。
気持ち悪さが増したかのようだ。
夕方、外来を終えて回診に来られた主治医の先生。いよいよ本番だ。
「だいぶんキツイようですが如何ですか?」
「ハァハァ…」
「つらいですか?」
「先生!これはやはり人の体に入れるもんじゃないですよ」
「…無言…」
いちおうインテリ系のユーモアのつもりだったが、僕の悲惨な状態のせいでは、
マジに受け取られてしまったようだ。
治療を否定していると思われてはいけないので、
すかさず自覚している症状の報告へと言葉を繋いだ。
ふむふむと頷く先生
帰り際 、最後の挑戦
「今回は、前回を踏まえて量を増やしてますからね。
やはりその分副作用もキツイわけですよ…」
「先生、だいじょうぶ。抗がん剤は…“こうでなくっちゃ”…ですよ」
精一杯強がった魂のジョーク。しかも哀しそうな笑顔を添えて。
「ははは…そうですかぁ
効いてる感じがしますかぁ(笑)」
よかった 少しは喜んでもらえたようだ。
…しかし充実感はない。なんか虚しい。…ただ、変わらず気持ちが悪いだけだ。
男の器の大きさとはなんなんだろう。
いったん トラブルが起こったり、望んだ結果が得られないと分かると…人の本性は姿を現します。
また、良いときに“よい感じ”なのは当たり前で、悪い時に同じように“よい感じ”でいられるか。しんどい時の“在りよう”で、彼の器の大きさや、彼女の肝っ玉の座り具合は分かってしまいます。
30日に2回目の投薬。
1回目の結果を受けて…今回は許容量MAXの投与となる。実質120%UPだ。副作用もその分UPだ。
僕は決めていた
点滴中、いちばんキツク感じる瞬間に
主治医の先生と担当の看護師さん相手に
冗談のひとつもカマシテやろうと。
どんなにしんどくとも、ジョークを口ずさみ、余裕のあるところ見せてやろうと。
「おぅ…Mrもんやは、なんてすごい人なんだ。こんなにしんどいのに…ユーモアを忘れない。
本物の男だ」 と思って頂こうと。
30日当日 朝1000から1本目。まずは「吐き気止め」。
このネーミングがたまらなく嫌いだ。
なんとかならないか…といつも考えるが思いつかない。
この日は、午前中お見舞い客があった。彼らの会社や仕事の話しなどして盛りあがる。
「なぁんだ…元気そうじゃないですかぁ」と言われ
“007シリース製作40周年記念19タイトルDVDセッドを頂いた。
そういえば「FROM RUSSIA WITH LOVE 」のダニエラ・ビアンキが、
“スクリーンに恋した“初めての女優さんだったなぁ。などと思う。
1200。彼らが帰るとほどなく点滴交換…2本目にしていよいよメインイベンターの登場だ。
ネダプラチン …ネダ・プラ・チン! 。
…僕の元気は ここまでで終わった。
思い出したくもない時間のはじまり。
まずは 全身の皮膚が逆立つ感じの悪寒 これが前兆…次に 吐き気 …胃の中を駆け巡り…
ひっきりなしに突き上げてくる …鼻水が止まらなくなり 体全体から汗が噴き出してくる感じ。
胃がぐうっと縮まり、点滴を引きずりトイレに駆け込む。
特に吐き気はひどい。
一瞬たりとも収まらず、寝転がることすら出来ない。
そのうち体全体が痙攣をはじめる。
それでも吐き気は収まらない。
「こんなもの体に入れるな!!」 …僕が怒っている。
ネダプラ野郎は3時間をかけて、ゆっくり入れる。
まだまだ 続く…ひとこと…失神したい。
1500。次の抗がん剤は、イリノテカン …弱そうな怪獣のような名前だ。
しかし…手強い。さっきまでの症状に加え、左の上下の歯がギリギリと痛みはじめ、
右目がモノモライのような鈍痛で開けられない。
1700。いれたばかりの抗がん剤を、体に行き届かせる為の点滴、通称「流し」に替わる。
これが2本4時間。この流しがまたキツい。
いったん受け止め切った薬が、このせいでまた体中を巡るため…気持ち悪さが増大する。
このあたりまでくると。
ただぐったりしている状態となる。
動けない。動きたくない。
トイレの消毒剤の臭い。
病院食の臭い。
病院の臭い全部が気持ち悪い。
廊下を行くストレッチャーの音。そこかしこで聴こえるお見舞の声。
病院の音全部が気持ち悪い。
それでも、自分で決めた約束事は忘れていない。
いや正直、忘れてはいないが…どうでもよかった。
というか、それどころではない。
そんな気分であるわけがないじゃないか。
ここでジョ-クなど口にしてなんになる。
……しかし、逃げるのは簡単だ。
意味ない、と誤魔化し、なかったことにしても誰にもわからない。
それでよいのか。
いや違う。しんどい時ほど自分を試せ!だ。
先ずは様子を診にきた看護師“君”で肩慣らし。
「吐き気抑えるクスリある?」
「ドンペリドンでよいですか?」
「…銀座のホステスじゃないんだから…どうせならクリュグにして…美味しいから」
「…??」
「あっいや…ごめんシャンパンみたいな名前だなぁと思ってさ」
「……はぁ」
駄目だ 完璧にダメだ。
ジョークがハイブリット過ぎた。
気持ち悪さが増したかのようだ。
夕方、外来を終えて回診に来られた主治医の先生。いよいよ本番だ。
「だいぶんキツイようですが如何ですか?」
「ハァハァ…」
「つらいですか?」
「先生!これはやはり人の体に入れるもんじゃないですよ」
「…無言…」
いちおうインテリ系のユーモアのつもりだったが、僕の悲惨な状態のせいでは、
マジに受け取られてしまったようだ。
治療を否定していると思われてはいけないので、
すかさず自覚している症状の報告へと言葉を繋いだ。
ふむふむと頷く先生
帰り際 、最後の挑戦
「今回は、前回を踏まえて量を増やしてますからね。
やはりその分副作用もキツイわけですよ…」
「先生、だいじょうぶ。抗がん剤は…“こうでなくっちゃ”…ですよ」
精一杯強がった魂のジョーク。しかも哀しそうな笑顔を添えて。
「ははは…そうですかぁ
効いてる感じがしますかぁ(笑)」
よかった 少しは喜んでもらえたようだ。
…しかし充実感はない。なんか虚しい。…ただ、変わらず気持ちが悪いだけだ。
男の器の大きさとはなんなんだろう。
しょこたん先生
投稿日時:2008/07/29(火) 09:06しょこたん先生はいつも、音もなく現れる。
気づくとベットの脇に立っていて、「おかわりないですか?」とくる。
「ありませんよ」と応えると、「そうですか」と応え…そのまま佇んでいる。
…特に何かを語るでもなさそうで…口元にわずかに笑みをたたえ、じっとこちらを見ている。
そのまま無言で向かい合うのもなんなので、
「2回目の投薬、量を増やされるんでしょ…怖いですね」
などと振ってみると、
「…そうですね…今回の結果を受けて決めますから…」
とひとこと。
「はいわかりました」…
「ではまた」
僕のケース、医者の側から見てみると、ひとつ、新しい抗がん剤が効くのか否か、ふたつ、副作用の程度に問題はないか否か、後者は前者のためにチェックされる。つまり“決められた量を決められたサイクルで投薬する”ことが重要な抗がん剤治療の場合、副作用の程度によっては治療を断念したり、サイクルを変えなければならなくなってしまうからだ。
逆に言えば、いったん投薬をしてしまい、その後副作用に問題なければ、次の投薬までそれほどナーバスになることもない。
僕も、勝負は“効くのか効かないのか”の一点、ここに気持ちの全部を持ってゆく。それ以前の副作用がどんなに酷くとも、通過儀礼でしかないと頭と体で感じている。
だから、グチのひとつ、悩みのひとつ、言うわけでなし。しょこたん先生が、様子を伺いにいらしても、患者らしからぬ態度に映っているのかもしれない。
こんな鈍感でふてぶてしい僕は別にして、癌と宣告され、化学療法を受けている多くの患者さんにとって、治療と治療の間は心が揺れる。開き直っていたつもりでも…怖い…強くありたいと願っても…不安は襲う。
だから、病室に回診に来てくれた折の先生の言葉は、魔法のコトバだ。
決して「だいじょうぶですよ」とは言わない、よいところ「がんばりましょう」だ。それでも先生のひとことひとことに患者は救われる、毎日お見舞いに来てくれる奥さんに甘え倒し、わがまま言い放題のオヤジさんも、先生に対しては神妙な顔で、その魔法のひとことを聞き漏らすまいと、ベットの上で正座する。
お医者さんも大変だ。明らかに気持ちが落ちている患者さんなどに、
「だいじょうぶですよ」と声をかけてあげたい。でもそれは出来ないこと。
その代わり、患者さんが感じる悩みや体調の変化ひとつひとつに耳を傾け、丁寧に応えてゆく。
しょこたん先生はそんな先生だ。
何度か見聞きして気づいたことですが、彼女は、患者さんのどんな質問にも、正確にそして誠実に応えようとしている
感情を露わにせず、余計な気づかいもせず…ただプロとして相対している。
しょこたん先生は、大学病院での、前期研修医期間を経て、この病院にやってきた。泌尿器科はご本人の希望。なぜと伺うと…少し考え“手術があるから”…と答えた。
患者を治す行為に“手術”という直接的なスキルで対処できることが魅力だったらしい。
「充実感はありますか?」
「まだまだ追われていて…そこまでの余裕はないですね」
「患者さんがみんな癌ということに抵抗はありますか?」
「いえ…特に…」
「その誠実さは昔から?」
「う~んどうでしょう」
「趣味はなんですか?」
「…ギター」
「ロックですか?」
「軽音です」
「コピー?」
「友達はジュディマリとか」
「先生は?」
「…スピッツ」
「今も弾くんですか?」
「いえ…時間もないし」
先生、申し送り前の貴重なお時間をすいません。これからもそんな調子で…お願いします。
ちなみにこのプチ取材はこんな質問から始まった。
「先生…しょこたんに似てるっていわれませんか?」
「…えっ!?……そんな!……‥言われたことは…あります」
※ブログへの掲載は、一応、ご本人の快諾を得ていますが、実際にご覧になり、気分を害されるかもしれません(笑)。その場合は速やかに削除致しますのであしからず。また、お見舞いにいらした際、しょこたん先生をお見かけしても、「しょこたん先生!」などと気軽に声をかけないようにお願いします。僕の大切な主治医のおひとりですから
気づくとベットの脇に立っていて、「おかわりないですか?」とくる。
「ありませんよ」と応えると、「そうですか」と応え…そのまま佇んでいる。
…特に何かを語るでもなさそうで…口元にわずかに笑みをたたえ、じっとこちらを見ている。
そのまま無言で向かい合うのもなんなので、
「2回目の投薬、量を増やされるんでしょ…怖いですね」
などと振ってみると、
「…そうですね…今回の結果を受けて決めますから…」
とひとこと。
「はいわかりました」…
「ではまた」
僕のケース、医者の側から見てみると、ひとつ、新しい抗がん剤が効くのか否か、ふたつ、副作用の程度に問題はないか否か、後者は前者のためにチェックされる。つまり“決められた量を決められたサイクルで投薬する”ことが重要な抗がん剤治療の場合、副作用の程度によっては治療を断念したり、サイクルを変えなければならなくなってしまうからだ。
逆に言えば、いったん投薬をしてしまい、その後副作用に問題なければ、次の投薬までそれほどナーバスになることもない。
僕も、勝負は“効くのか効かないのか”の一点、ここに気持ちの全部を持ってゆく。それ以前の副作用がどんなに酷くとも、通過儀礼でしかないと頭と体で感じている。
だから、グチのひとつ、悩みのひとつ、言うわけでなし。しょこたん先生が、様子を伺いにいらしても、患者らしからぬ態度に映っているのかもしれない。
こんな鈍感でふてぶてしい僕は別にして、癌と宣告され、化学療法を受けている多くの患者さんにとって、治療と治療の間は心が揺れる。開き直っていたつもりでも…怖い…強くありたいと願っても…不安は襲う。
だから、病室に回診に来てくれた折の先生の言葉は、魔法のコトバだ。
決して「だいじょうぶですよ」とは言わない、よいところ「がんばりましょう」だ。それでも先生のひとことひとことに患者は救われる、毎日お見舞いに来てくれる奥さんに甘え倒し、わがまま言い放題のオヤジさんも、先生に対しては神妙な顔で、その魔法のひとことを聞き漏らすまいと、ベットの上で正座する。
お医者さんも大変だ。明らかに気持ちが落ちている患者さんなどに、
「だいじょうぶですよ」と声をかけてあげたい。でもそれは出来ないこと。
その代わり、患者さんが感じる悩みや体調の変化ひとつひとつに耳を傾け、丁寧に応えてゆく。
しょこたん先生はそんな先生だ。
何度か見聞きして気づいたことですが、彼女は、患者さんのどんな質問にも、正確にそして誠実に応えようとしている
感情を露わにせず、余計な気づかいもせず…ただプロとして相対している。
しょこたん先生は、大学病院での、前期研修医期間を経て、この病院にやってきた。泌尿器科はご本人の希望。なぜと伺うと…少し考え“手術があるから”…と答えた。
患者を治す行為に“手術”という直接的なスキルで対処できることが魅力だったらしい。
「充実感はありますか?」
「まだまだ追われていて…そこまでの余裕はないですね」
「患者さんがみんな癌ということに抵抗はありますか?」
「いえ…特に…」
「その誠実さは昔から?」
「う~んどうでしょう」
「趣味はなんですか?」
「…ギター」
「ロックですか?」
「軽音です」
「コピー?」
「友達はジュディマリとか」
「先生は?」
「…スピッツ」
「今も弾くんですか?」
「いえ…時間もないし」
先生、申し送り前の貴重なお時間をすいません。これからもそんな調子で…お願いします。
ちなみにこのプチ取材はこんな質問から始まった。
「先生…しょこたんに似てるっていわれませんか?」
「…えっ!?……そんな!……‥言われたことは…あります」
※ブログへの掲載は、一応、ご本人の快諾を得ていますが、実際にご覧になり、気分を害されるかもしれません(笑)。その場合は速やかに削除致しますのであしからず。また、お見舞いにいらした際、しょこたん先生をお見かけしても、「しょこたん先生!」などと気軽に声をかけないようにお願いします。僕の大切な主治医のおひとりですから
「知らずに死ねるか」
投稿日時:2008/07/27(日) 23:18このブラックで自虐的なタイトルは、日本版のPLAY BOYに1981年から内藤陳さんが連載されていた伝説の面白本紹介コラム「読まずに死ねるか」から頂きました。
第1話の小タイトルは、「ジャックヒギンズを知らない…死んで欲しいと思う」
このタイトルのせいで僕は、IRAで宗教的で孤高なくせに実はさびしんぼう、そんな殺し屋が主人公のヒギンズの小説を全部読む羽目になりました。
今でこそ、年末になると「今年の面白本ランキング」なるものがムックにて発行されたり、週刊誌の編集記事に目白押し、読み損ねた作品をチェックするにはもってこいなのですが、僕が20歳の頃にはまだそこまでのことはなく…個人では小林信彦さん(現在週刊文春にて‘本音を申せば’連載中)くらいしか「指南役」はおらず、そこに登場した「読まずに死ねるか」の“陳メ”で始まるテンションの高い語り口に乗せられて…乗せられ(笑)
「知らずに死ねるか」は…つまらないエンターテイメントに大切な時間を無駄にして欲しくない…そんな僕のおせっかいな押し付け話ですので、興味のない方は無視して頂き…そのまま死んじゃってください(笑)。まあ、知らないで暮らしても、それほど大層な違いはないですから。
●「ワンピース 冬に咲く奇跡の桜」 …いきなりアニメです(笑)
夏休みに併せてのDVD発表でしたから、子どもにせがまれてレンタルされた方も多いと思います。もし、「どうせ子ども向け」と軽く考え、 お子さんだけに観せて自分が観ていないなら、是非、観てください。“延滞上等”僕が許します。
よく「泣ける話」といいますが、この作品で目頭にこない人がいたら、医者に相談すべきです。なんならうちの病院にきてください。僕のベットと点滴をお貸します。
ワンピースというアニメ自体「友情」をテーマにしていますが、この作品では更に「新しい出会いこそが人生を豊かにしてくれる」というスピリットを強く感じさせてくれる仕上がりになっています。ちなみにワンピースの“ワの字も知らない”という方もだいじょうぶ、充分楽しめます。ただひとつご注意を、この作品の面白さに感動して、すでに公開された過去の劇場作品を借りに行ってはいけません。どれも単なる凡作ですから。
蛇足ですがストーリィは原作のエピソードとほぼ同じですが、劇場用に手直しされていて、オリジナルをご存知の方は、始まってすぐ「あれ?」と思われますが、気にせずに。
あぁ…これから観るという方がうらやましい。
ついでに、「観ずには死ねないアニメ」をもう2つ。
●「ベルウイル・ランデブー」2003年配給:クロックワークス
フレンチアニメーションの大傑作ですストーリイはもちろん絵の斬新さ音楽のセンス…最高です
スタジオジブリコレクションです
●「東京ゴットファーザーズ」2003年 今敏監督作品
パプリカの前の作品です
大友系が好きな方にはたまりません。1949年アメリカ映画「3人の名付け親」から着想得た作品ですが、この3人が中年オヤジにオカマに女子校生…設定がしゃれてます。
※ちなみに両作品ともアカデミー長編賞他にノミネートされています
今回は比較的新しめでチョイスしましたが お勧めアニメはまだまだまあります。
第1話の小タイトルは、「ジャックヒギンズを知らない…死んで欲しいと思う」
このタイトルのせいで僕は、IRAで宗教的で孤高なくせに実はさびしんぼう、そんな殺し屋が主人公のヒギンズの小説を全部読む羽目になりました。
今でこそ、年末になると「今年の面白本ランキング」なるものがムックにて発行されたり、週刊誌の編集記事に目白押し、読み損ねた作品をチェックするにはもってこいなのですが、僕が20歳の頃にはまだそこまでのことはなく…個人では小林信彦さん(現在週刊文春にて‘本音を申せば’連載中)くらいしか「指南役」はおらず、そこに登場した「読まずに死ねるか」の“陳メ”で始まるテンションの高い語り口に乗せられて…乗せられ(笑)
「知らずに死ねるか」は…つまらないエンターテイメントに大切な時間を無駄にして欲しくない…そんな僕のおせっかいな押し付け話ですので、興味のない方は無視して頂き…そのまま死んじゃってください(笑)。まあ、知らないで暮らしても、それほど大層な違いはないですから。
●「ワンピース 冬に咲く奇跡の桜」 …いきなりアニメです(笑)
夏休みに併せてのDVD発表でしたから、子どもにせがまれてレンタルされた方も多いと思います。もし、「どうせ子ども向け」と軽く考え、 お子さんだけに観せて自分が観ていないなら、是非、観てください。“延滞上等”僕が許します。
よく「泣ける話」といいますが、この作品で目頭にこない人がいたら、医者に相談すべきです。なんならうちの病院にきてください。僕のベットと点滴をお貸します。
ワンピースというアニメ自体「友情」をテーマにしていますが、この作品では更に「新しい出会いこそが人生を豊かにしてくれる」というスピリットを強く感じさせてくれる仕上がりになっています。ちなみにワンピースの“ワの字も知らない”という方もだいじょうぶ、充分楽しめます。ただひとつご注意を、この作品の面白さに感動して、すでに公開された過去の劇場作品を借りに行ってはいけません。どれも単なる凡作ですから。
蛇足ですがストーリィは原作のエピソードとほぼ同じですが、劇場用に手直しされていて、オリジナルをご存知の方は、始まってすぐ「あれ?」と思われますが、気にせずに。
あぁ…これから観るという方がうらやましい。
ついでに、「観ずには死ねないアニメ」をもう2つ。
●「ベルウイル・ランデブー」2003年配給:クロックワークス
フレンチアニメーションの大傑作ですストーリイはもちろん絵の斬新さ音楽のセンス…最高です
スタジオジブリコレクションです
●「東京ゴットファーザーズ」2003年 今敏監督作品
パプリカの前の作品です
大友系が好きな方にはたまりません。1949年アメリカ映画「3人の名付け親」から着想得た作品ですが、この3人が中年オヤジにオカマに女子校生…設定がしゃれてます。
※ちなみに両作品ともアカデミー長編賞他にノミネートされています
今回は比較的新しめでチョイスしましたが お勧めアニメはまだまだまあります。
松村の奥さんからのメール
投稿日時:2008/07/24(木) 21:38昨年、再発の告知を受けてから、
松村のことを何度も思い出します。田中あっこのことも川原のこともダテジュンのことも…浜松の叔母さんのことも。ほんとうに物心ついてからの親友だった中川節夫のことも。
人は誰かの死をいつか忘れてしまう。それは、忘れないとその悲しみがたまって押しつぶされてしまうから…らしい。
お盆には必ず帰省します。若い頃は煩わしいと感じていましたが、今では年に1度は原風景に還るのが楽しみとなっています。静岡県の西、周智郡森町、茶畑と田んぼ、山と川しかない田舎です。浅田次郎さんの短編小説「うらぼんえ」の映像化の際にロケ地に使われたりしました。
「正月はいいから盆には帰れ」東京生まれの友人にこんな話をしてもピンとこないらしいのですが、先祖を守る風習が身に染み込み“お墓”のある菩提寺を奉ることを役目と尊ぶのは、ウチの田舎に限らない話でしょう。
ここ1年のうちに“不幸”のあった家を「初盆」と言い、盆の3日間、外では松明を焚き、座敷にしつらえた仏壇は、大きな回り提灯や蓮の造花で飾ります。座敷へと続く縁側の戸は解放され、“おっさま”のお経の後は、隣村の皆様を迎え宴会が始まります。日が暮れると、近隣の村々ごとに、青竹や熊笹で化粧したリヤカーに大太鼓と小太鼓を積み、大きな番傘に赤い布を巻いた“かさんぼこ”という子供念仏の集団が、1台また1台とやってきて、初盆を弔う歌を唄います。僕も、小学校4年生から中学2年まで…この盆車を曳き、盆休みの間中、唄いまくっていました。
「そもそも遠州浜松のぅ~大念仏のはじまりはぁ~げんき三年猿の年~家康公と信玄とぉ~三方原にていくさしてぇ~」
まだ唄えます(笑)
宴会は終わりなく続きます。
「騒いでやってやぁ~故人が寂しがるらぁ~」
死んだ人を弔う気持ちは、五穀豊穣を願うお祭りや新年を祝う正月とは別に、子ども心にも強烈な印象を残します。
…が故ですか、お盆には必ず帰省してしまう。そんなところです。
松村とは新宿時代の雀友であり、趣味の映画の話をとことんまで出来る数少ない友でした。亡くなって3年が過ぎるうちに、忘れてしまっていた彼の事を、最近思い出します。進行性で悪性の癌は、思いのほか早く彼を蝕みました。僕が知ったのは、亡くなった後でした。
死を意識した松村は何を想ったのか今では知る由もありませんが…自分がこんな今だから思い出すのでしょう。
葬式での松村の奥さんの姿は…適当な形容が思いつきませんが…何というか…素敵でした。
まだ幼い子供らを脇に気遣い「松村の心は私たちの中にあります」
凛と言い放った姿は…ただ悲しむばかりの我々に勇気をくれた気がしました。
そんな松村の奥さんから本日、思いがけずメールを頂きました。ご本人の許しを得てご紹介します。
松村に縁のある方は、暫し、彼を思い出してあげてください。もうすぐお盆ですから…
◆ご無沙汰してます。茅ヶ崎の松村です。その節はお世話になりました。隆さんいなくなってもうすぐ3年半になります。
自分のことでいっぱいで、紋谷さんのこと、高原君から聞きくまで知りませんでした。すみませんお話になりっぱなしの不義理夫婦でホントすみません
BLOGみました。県立ににいらっしゃるんですねー。松村の診察で一度行ったことがあるんですよ。うちのは原始神経外胚用性腫瘍とかp-netとかいうやつで、県立も国立も難しかったみたいです。
頑張れてる紋谷さん、すごいです。ちょっぴり羨ましいです。隆さんの分も頑張ってください!
娘にも相談しました。パパがすごくお世話になった先輩が同じ病気で頑張ってること、ママはパパができなかった抗癌剤治療でパパの分を生きてほしいって。そしたら「そうだね、パパもそう思ってるね」だって。子供達の気持ち、お見舞いの気持ちに託しました。
BLOGで沢山の懐かしい顔に会えました。紋谷さんのBLOG、プチ同級会みたいですね。紋谷さんのお人柄ですよね。すごいです。
そういえば、隆さんって紋谷さんのお店、一度も伺ってないですよね。ホントすみません。(きっと向こうでバツが悪そうに頭に手をあててるかも)隆さんも応援してます。癌おとなしくさせちゃってくださいね。
人は誰かの死をいつか忘れてしまう。それは、忘れないとその悲しみがたまって押しつぶされてしまうから…らしい。
お盆には必ず帰省します。若い頃は煩わしいと感じていましたが、今では年に1度は原風景に還るのが楽しみとなっています。静岡県の西、周智郡森町、茶畑と田んぼ、山と川しかない田舎です。浅田次郎さんの短編小説「うらぼんえ」の映像化の際にロケ地に使われたりしました。
「正月はいいから盆には帰れ」東京生まれの友人にこんな話をしてもピンとこないらしいのですが、先祖を守る風習が身に染み込み“お墓”のある菩提寺を奉ることを役目と尊ぶのは、ウチの田舎に限らない話でしょう。
ここ1年のうちに“不幸”のあった家を「初盆」と言い、盆の3日間、外では松明を焚き、座敷にしつらえた仏壇は、大きな回り提灯や蓮の造花で飾ります。座敷へと続く縁側の戸は解放され、“おっさま”のお経の後は、隣村の皆様を迎え宴会が始まります。日が暮れると、近隣の村々ごとに、青竹や熊笹で化粧したリヤカーに大太鼓と小太鼓を積み、大きな番傘に赤い布を巻いた“かさんぼこ”という子供念仏の集団が、1台また1台とやってきて、初盆を弔う歌を唄います。僕も、小学校4年生から中学2年まで…この盆車を曳き、盆休みの間中、唄いまくっていました。
「そもそも遠州浜松のぅ~大念仏のはじまりはぁ~げんき三年猿の年~家康公と信玄とぉ~三方原にていくさしてぇ~」
まだ唄えます(笑)
宴会は終わりなく続きます。
「騒いでやってやぁ~故人が寂しがるらぁ~」
死んだ人を弔う気持ちは、五穀豊穣を願うお祭りや新年を祝う正月とは別に、子ども心にも強烈な印象を残します。
…が故ですか、お盆には必ず帰省してしまう。そんなところです。
松村とは新宿時代の雀友であり、趣味の映画の話をとことんまで出来る数少ない友でした。亡くなって3年が過ぎるうちに、忘れてしまっていた彼の事を、最近思い出します。進行性で悪性の癌は、思いのほか早く彼を蝕みました。僕が知ったのは、亡くなった後でした。
死を意識した松村は何を想ったのか今では知る由もありませんが…自分がこんな今だから思い出すのでしょう。
葬式での松村の奥さんの姿は…適当な形容が思いつきませんが…何というか…素敵でした。
まだ幼い子供らを脇に気遣い「松村の心は私たちの中にあります」
凛と言い放った姿は…ただ悲しむばかりの我々に勇気をくれた気がしました。
そんな松村の奥さんから本日、思いがけずメールを頂きました。ご本人の許しを得てご紹介します。
松村に縁のある方は、暫し、彼を思い出してあげてください。もうすぐお盆ですから…
◆ご無沙汰してます。茅ヶ崎の松村です。その節はお世話になりました。隆さんいなくなってもうすぐ3年半になります。
自分のことでいっぱいで、紋谷さんのこと、高原君から聞きくまで知りませんでした。すみませんお話になりっぱなしの不義理夫婦でホントすみません
BLOGみました。県立ににいらっしゃるんですねー。松村の診察で一度行ったことがあるんですよ。うちのは原始神経外胚用性腫瘍とかp-netとかいうやつで、県立も国立も難しかったみたいです。
頑張れてる紋谷さん、すごいです。ちょっぴり羨ましいです。隆さんの分も頑張ってください!
娘にも相談しました。パパがすごくお世話になった先輩が同じ病気で頑張ってること、ママはパパができなかった抗癌剤治療でパパの分を生きてほしいって。そしたら「そうだね、パパもそう思ってるね」だって。子供達の気持ち、お見舞いの気持ちに託しました。
BLOGで沢山の懐かしい顔に会えました。紋谷さんのBLOG、プチ同級会みたいですね。紋谷さんのお人柄ですよね。すごいです。
そういえば、隆さんって紋谷さんのお店、一度も伺ってないですよね。ホントすみません。(きっと向こうでバツが悪そうに頭に手をあててるかも)隆さんも応援してます。癌おとなしくさせちゃってくださいね。
「英雄たちの夏物語」
投稿日時:2008/07/22(火) 18:09毎年この季節に行われる、
スポーツイベントに魅せられて15年以上になります。
スポーツイベントに魅せられて15年以上になります。
3週間をかけ、自転車でフランス国内を1周するサイクルロードレース「ツールドフランス(以下ツール)」。“毎年”開催されるひとつの競技イベントとしては、その規模やステイタスにおいて間違いなく世界最高のビックイベントです。…といっても日本ではまだまだその認知度合は驚くほど低く、僕の回りでも「あぁ…知ってるよ。ちゃんと観たことはないけど…面白いの?」こんな方々がほとんどです。
今年はEUROとオリンピックがある年で、間にウインブルドンと全英オープン…サッカーWの最終予選に甲子園、レギュラーシーズンのプロ野球にJリーグはもちろん、もう完全に某局のタイアップなしにはなり立たない日本バレーと格闘技…と日替わり週替わりでスポーツ中継花盛りです。そんな中にあってツールは地上波民放で放送されていませんから知らないのも当然なのですが。
日本でのツールの放送は1985年~1991年 にNHKBS1が始まりで、その後1992年 フジが放映権を獲得しました。しかし今のように“LIVE”放送が観られるようになったのはその6年後、1998年JSPORTSの前身となる同系列のchがフジからサブライセンスを得て 生中継を開始してからです。
僕が初めてツールの映像を目にできたのは、フジが深夜放送してくれた「英雄たちの夏物語」のおかげです。各ステージの衛星録画や山岳ステージの独占放送、窪田等さんのナレーションに引き込まれ、他のスポーツにはない
面白さに魅了されてしまいました。
このあたりでツールがいかに素晴らしいスポーツであり、「知らないと人生の損失になる」ほどの魅力について、事細かにお話ししたくて“うずうず”するのですが…まずは実際のレースを観てください。
第95回ツールドフランス後半戦は今夜(22日)からです。最大の見どころである「アルプス越え」は今日と明日、第16・17ステージです。
スカパーやケーブルTVに加入している方は“J-SPORTS・PLUS”にてLIVE中継が観られます。たぶん19時過ぎくらいから深夜まで長時間放送しています。帰宅されて思い出したら、リモコンいじってみてください。人生変わりますから…(笑)
105年95回というツールの歴史の中で前人未踏の7連覇(1999 ~2005)を成し遂げた「ランス・アームストロング」は僕と同じ精巣腫瘍の癌でした。発症は1996年、病気が発覚した時点で、癌はすでに脳まで転移していて末期状態だったといいます。すでに1流のアスリートであったランスは この病気にもっとも有効な抗がん剤が肺に障害を与える可能性があることを知ると、その薬の投薬を拒否し、自らが徹底的に調べ別の治療を行います。その後に復活を果たした彼が近代ツールの歴史的偉業を成し遂げたのです。
引退後、彼は母国アメリカにて「ランス・アームストロング財団」を立ち上げ、~LIVESTRONG~というメッセージを発信して癌で苦しむ方々への総合的な支援活動をしています。
誤解なきように添えるなら、同じ病気のアスリートが病魔に打ち勝ち活躍したからツールにはまってしまったわけではありません。
あくまでスポーツとして、その迫力や深さに惹かれたのです。(初めて好きになった選手はスペインのバスク人ミゲール・インデュライン1991~1995ツール5連覇)
僕の夢は いつかロードバイクてツールを観戦しながらフランスを巡ることです。
観戦頂ければわかりますが ツールを観るということはフランス全土を巡る旅をするということです。
名も知らぬ町から町へ、ワインやオリーブの畑の中を、ひまわり咲き乱れる道を、朽ち果てた古城を見上げ、修道院や教会の脇の石畳を駆け抜ける。ピレネー、アルプスともなれば、平均勾配7%~10%、2000メートルを越える裸の山頂目指し、ヨーロッパ全土から集まった観客の中をかき分け、一転下りとなれば、ガードレールすらない坂道を時速100kmで駆け下りる。そしてまた新しい町を目指す。
単なるスポーツ競技以上に楽しめるのがツールなのです。
……とひとり盛り上がっていますが、病院のTVではスカパー!は観られません。僕にとっての最大関心は、本日、一次外泊のお許しが出るかにかかっています。
朝の採血結果はまだ出ません。その間 ツールへの想いは募り、こんなブログになってしまいました(笑)
勝負は白血球か?
頼むぞ赤血球!
負けるな血小板!
あっ! 先生がやって来た!ではまた。
今年はEUROとオリンピックがある年で、間にウインブルドンと全英オープン…サッカーWの最終予選に甲子園、レギュラーシーズンのプロ野球にJリーグはもちろん、もう完全に某局のタイアップなしにはなり立たない日本バレーと格闘技…と日替わり週替わりでスポーツ中継花盛りです。そんな中にあってツールは地上波民放で放送されていませんから知らないのも当然なのですが。
日本でのツールの放送は1985年~1991年 にNHKBS1が始まりで、その後1992年 フジが放映権を獲得しました。しかし今のように“LIVE”放送が観られるようになったのはその6年後、1998年JSPORTSの前身となる同系列のchがフジからサブライセンスを得て 生中継を開始してからです。
僕が初めてツールの映像を目にできたのは、フジが深夜放送してくれた「英雄たちの夏物語」のおかげです。各ステージの衛星録画や山岳ステージの独占放送、窪田等さんのナレーションに引き込まれ、他のスポーツにはない
面白さに魅了されてしまいました。
このあたりでツールがいかに素晴らしいスポーツであり、「知らないと人生の損失になる」ほどの魅力について、事細かにお話ししたくて“うずうず”するのですが…まずは実際のレースを観てください。
第95回ツールドフランス後半戦は今夜(22日)からです。最大の見どころである「アルプス越え」は今日と明日、第16・17ステージです。
スカパーやケーブルTVに加入している方は“J-SPORTS・PLUS”にてLIVE中継が観られます。たぶん19時過ぎくらいから深夜まで長時間放送しています。帰宅されて思い出したら、リモコンいじってみてください。人生変わりますから…(笑)
105年95回というツールの歴史の中で前人未踏の7連覇(1999 ~2005)を成し遂げた「ランス・アームストロング」は僕と同じ精巣腫瘍の癌でした。発症は1996年、病気が発覚した時点で、癌はすでに脳まで転移していて末期状態だったといいます。すでに1流のアスリートであったランスは この病気にもっとも有効な抗がん剤が肺に障害を与える可能性があることを知ると、その薬の投薬を拒否し、自らが徹底的に調べ別の治療を行います。その後に復活を果たした彼が近代ツールの歴史的偉業を成し遂げたのです。
引退後、彼は母国アメリカにて「ランス・アームストロング財団」を立ち上げ、~LIVESTRONG~というメッセージを発信して癌で苦しむ方々への総合的な支援活動をしています。
誤解なきように添えるなら、同じ病気のアスリートが病魔に打ち勝ち活躍したからツールにはまってしまったわけではありません。
あくまでスポーツとして、その迫力や深さに惹かれたのです。(初めて好きになった選手はスペインのバスク人ミゲール・インデュライン1991~1995ツール5連覇)
僕の夢は いつかロードバイクてツールを観戦しながらフランスを巡ることです。
観戦頂ければわかりますが ツールを観るということはフランス全土を巡る旅をするということです。
名も知らぬ町から町へ、ワインやオリーブの畑の中を、ひまわり咲き乱れる道を、朽ち果てた古城を見上げ、修道院や教会の脇の石畳を駆け抜ける。ピレネー、アルプスともなれば、平均勾配7%~10%、2000メートルを越える裸の山頂目指し、ヨーロッパ全土から集まった観客の中をかき分け、一転下りとなれば、ガードレールすらない坂道を時速100kmで駆け下りる。そしてまた新しい町を目指す。
単なるスポーツ競技以上に楽しめるのがツールなのです。
……とひとり盛り上がっていますが、病院のTVではスカパー!は観られません。僕にとっての最大関心は、本日、一次外泊のお許しが出るかにかかっています。
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頼むぞ赤血球!
負けるな血小板!
あっ! 先生がやって来た!ではまた。
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