紋谷のソコヂカラ

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バリ島な話し

投稿日時:2008/11/10(月) 23:03

~ サヤスナン・パルティマカリィー・
  オラン・スーバイ・アンダー ~
 

 
寒くなると…バリ島に行きたくなる。
寒くなくても行きたいのだから、
寒くなればなおさら。
 
いろいろな国を旅してきて、思うことですが、
「また、訪れたいな」とは思う場所はあっても、
「いつか、ここに住みたい」とまで感じる場所は、
なかなかありません。
 
バリ島は、僕にとってはその唯一の場所です。
だから、バリ島に行くときは
「帰る」という気分になります。
 
それは、日本で僕が生まれた故郷と同じ感覚かと問われれば、
それは明らかに違う感じで、
原点回帰…ルーツに戻るというのではなく、
ただ、最後はこういうところで人生を終えたら幸せだろうなあ…
という漠然とした感覚が深くあります。
 
こういう思いを抱くということは、そうそうないことで、
その意味では、この島を知ってよかったとつくづく思うわけです。

 
バリ島を僕と同じように感じて、
永住している日本人は、数多くいます。
また、動機は違っていても、
実際に住んでしまった日本人も多い場所です。
 
何日か滞在すると、そんな日本人に何人も出くわします。
また、そこまでいかなくても、
いまでは、ハワイと双璧の
「日本人がリピートする海外のリゾート地」ですから、
回りを見渡せば、一度は訪れたことがある方が必ず何人かはいます。
 
そして、その中には、…「期待と違った」…
「一度でいいや」 という方も大勢います。
こういう方の多くのパターンは4つ。
 
ひとつめ 
「モルディブやグレートバリアリーフのような
海に出会えると勘違いしている方」
 
ふたつめ 
「東南アジアの猥雑さに心惹かれ、
バンコクの裏町をこよなく愛する方」
 
みっつめ 
「アユタヤやアンコールワットのような、
ヒンドゥや仏教の寺院遺跡に惹かれている方」
 
よっつめ 
「DFS…命の方」
 
まずひとつめ、
南部…特に観光のメインエリアのクタ・レギャンあたりから、
バドゥン半島のの反対側のヌサドゥアや
付け根のサヌールあたりの海は、
決してエメラルドグリーンではありません。
もっといえば、バリ島の反対側…
車で100Km南のロヴィナビーチにしても、
モルディブのような、限りなく
透明の珊瑚の浅瀬などを目にすることはできません。
 
そうですねえ~
遠州灘の遠浅の海といった風情…
こういうと夢も希望もありませんが、
少なくとも、ハワイのワイキキの浜辺くらいを想像していたら
…そのギャップに相当戸惑います。
 
もちろんダイビングはいたるところでできますし、
サーファーの島でもありますから、
マリンスポーツは盛んですが、クタの浜辺に、
白い砂浜とパームツリーと海の青を求めてはいけません。
 
もちろん、海に漕ぎ出して、陸地から離れ、
近隣のレンボガン島やロンボク島まで足を伸ばせれば、
その様子は変わります。
どうしても味わいたい方は、そのつもりで、1日は、
スケジュールに組み入れる必要があると認識してください。
 
ふはつめ、
よこしまな思いで訪れるおっさんには、物足りない場所です。
サヌールにはいわゆる「娼婦の館」なるものが存在しますが、
ベトナムやタイ、韓国やフィリピンの作り上げた
欲望地帯はここでは無縁。

ちなみに、インドネシア人の男性は“女の子”大好きです。
そこだけに限れば、「東洋のイタリア人」といっても
差し支えないくらいに。

そして、そのターゲットは「ニホンノオンナノコ」なのです。
レギャンあたりの安宿に泊まると、
深夜、ホテルのフロントあたりで、
バリの男性と日本の娘とのバトルを目にします。
「ドウシテ…ヘヤニイッテハ、ダメ?
  …ワタシイチニチ、キョウコ二、ツキアッタ」
「ええっ!?そんなあ…感謝しているわ…ありがとう…
 でも、それとこれとは…」
「ナゼ?ワタシ…キョウコノコト…スキ」
「そ…そんなあ…今日あったばかりで…そんなぁ…困るわぁ~」
「スキナモノハスキ…ダカラ、イチニチ、キョウコトイタ」
「………」
「キョウコハ、ワヤン…スキジャナイカ?」
「…いやあ…いい人だとわ思うけど…」
「イイヒト…キライカ?」
「…えっ……そういうわけじゃあ…」
「…」
 
深夜、正々堂々、真っ向から挑む、
バリの青年の潔さと粘りにはいつも感服します。
で、翌朝、クタレギャン通りを、
手をつないで歩いていたりしますから…
もう…おみそれします。

そう考えると、日本人のおっさんには物足りなくても、
日本人の娘さんにはパラダイスかもしれません。
 
みっつめ、
首都ジャカルタのあるジャワ島には
「ボロブドゥール」と「プランバナン」という
インドネシアの2つの世界遺産である、寺院遺跡がありますが、
ともにスケールは小さく、バリから飛行機に乗り
1日かかりで訪れるには、物足りない。
いわゆる「世界遺産を観に行こう」的な感覚には向きません。
ただ、バリは「バリヒンズー教」。
信仰の精神は深く、島全体に大小あわせ、200ものお寺があります。
そういう場所では毎日どこかのお寺で、
村の行事としての「お祭り」が行われています。
寺院を建造物として眺めるのではなく、
そこに暮らす人々の「生活に密接した慣わしに触れる」
という意味では、これほど適した島はありません。

僕などは、島の田舎を巡っていて、
こういうセレモニーに出会うと、必ず中に入れていただきます。
サロンさへきちんと巻いていれば、
浄土真宗を、お盆と法事にしか生かせていない…
こんな日本人でも、意外と快く参加させもらえます。
 


よっつめ、
バリ島は観光の島、外貨獲得の為の
タックスフリーの大型店は数多くあります。
しかし、その品揃えはお粗末。
有名ブランドのショップがあっても
「ニューアライバル」な品はほとんどありませんから、
目端の利いた、東京のお嬢さんには物足りないこと請け合いです。
また余談ですが、アジア諸国おなじみの
「コピー製品」を売るショップも、
目抜き通りに堂々とあったりしますが、
中国や韓国あたりのどこか卑屈な感じはなく、
明るく大らかに売っていたりするのが日常で…笑えます。
 
バリといえば“雑貨天国” 高級品には興味がないけど、
安くて可愛いものなら歓迎よ。
という女性には楽しい町です。
日本人一番人気は、「家具」。
クロボカン~スミニャックあたりには、
工場を備えたショップが点在していて、
日本で買う1/4らいの値段で手に入ります。
もっとも大型家具は、その重さで、船便の送料がかかります。
どうしても欲しいものなら、交渉したり、
まとめたりの労をいとわなければ…
安くて良いものが手に入ります。

僕も、以前、銀座の店用に買い付けしに行き、
巡り歩きましたが、それはそれで楽しい時間でした。
 
このような、よっつの誤解をクリアーしてなお、
バリ島を訪れ、なおかつ「また行きたい」と思った人は、
「バリにハマる人」です(笑)
 
バリ島東部のチャンディダサ…
ここは、メインエリアのクタあたりからだと、
車で1時間半くらいかかります。
 
4泊5日のツアーでは、ほとんど組み込まれないエリアです。
町らしき町はなく、海岸沿いに、大型のホテルが点在しています。
また護岸工事を長いことやっているため、
砂浜もなく、滞在するホテルの中で過ごすか、
ここを拠点に出かけるか…
そんな場所ですから…
あいまって、日本人はほとんどいません。
 
このチャンディダサをこよなく愛する日本人がいます。
 ひとつのホテルのレストランで、晩飯を食っていた時の事…
 
「失礼ですが…日本人の方ですか?」と声をかけられた。

そのホテルで日本人を見かけることが…もう数年なかったので、
懐かしく、思い切って声をかけてくださった…という。
白いパンツにピンクのシャツ。
さらけ出した胸元には、金の鎖のペンダント。
どっしりとした体躯は全身真っ黒。
肌はつやつやしていて、抜けるような笑顔の……おっさんです。

聞けば、8年前に姪を訪ねて遊びに来て、
気に入ってしまい、以来、年の1/3は、
ここチャンディーダサの、このホテルの、
しかも同じ部屋に滞在しているといいます。
 
「会社を息子に譲ってね…
はじめはハワイに永住しようと思ったんだけど…
ここに来てさ…そのへんの漁師のアンちゃんとさ、
釣りしてたら…
居心地よくてね…
それで」と。
そのまま、一緒に飲むことになりました。
 
ホテルのスタッフから「パパ」と呼ばれるほど、
同化してしまっている彼は、
それなりのレストランにも関わらず、
シェフを呼びつけ、今朝、自分で釣ったという魚を揚げさせ、
支配人を同席させ、漁師仲間も招きいれ…
結局、その晩、彼のコテージの部屋まで、
みんなで押しかけ、宴会となりました。
 
こう書くと、なんか、お大臣様を想像されると思いますが、
決してそうではなく、
立派な年金生活者。

お金を贅沢に使うために過ごしているのではなく、
朝早く起きて、漁師の仲間と海に釣りに出かけて、
戻ったら、そのホテルでなんとなく、ボーッとしてたり、
わいわいしてたり、するそんな日常を楽しんでいるのです。
 
ホテルの朝ごはんに出るパンを、
漁師のあんちゃんにあげたり、
駄菓子屋で買った飴を子供へのおみやげと持たせたり、
慎ましやかで自然な立ち居振る舞いなのです。

夜も、高い酒やつまみなどはなく、
現地の密造酒まがいの安酒と乾き物、
彼を慕って集まった漁師たちとの会話
(といっても、彼は英語もインドネシア語もほとんど話せません。
それでもみんな楽しそうにしています)
それに加えて、海の音と満点の星と…そんなんで足りるのです。
 
その姿を見て、僕は、うらやましくもあり、
また、この姿は自分が求める暮らし方とは違うかも…
とふたつのことを感じました。
 
前者はそのままの意味。
後者は…チャンディーダサのこのホテル限定では、
僕なら飽きてしまうという意味です。
 
とはいえ、なかなか愉快な出会いです。 
次にバリに行くときは、このホテルまで足を伸ばして、
またお会いしたいと思いました。
なにせ、彼が持参した、唯一の高級酒「山崎」を
僕がほとんど飲んでしまいましたから。
 
もう何度目かのバリ島…
今から17、8年前は、
マウンテンバイクを担いで訪れたことがあります。
 
この時は、バリ~シンガポール~マレーシアという
スケジュールを組んでいて、
バリ島には1週間くらいの滞在予定でした。
 
入国の税関で

「オマエ コノジテンシャ ウルノガ、モクテキダロウ」
と言われ、奥の事務所まで連れて行かれました。
 
新品だったことが、わざわいしたようで…
それにしても、友人と2人で2台。
商売にはあまりにもありえないシチュエーション、
どう考えてもおかしい。
 
…見ていると、紙切れに
「スペシャルタックス」と書いた紙をやりとりしている。
なるほど。

…やましいところはない、あくまでも突っぱねてやる…

「バリは自転車が似合う国。
 車じゃ、早すぎる。 
 もっとゆくり楽しみたいから、持ってきたんだ」
 と説明していると、事務所の奥からボス登場。
 
「オマエはトライアスロン好きか?」
と意味不明な質問。
 
「嫌いじゃないが…やったことはない」
と答えると。ニヤリと笑い
 
「オレはトライアスロンの選手だ」
と威張るので、
 
「おお!それは素晴らしい。
 スポーツマンの中のスポーツマンだな」
とおだててみると
また、ニヤリと笑い

「インドネシアにようこそ」
と釈放された。
なんだか釈然としなかったが、
とにかくそんなこともあった。
 
バリ島には、鉄道と言うものがないので、
移動手段はバイクか車となる。
 
でも、ちょっとした散歩や、田舎道を巡りたい時などは、
自転車がよく似合う。
ゆっくりとペダルを漕ぐ、
そんなスピードが気持ちのよい場所だ。
 
その旅では、クタからデンパサールを経て、
ウブドゥまで、往復120Kmを1日走った。
目的地は「ネカ美術館」僕の大好きな場所。
 
片道60Kmを越える行程は、なかなかにハードで、
特にウブドゥに近づくに従って、道は坂道が多くなり、
凸凹なロードとなる。
 
緑や田園風景に、足を止めて休憩していると、
地元の小学生などが通り過ぎてゆく。

「スラマツパギ(おはよう)」
「パギ~」 

頭にお供え物をのせて、正装した集団も見かける。
村のお寺のセレモニーだ。
みんな笑いながら…笑顔の行進は見ていても飽きない。
途中、休憩に道端のお店による、
お店といっても、看板もなければメニューもない。

プラスチックの椅子に腰を下ろし、
大して冷えてもいないビンタンビールとナシチャンプルを頼む。
ろくすっぽ味もしないが、
薬味の唐辛子を混ぜてかき込むと…これがうまい。

「エナ スカリ(うまいねえ)」
というと、店のおかみさんが、

「コンナモノガウマイノカ、ヘンナニホンジンダ」
…というような顔をしている。
 
たぶんこういうことが僕が好きな理由だ。
車での移動は、気さくなトランスポーターの
スカウトにかかっている。
 
バリ島では、タクシーの運ちゃんと個別交渉すれば、
翌日から個人タクシーに早替わりとなる。
どこまでいくら 
…半日いくら 
…特に、最近は何人かで訪れることが多く、
中にはバリ島初めてと言う輩もいたので、
目的地までみんなで移動するには、
このスカウティングは欠かせない。
 
いったん仲良くなると、バリの男は気持ちが良い。
初めは、お金持ちニホンジンでしかないが、
たぶんそういうことを計算してばかりいるのが
面倒臭いのだろう…
長い時間一緒にいると、すぐに友達の関係になってしまう。
 
これには、こちらのスタンスも大切で、
なんでもお任せニホンジンと、見られたままだと
どこまでいっても、最後はサヌール(前述)や
キックバックの入る中華料理店に連れていこうとする。
 
旅の都度、ひとりはバリのトランスポーターと仲良くなる。
家にまで連れて行かれたこともあるし、
一緒に、朝まで飲んだこともある。

そうやって知り合ったバリ人なのだが、
次の旅行の折に訪ねようとすると、連絡先が変わっていたり、
引っ越していることが多く、
再会を果たせないでいることがほんとうに多い。
 
まあ、小さい島だから…
いつかどこかで会うだろうと…あまり気にもしていないが。
 
インド系のバリ人のシモンも、そんなひとり。
奥さんが雑貨屋さんを経営していて、
その店が僕の定宿の目の前だったせいで、知り合った。
 
何日か一緒にいたある日、
彼が実家のあるヌガラ(クタから西に100Kmくらい)に
帰ると言うので、一緒に付いて行ったことがある。
このバリ島の西の地域も、
観光目的の日本人はほとんどいない。
 
ただ、いい波がたつという場所で、
サーファーたちは近所のロスメンなどを
ねぐらにして波乗りをしに来る場所。
 
彼の実家は、ヌガラから北に20Kmくらい、
山の上の村にある。
なんと、親父さんがその村の長老で、
今の実家は人に貸しているという。
 
その家とは別に、兄弟とおばあちゃんが住むという
家に着くと、そこは、山の上。
バリ海を遥かに望み、見下ろすと一面の広大なやしの木の森、
その中に寺院があり、そこからガムランが聞こえてくる。
なんとも、不思議な感覚を覚える景色。
 


長老の実家といえど、粗末なあばら家がわずかな敷地に点在する、
いわゆるインドネシア様式の家。
真ん中の小屋に腰を下ろしていると、
冷ご飯と香辛料をまぶした、アジの塩焼きが出てきた。

お昼ごはん。

これがまたうまかった。
…奥さんにレシピを書いてもらい、
クタのスーパーマーケットでその香辛料を買い、
日本に戻って作ってみたが、どうもうまくいかなかった。
 
その翌年にまたシモンとは出会えたのだが、
またその翌年…は出会えなかった。
奥さんの店もなくなっていて携帯も番号違い
…どこでどうしているのだろう。
 
 
テレマカシー…
これはインドネシア語で「ありがとう」の意味。
バリ語では「マトゥールスクサムー」という。
 
バリではこちらのほうが、相手には伝わる。
何かちょっとした「ありがとう」でも、この言葉を使うと、
相手の態度や表情は、とたんに柔らかく、優しくなる。
 

サヤスナン・パルティマカリー・オラン・スーバイ・アンダー
とは、

「あなたのような素敵な方に、ワタシは初めて出会った」

という意味。
 
初め、この意味の日本語を、バリの言葉に訳せと言うと、
友人のマーデーは
 
「もんやは ほんとにへんなことばかり言うなあ。
 そんなこと他の日本人誰も聞かないよ」と言う。
 
「女の子口説くのか」とも言う。
 
そうじゃあない。 
出会えたことに喜びがあれば、
それをちゃんと伝えたいし、
そういう出会いにしたいから。
 
というと、ヘン顔をして、
それでも30分くらい考えてくれて
…言葉をひねり出してくれる。
 
日本語のニュアンスを正確に翻訳するには、
インドネシアやバリの言葉では語彙が足りないのです。
だから、多少、長くもなる。
 
そんなこんなで、バリ島に通って…もう30回近くなります。
 そろそろ、「今後のお付き合いをどうするのか」
決めなければと思っています。
 
これは、観光に行くには、行き過ぎたという意味であり、
それでもなお、また帰りたいなあ~と強く焦がれる
場所であるからです。
 
また、今の状況では、なかなか行けない日々ですが、
人生なにが、どうなるかわかりません。
いろいろうまいこと転がって、
近い将来、みんなとワイワイと
バリ島に行きたいなあ~と思うのでした。
 
年末にバリに行こうかなあ~なんて言う人は一報ください。
絶対に楽しい、プラン組みますから。




知らずに死ねるか Vol,8

投稿日時:2008/11/05(水) 14:32

~ 思い出の映画はなんですか? ~
 
 
学校の体育館で「映画」を観た思い出はありますか。
秋の文化祭の学校行事のひとつ。
僕は、中学と高校の2度の思い出があります。
 
高校時代は、生徒会主催の任意参加のプログラムのひとつでしたが、
中学の鑑賞会は、学校側の主催。
全校生徒集められて、体育座りでの鑑賞でした。
 
「もんやあ~今度の文化祭…映画上映するんだけど…なにがええ?
 こんなかから選んでくれんかなあ~」
 
と、中学の担任の先生から頼まれた僕は、
業者からもらったリストを渡され、困った思い出があります。

自分が観たい作品ならどうとでもなるのですが、
全校生徒と先生が鑑賞するとなると、趣味で選ぶというわけにはいきません。
 
また、そのリストなんですが、いわゆる“文部省”が認定やら推奨やらしているものばかりで、そもそも、面白くない。
ちなみに、当時は昭和50年。
劇場では、百恵&友和とブルースリーが人気を二分していた時代。
 
「初江!飛んで来い!」と「アチャア~!!」を求めて、
みんなが映画館に押し寄せていた頃です、
そこに、文部省認定では、どうも気が利かない。
 
「先生。無理です」
 
と一度は、断りに行ったのですが、
 
「まあ、そういわないで、頼むわ。ちなみに先生は吉永小百合が好きだなあ~」
と押し付けられてしまいました。
 

僕なりの責任感で、悩んだ末に選んだ映画は2つ…
 
「戦艦ポチョムキン」と「キューポラのある町」
 
ポチョムキンは「1次大戦下、上官が兵士に“蛆を食え”と
強要することで起る、船の上での兵士たちの氾濫を描いた
ロシアのモノクロ作品。
同じ、戦争モノでも、アメリカ活劇系を選びたかったのですが…
リストにはなく。
 キューポラは ご存知、サユリスト垂涎の初期作品。
 
「なるほど…わかった。あとは職員会議で決めるわ」
 
となり、結局…ポチョムキンが上映されることになったのですが、
これが、まあ大失敗。
 
テーマも映像も暗すぎて、全校生徒相手の上映会にはまったくそぐわない。
上映後に、感想文を書かされるのですが、後で聞いたら、

「蛆を食わせる上官はひどい!」
「乳母車が落ちるシーンは残酷すぎる」
「なんで、この映画を上映したのか意味不明」…
 
などなど、生徒からは、文句の嵐だったそうでした。
 担任の先生は
 
「オレはキューポラを押したんだけど、歴史の先生がなあ~」
 
などと、フォーローにもならない慰めを頂きました。
数年前に中学の同窓会で、この映画の話になり、
 
「実は、オレが決めたんだよね」
 
というと、

「あれから、戦争映画が嫌いになった」だの、
「帰って、あの蛆のシーンを思い出し、メシが食えなかったんだよな」だの、
 
四半世紀をすぎてなお、文句を言いいたくなるほどの
インパクトだったのかと、改めて思い知り、
子供の心はいろいろ焼きつくものだと、へんに感心したりもしました。
 
高校に2年の頃、また文化祭の前。
校内放送で呼ばれ、生徒会室にゆくと、
 
「おまえ、映画詳しいだろう…今度の文化祭で上映作品決めるんだけど、
オブザーバーで参加してや」
 
と1年先輩の生徒会長のことば。
今度の相手は、上級生といえど、同じ生徒。
これはハナから断ろうと、
 
「クラブの出しものと委員会の出し物で忙しいから、無理です」と。
 
ちなみに、クラブはテニス。出し物は
 
「好き!好き!好き!藤堂さん!ひろみは今日も負けないわ」
 
男女で参加、ダブルストーナメント。
これは、事前にチラシまで作って配布したところ、
1日じゃ終わらない組合わせ数となり…大盛況。
 
委員会は、放送部主催の“イントロ当てクイズ”
当時の、洋楽のヒットナンバーをかき集めて音楽室で一日中開催。
両方とも、企画した責任があり、実行委員長をしていたので、
ほんとうに時間はなかったのです。
 
「明日の放課後に決めるから、とりあえず、
このリスト見てアドバイスくれるだけでもいいから」
 
でたあ!!リスト!
 
それでも、断ろうとすると、今度は副会長が…
 
「おねがい…わたしたちだけじゃ…決められないの」
 
ときた。…結局、引き受けることになったのは、
この副会長が僕の憧れの君…だったという…まあそういうことで。
この判断基準に間違いはない…曇りはよこしまでも、抗うすべはない。
 
さて、高校時代は、角川映画とハリウッド映画全盛。
 
「ママぁ~僕の麦藁帽子…キスミー!」と「フォースの力のあらんことを」
 
で沸き立っていた映画最盛期。
 
しかしその晩、家に帰り、渡されたリストを見ると、
やはり、あいも変わらず…認定と推奨の作品群。
 
…ああ!またもや…と悩んでいると、
我が家に電話が…相手は…あの副会長
 
「あのね。文化祭には県の教育委員会の方もいらっしゃるらしいの。
だからね。あんまり過激なものはダメだと思うのよ…」
 
用件だけの電話とはいえ、舞い上がる僕…その晩は遅くまで、
このリストと格闘することに。
今のようにネットでの検索ができなくても、
映画に関する書籍は豊富でした。
 
といあえず、高校生にふさわしい感じで…
蛆はでてこなくて、乳母車が落ちなくて、氾濫もなしで…
見終わった感動を… 
スクリーンが暗転して、僕に、駆け寄る副会長…
 
「よかったわ…あなたに頼んでよかった」
 
見詰め合うふたり… ぼくの健全なよこしまパワー…
 
翌日の放課後…生徒会室…みながそれぞれに選んだ映画を、
その理由も交え発表、ああじゃこうじゃと言い合いながら、
最後は決に。
 
残った2作品は
 
「スケアクロウ」とまたもや「キューポラのある町」
 
ちなみに、事前に僕が選んでおいた作品は
 
「イージーライダー」と「誰が為に鐘は鳴る」
それに「哀愁」と「我等の生涯の最良の年」
 
どうして、こうなったかというと、
僕はあくまでもオブザーバーだということ、
加えて、僕の挙げた作品を生徒会役員誰もが知らないということ、
加えて、生徒会担当の先生が、
またもや吉永小百合ファンであったということ。
 
このまことにお茶目ないくつかの理由で…
僕の、ほとんど徹夜の夜は意味をなくしてしまいました。
まったく、やる気をなくしている僕に、
 
「もんや君は、どっとちがいいと思う」
 
と副会長の優しい投げかけ、
 
「こういう時は キューポラでしょう」
「こういう時って?」
「いやあ、経験上、ですかね」
 
…結局…上映は「スケアクロウ」になりました。
 
負け惜しみではありませんが、
僕もスケアクロウは大好きな映画です。
ジーンハックマンとアルパチーノのロードムーヴィで、
アメリカンニューシネマが終わらんとする、
最後の時代の傑作だと思います。
 
こちらの上映後の評判は、可もなく不可もなく…だったそうです。
 
まあ、とにかく…文化祭の上映会には縁のない僕でしたが、
思い出には残っているそんな話でした。
 
 
 
そういえば吉永小百合の新作が公開になるそうで。
 
吉永小百合は…なんというか、女優さんという枠を超えた、
ひとつの日本文化のカテゴリーです。
やはり日本人なら観ておかなきゃならない域にあるというか、
そういう女性です。
 
出演作も数多く、ファンの数も膨大…
論じられた機会もいまさら語る余地はないほどですから、
簡単に、取り上げることはしてはならず、
とてもデリケートな位置にいる女優さんでもあります。
 
僕は、彼女の100を越える出演作の半分くらいにしか、
目を通していませんから、
あくまで、その範囲内でのお勧め、僕が面白いと感じたというだけの範囲で…
 
 
◆◆◆
 
「愛と死をみつめて」

日活時代の初期作品としては、やはりこれは外せません。
 
ストーリーは言わずもがなですが、なんと言っても、
小百合さん全編…顔が包帯に包まれていてもなおの美しさは、感動します。
正確には、顔の全部が登場するのは初めだけ、
あとは、片目に眼帯~顔半分に包帯~最後は右目と口半分以外は包帯~と
そのほとんどが包帯に巻かれての演技です。
 
特に後半、顔半分の包帯部分を病室のカーテンに隠し、
こちらに顔を向けるシーンなどは、モノクロなのに、総天然色か!と
ドキドキするほどの神々しい美しさ。
 
実際、いま思い出しても、この映画…カラーだったかな?
という記憶なのです。
 
相手役の浜田光夫の好演もよく、どんどん引き込まれてゆく、
純愛映画の傑作です。
小百合さんの関西弁や当時の大阪の感じも伺えて、
いろいろ勉強になる映画でした。
 
「泥だらけの純情」
 
この小百合はお嬢様ながら…強い女。
またまた、浜田光夫を一途に想う女。
チンピラと道ならぬ恋のお話し。
 僕は後半、逃避行中の会話が好きです。
 
「英語って…何語か知っている?」
「ザ・ピーナッツは、何語でしょう?」
 
などと、駄洒落のクイズで恋人を励ます小百合、
なかなか見られない光景でした。
 
「天国の駅」
 
好きですね。この映画。自慰行為や濡れ場も多く、
世のサユリスト震撼させた、中期後半の作品です。
中村かつおと津川雅彦が…小百合さんとの濡れ場に
狂喜乱舞してやる気を出したというお話しです。
 
実際、2人の夫を殺害し死刑となった女性の実話をもとにしていますから、
今までの小百合さんにはなかっつた情念
(それでも抑えた感じ)を演じています。
 
彼女を慕い、守らんとするのが…若かりし西田敏行…
もう「容疑者X…」が裸足で逃げ出す“献身”ぶりは、すごいです。
確か、四万温泉と箱根登山鉄道のロケでの…温泉場が部隊、
秋の紅葉もさることながら、雪の中を馬に揺られる小百合さんの花嫁姿…
川にかかる赤い橋のシーンの空撮は、見事です。
 
 
「夢千代日記」

これも温泉場が舞台。映画では兵庫県の「湯村温泉」…
小百合さんは置屋の女将です。
母親の胎内で“ピカ”を受けたせいで、
余命のない女の生き様を清らかに演じます。
 
これは、NHKのドラマや舞台と、
もう小百合さんのライフワークとも言える作品となってしまいました。
実際、ドラマの評判の方がぜんぜん良いのですが、
それは尺の問題でもあります。
 
死の間際の、つかの間の逢瀬…北大路欣也の腕に抱かれ、
女を取り戻す小百合さんが秀逸。
 
余談ですが、この映画では、余部の鉄橋(山陰本線)が
印象的に使われていて、いつか訪れてみたいと願っていましたが…
コンクリートの橋に付け替える工事が…
確か今年から始まったらしく、どんな姿になるのやらと心配しています。
 
 
「時雨の記」

小百合さんの最近モノでは、1番です。不倫~純愛…
こういうことならありなのか…と心に染みる話しです。
そりゃあ…いくなあ…渡哲也という感じ。
男のあこがれなのかもしれませんこのパターン。
 
ネタばれにしたいところですが、止めます。
観たほうが早いし観ないとわからない。
 
 
◆◆◆
 
 
思い出の映画の話をするところを、
吉永小百合さんのお勧めになってしまったのは、
中学と高校の先生のせいです。
 
ともに、キューポラというところが、先生ぽくて…笑えます。
「青い山脈」にしないところも…
今となっては、なんとなくわかる気がします。

我輩は犬である

投稿日時:2008/10/28(火) 00:37

我輩は犬である。
7年生きてきた、ラブラドールレトリーバーのオスである。
 
…悲しいことに、去勢をされてしまったので、
立派なオスとは言いがたい、
足を上げて、かっこよくおしっこが、出来なくなってしまった。
 
まあ、凛々しいオカマさんくらいかもしれない。
 
でも、心は立派なオスである。
 父は、山岳救助犬だったらしい。
 
顔は知らないが、いつだったか、飼い主がそう話してくれた。
 
我輩にもその血が受け継がれているのだが、残念なことに誰かを救助したことはまだない。
 
ちなみに、我輩自身が、救助されたことは2度ほどあるが、その話は、後で。
 
 
名前はある。海と書いて“かい”と読むらしい。
 
漢字は読めないので…どうでもよい。ちなみに、我輩、人間の言葉は理解する。
 
喋れないので、これも、それほどの意味はない。
 
7年前に、ここ横浜にもらわれてきた。暑い夏の日にクーラーもついていないオンボロ車に揺られて。
 
以来、この横浜の家に飼い主と暮らしている。
 
もう1匹、シェトランドシープドックのおばあちゃんがいたんだけれど、
 
今年のお正月に、飼い主の実家(弟さんのお宅)に行ってしまった。
 
彼女の名前はミルキィー…7月7日生まれなのでそう名づけられたらしい。
 
そういうわけで、ミルキィーとは、6年間一緒に暮らしたが、別段仲良しでもなく、
かといって仲が悪かったわけでもない。
 
そんな感じも、飼い主は気にも留めないので…まあよいかという感じであった。
 
我輩自身、やってきた当初は、自分だけが飼われるものだと、思っていたが、そこに、
もう1頭昔から飼われている犬がいたので…びっくりした。
 
可愛がられることを期待していたので、正直、はじめはがっかりしたが、そのうち慣れてしまった。
 
よく言えば、分け隔てなく飼われていたと、いえないでもないが、まあ今となってはどうでもよい。
 
 
不満はある。ここだけの話し、我輩、よく我慢していると思う。
 
飼い主は、必要以上に“猫っ可愛がり”をしない人だ。
 
…いぬっ可愛がり…といいう言葉がないから、借りておく。
 
我輩のプライドにかけて誓うが、決して…「あらあ…かいちゃん!!今日もお元気でちゅかあ~」
 
などと言われたい訳ではないが、もう少し優しくしてくれてもよいと思う。
 
我輩、39Kgもあるから、期待はしてはいけないのだが、抱っこくらいはして欲しい。
 
我慢できなくて、我輩から抱きついてしまうこともあるが、
 
「重い!邪魔!!」
 
は、あんまりではないか。悲しくなる。
 
それでも、懲りずに抱きついてしまう自分も悲しい。
 
こいうのを人間の言葉で、悲しい性…とかなんとか言うのだろう。
 
もう少し言えば、膝枕もして欲しいし、いっしょに眠りもしたい…
朝はぺろぺろとなめて起こしてあげたいし、お風呂だって一緒に入りたい。
 
ついでに言うと、同じペットフードはもう飽きた。
 
たまには、生のお肉が食べたい。ベーコンなんか大好物だ。アイスクリームやケーキだって大好き。
 
そういうことが分かっているくせに、我輩の飼い主は…優しくない。
 
それでもたまに、ごくごくたまに…ケーキを食べさせてくれたりする。
 
「おい!カイ!!今日はデザートあるぞ!!」
 
とかなんとか言いながら。
 
でも、我輩はそれが、我が家で行われる“宴会”の余りモノだということを知っている。
その余りモノは、捨てるには忍びないから…我輩に回ってきたことも…
 
それでも、我輩の尻尾は、激しく揺れる…プライドとは関係なく…激しく揺れる…嗚呼…悲しい性。
 
 
サラリーマン時代の飼い主は、とにかく帰るのが遅かった。
 
こっちは、おしっことうんちと空腹を…一生懸命がまんしているのに、
 
「ただいまああ~ごめんごめんごめん…仕方ないじゃん忙しかったんだよお~」
 
とかなんとか言い訳をするが、そういう時は決まってお酒臭い…またSとか何とかの店に行って、
適当なこと言って、デレデレしていたクセに!
と、愚痴のひとつもこぼしたいのだが…そんなことより、おしっことうんちとご飯である。
 
どうしても許せないのは、お散歩である。
 
我輩の…いや、すべての犬の最大の楽しみ「お散歩」…我々の人生は、
 
「お散歩ではじまり、お散歩で終わる」
 
決して、大げさではない。
 
にもかかわらず、うちの飼い主はお散歩をしない。
 
正確に言うと、お散歩をなめている。
 
「ご近所、犬ばかりなんだから、お前と歩くと…吠えられるは吠えるわ…うるさくて仕方ない。
 それに、適当にうんちとかするし…ここでいいよな」
 
とか言って、家の目の前にある公園にしか連れて行かない。
 
それでも、運動は大切ということは理解しているようで…
 
「ほらあ…行けえ~」
 
と、ボールを投げて、我輩に拾ってこさせる。
 
まったくの手抜きなのだが…我輩、ボールが大好きで、投げられると一目散にかけてしまう。
 
一生懸命に拾ってはまた、投げて投げて!と催促までしてしまう。
 
…悲しい性である。
 
それでも、いつか、この優しくない飼い主に反抗してやろうと思っていた。
 
 
過去に、2度ほど飼い主の目を盗んで、公園から脱走を図ったことがある。
 
1度目は、夜中…飼い主が目を離した好きに…路地に逃げ込んだ。
 
プラプラと真夜中の散歩…3kmほど、坂を下り、小学校の校庭で遊んでいた。
 
朝になり、子供たちが、じゃんじゃんやってきて、我輩を見つけておおはしゃぎ…
 
しまいには、先生も交えて遊んでしまった。
 
そのうちに事件が!
我輩が調子付きすぎてしまい、小学生の男の子にのしかかり…その子が転んで…
ひざをすりむいてしまったのだ。
 
誓って言うが、我輩に悪気はなかった。それでも、これはまずい…
そろそろなんとかしなければいけないと先生たちが我に返るのには、充分な事件。
 
そのうち…窓枠に金網の張ってある大きな車がやってきた。
 
我輩、何事かわからず…引っ張られるままに、その車に乗せられた。
 
我輩、ドライブは大好きである。
 
連れられた先は、海の近く(潮の香がした)…コンクリートの大きな建物…中に入ってビックリした!
 
鉄格子に囲まれた小さな部屋がいくつもある。そして、そのひと部屋ごとに3~4頭の犬がいる。
 
怖かった…こんな場所初めてだ…そこで一晩明かした。
 
その晩、同じ部屋の犬と、話した、
 
「ここは、保健所の犬の処理施設さ。ここで、飼い主が引き取りに来てくれなけりゃ、殺されるんだぞ」
 
と教えてくれた。
 
「ここにいる全員がそうなの?」
 
「ああ、あいつは、飼い主に捨てられた奴、引越しで取り残されたらしい。
むこうの奴はもそう。あっちは、飼い主が飼えないって…ここに、預けて行ったそうだよ」
 
「ええ!?じゃあ?」
 
「そうそう。もう誰も引き取りにこない」
 
「いつ、殺されるの?」
 
「ここにいられるのは3日だけ」
 
…怖かった…一晩中…どうしていいのか…わからないほど怖かった。
 
 
翌日の昼に…飼い主がやってきた。
 
回りの犬が…みんながいっせいに「僕を連れていって!」「ここから出して!!」
 
って吠え立てた。 飼い主は、一瞬、その光景にビックリしていた感じだったけど、
 
我輩を見つけると…優しそうな顔になって…
 
「いた、いました」って。
 
係りの人が、部屋のカギを開けて、我輩を出してくれた。
 
飼い主と帰ろうとすると、昨日の夜、話しをした犬が
 
「よかったな」って、一声かけてくれた。
 
我輩…何も言えなかった。
 
帰りに飼い主が
 
「朝まで探したんだぞ!…朝一番に、市役所に電話したら…おまえらしき犬が、ここに連れて行かれた
って教えてもらったんだ。 
オレは、今からお前が入り込んだ小学校に、謝りにいってこなくちゃならないから、
おまえはちゃんと留守番してろよ」
 
その、半年後、2度目の脱走をしてしまった。
 
あんな場所には2度と行きたくなかったんだけど、つい魔がさして…またふらふらと…今度も夜中、
飼い主が、近所の奥さんと立ち話をしている隙に…
 
今回は、すぐつかまった、なんか白と黒の車の制服を着た人に「戸塚警察署」というところに連れて
いかれて、その裏庭ににつながれてしまった。
 
翌朝の一番に、飼い主が飛んできた。
 
「臭い飯は…うまいか!」
 
今度は、さすがに反省した…もう2度とやるまいと誓った…以来、脱走はしていない。
 
 
昨年から、飼い主は家を留守にすることが多くなった。
 
どうも、病気のようだ。
 
飼い主が留守の場合は、プーヤンパパがやって来る。
 
飼い主が頼んだペットシッターのおじさんだ。
 
脱サラ…とかした人らしい。
 
飼い主の事情を分かってくれている人らしく、どうもいろいろとよくしてくれる。
 
プーヤンパパが来てくれる日は、近所をお散歩できる。
 
じゃんじゃん歩けるから…我輩としても、とても楽しい。
 
やっぱりお散歩だ。
 
一度、病院から帰った飼い主が、
 
「おまえさあ~オレがいなくなったらどうする?」
 
「おまえ、プーヤンさんの子になるか?」
 
と聞かれたことがある。
 
…まったく我輩を馬鹿にしている。
 
3日で恩を忘れない。これが我輩のプライドだ。
 
このときほど、人間の言葉を喋れないことを、くやしく思ったことはない。
 
噛み付いてやろうと本気で思ったが、よく考えれば…飼い主の気持ちも、わからないではないので、
まあ、許すことにした。
 
 
 
飼い主は、たまにミルキーの話をする。
 
「たあ君(弟さんの名前)の家で、ミルキーはほんとうに幸せそうだよ。
 
もう、おばあちゃんだから、体もあちこち弱ってきていて、
 
この前も、子宮の手術したらしいんだ。
 
でも、たあ君の家族が、優しく面倒見てくれているんだよ。
 
ほんとうに嬉しいね」
 
と。
 
我輩に限らず、犬の人生は短い。
だからこそ、大切にしてくれる人間に出会えるかは、重要だ。
 
特に、子犬の時代は可愛がられても、晩年までその幸せが続くとは限らない。
 
これも、我輩に限らない話し。
 
白内障になって、足腰がたたなくなって、おしっこやうんちを垂れ流しても…
そんなになっても、愛情を注いでくれる家庭に飼われていたい。
 
みんなそう願っている。
 
 
人間は2種類に分けられると、我輩は思う。
 
犬が大好きな人。犬が苦手な人。
 
でも、人間たちの間では、
 
「犬…普通に好きかな」
 
という人が存在する。
 
この「普通に好きという人」は、実は信用ならない。
 
意外と、口で「普通」と言っているだけで、実は、犬の可愛がり方を知らなかったりする。
 
ニコニコして、触ってくるくせに、我輩がじゃれようとすると、腰が引けていたりしている。
 
遊んでくれるのも始めのうちだけで、そのうち、「しつこいなあ」なんて顔をしたりする。
 
我輩を見て、
 
「大きい犬は苦手だなあ…」
 
などと、大きさのせいにしたりする。
 
でも、そうじゃない。それは苦手というのだ。
 
我輩にとっては、この「普通さ」的な人間は信用していない。
 
だから、種類は2つ。大好きか…苦手か。
 
中途半端は、よくない。人間の悪いクセだと我輩は思う。
 
 
犬に生まれて、飼われる以上…「大好き」という人に飼われたい。
 
 
 
 
 
先週の、土曜日は人が、大勢やってきた。
 
我が家の大掃除をするらしい。
 
なんと、来てくれたお兄さんのひとりが、我輩のことまで洗ってくれた。
 
とても優しいお兄さんで、その日、一日中、我輩のことを気にかけ、優しくしてくれた。
 
 
この人は「大好きな」人。
 
大好きな人は、我輩も大好き。
 
もっと遊んでいたかったのだが、
 
飼い主が、
 
「オマエ、掃除の邪魔だから、ゴミの番でもしてろ!!」


 
とカラス除けに、こんなところにつながれてしまった。
 
同じ、黒いからって…我輩は案山子ではない!!
 
と、思ったが、道行くご近所の奥様たちが、
 
「あらあ~かいちゃん おりこうねえ~」
 
などと言って、頭をなぜてゆくものだから、我輩、まんざらでもなかった。
 
…つくづく…悲しい性である。
 
 
我輩は犬である。名前は「かい」。
 
言葉は喋れないけど、理解は出来る。
 
よければ、会いに来て欲しい。
 
できれば、ケーキなど持ってきてくれると…なおよろしい。

説教の多い 料理店

投稿日時:2008/10/18(土) 21:51

 『美味しい肉じゃがのつくり方
   …○○○みりんと○○醤油…  1:1。
   …それだけ』

 
このコマーシャルは、間違いです。 
 
松岡修造って意外と和服が似合うわわねえ~
でも、やっぱり、苦手なタイプだわ。
…などと、のんびり見ていると、
このひと言に隠された“罠”に騙されてしまう。
 
「豚の角煮」はまだ、よいとしても、
この作り方で美味しい肉じゃがはできません。
 
わかっている方は、わかっている。
 
また、全国に何人くらいいらっしゃるかわかりませんが、
「なんだ簡単じゃない♪」と素直に信じて、
チャレンジした方も、その出来栄えに「??…」
釈然としない不満を感じていることでしょう。
 
肉じゃがを美味しくつくる為に、
もっとも大切なことは、
美味しいみりんとお醤油の量の配分ではありません。
 
 主役のジャガイモに、いかに味を染み込ませるか
…この1点にかかっています。
 
豚肉や牛肉はもちろん、玉ねぎやしらたきなんかは、どうでもよいのです。
黙って煮てさえいれば、どんどん出汁の味を吸ってくれ、
勝手によい感じに仕上がってくれます。
 
でも、ジャガイモは頑固者。
おいそれとは他人の味に染まりません。
 
それでも、躍起になって調味料を足して、
いつまでも火を通していると、
面取りの甲斐もなく、姿は“グダグダ”になり、
ジャガイモには味が染みていないのに、
料理としてはやたらしょっぱい煮物が、
完成してしまいます。
 
「ジャガイモが崩れちゃったのよねえ~」
食卓で、こんな言い訳をする羽目に。
 
でも、問題の本質は、
ジャガイモの姿形ではないのです。
グダグダもまだ好し。
失敗の本質は、じゃがいもに味が染みていないこと。
 
 「味の染みていない肉じゃがほど、哀しいものはない」
のです。
 
 
◆◆◆
 
これからの季節。
安くて美味しい食材がスーパーに並びます。
 
根野菜などは、芯がしっかりして、
味が締まったものも多く出回ります。
今回は、安上がりで簡単で美味しくて、
もちろん栄養価の高い、秋の献立のご紹介。
 
 
※断り;料理番組のように、始めに用意する全部の食材を明示していません。
料理手順に沿ってご紹介してゆきますので、あしからず。

 
○まずは、「れんこん(ハス)」です。
 
れんこんは、高級野菜。シーズンを外すと
「大きさ1/3で、値段は2倍」という代物、
いまはシーズンですから、チャンスです。
 
れんこんは、根野菜のくせに、痛みの足が早い食材。
1本丸ごと買ってしまい、余らせてしまうと結局、
捨てる羽目になりますから、買う際はご注意。
家族4人くらいなら、パックの切り売りで充分。
 
まずは、皮むきですが、ここでポイント。
れんこんは皮まで食べられます。

皮むきですが、ピーラーなど使わずに、包丁でざくざくと皮を、
縦にそぎ落としてください。
身が付いたままで結構。
 本体は、輪切りに…
あまり薄いと触感がつまらないので、少し厚めに。
 
大ぶりのフライパンにゴマ油を多めに引き、熱します。
中火のまま、まずは皮から炒めます。
生煮えですと苦味で食べられないので、
充分火を通してください。
半透明になって、粘りが出てきたらOK。
 
次に、れんこんの身と、にんじん、出来れば、
“笹がきごぼう”を加えます。
きんぴらの具材ですね。
少し、炒めたら、日本酒を注ぎます。
 
どぼどぼ…という感じ。
 
…さて、料理が得意でないとう方と話すと、
大抵は“ここで”詰まります。
 
この“どぼどぼ”が分からないようです。
 
聞くと、分量は、テレビや雑誌に紹介されている通り、
計量カップや計量スプーンできっちり測って
いるそうですが、これは止めましょう。
 なぜなら、料理番組や料理本で紹介されている分量は、
 
「失敗しない最低限の表示」 なのです。
 
美味しくつくるための分量ではなく、世の中の平均、
誰もが食べられる代物を作るためのレシピでしかありません。 
つまりこれらのレシピ通り作っても…
決して美味しいとは限りません。
むしろ 味が薄い。 
味が薄いことをヘルシーと勘違いしてはいけません。
 
料理は、まずは、美味しいこと。 
これが一番です。
 
少し余談に外れますが、
最近は、なんでも糖分ゼロ 
カロリーゼロ…が大流行。
少し前までは「ハーフ」や「何%カット」でしたが、
今ではゼロ。
でも、それだけじゃ片手落ちと…
最後に「美味しい」を連呼するようになりました。
うんざりです。
 
おかげで、 あのペプシの独特の風味は味わえず、
チャルメラのホタテエキスの味はなくなり、
恵比寿ビールは単なる黄色い泡になり、
モスは…
 
その商品が持つ、せっかくのよさがどんどん失われてしまいます。
 
これも、カロリーがゼロなのね。いいわねえ。
…それで美味しいの…何よりだわ。
などと、勘違いしてしまうせいなのでしょうか。
 ゼロが悪いわけではありません。 

口に入れて、味わうものは、
 
まずは美味しいこと…その上でヘルシーを謳う
順番の問題なのです。
 
この、ゼロカルチャー(某ニュース番組のことではありません)
ブームは、美味しい…
ってことの基準が曖昧のせいで起こります。
 
消費者の側に「美味しい」を大声で叫ぶ…
文化がないせいで起こります。
 この問題は… ああ止め処なく言いたくなりますが…
今回はやめておきます。
 
…分量でしたね。失礼しました。
どぼどぼです…(笑) 
 
料理に引き算はないとよく言われるせいで、
失敗を恐れているのだと思われますが、
まずは、失敗けっこう。 
始めは、多少味が濃すぎたとしても、
繰り返しやってゆくうちに、
自分の味、家族の味というものが
出来てゆきます。
それが家庭での料理の面白さ。
 
自分の感覚で慣れていかないと、
料理の腕はそれ以上あがりません。
 
 乙女よ!まずは、計量カップと
計量スプーンを捨てて、前に進もう。
計量は、自分の心で。
…怖がらず、勇気を胸に。
 
 
戻します。
 
日本酒を入れて、その蒸らしの効果で、
レンコン、ごぼう、にんじんにはどんどん火が入ります。
次に、鳥のひき肉。
胸でも腿でも、ささみでもOK。
分量は少しで構いません。
なければ、冷蔵庫の扉の裏に、
残った切れ端のベーコンを細切りにして…加えてください。
 
さて、味付け。
出汁ですが、粉末のものはなるべく避けましょう。
あの市販のタイプ…味がきついのです。
思った以上に出しの味が濃くなり、
出しの味しかしないという代物になりますから…
使うなら加減して。

お勧めは、液状の「白だし」。
ぼくは、ハナマサさんのお徳用のペットボトルを使っています。
余計な味がなく、市販の白だしより少し薄いので、
味が薄ければ足してゆくのに便利です。
 
出しは、多めに…どぼどぼ…どぼ…です。(笑)
 
次に、お砂糖ですが、僕は、ほとんど入れません。
大ぶりのフライパンでいっぱいに作る分量でも、
…コーヒー用のシュガースティク2/3本程度。
 
そして、お酢。
お酢は今回の味の決め手でもありますから…多めに。
出しと同量程度は、入れてください。
 
塩…少々…パラっと程度。
 
煮物や炒め物に使う塩は、
味をつけるための調味料ではありません、
各々の味を際立たせるという役目がメインです。
 
今回のように、酸味、甘み、出しの味、野菜や具材のうま味など、
さまざまな味が重なる場合などは
特に、境界線を際立たせ、調和させ、引き締める、
大切な役目の調味料と思ってください。
 
最後に、ゴマ…(すりゴマがベスト)をふりかけ、
全体になじませたら…
完成です。
 
 「 蓮根の きんぴら風、炒めなます 」


 
熱々でも美味しいですし、余ったらタッパに入れて冷蔵庫に…
しっかり味が付いていれば、4,5日は充分持ちます。 
温め直さなくても充分美味しいです。
 
この料理は、お正月の母の御節でした。
少しアレンジはしていますが、ベースは僕の母の味。
お酢の酸味が特徴で、だから“なます”なのです。 
 
相当、美味しいので覚悟してください(笑)
 
 
○次は… 「 さんま 」 
 
お刺身用のさんまを見つけてください。 
生で食べる料理ですから…くれぐれも間違えないように。
1本買いするなら、お刺身にするので、
頭とって、内臓外して、骨抜いて、
…と魚屋の大将に甘えてみましょう。
 
食パンを用意。 
冷蔵庫にある、多少硬くなった食パンでもなんでも構いません。
 
片面にバター(最近は高いので、マーガリンでもOK)を塗り、
表面がパリッとするまで、トーストに。
出来たら、片方にマスタードを塗ります。
 
もう、片面にお刺身のさんまを敷き詰めます。
この際に、塩、コショウを少々。
 
その上に、パセリのみじん切り(しそやネギでもOK)と
玉ねぎのみじん切り、その上にプロセスチーズを重ねます。
 
その上に、パンを重ね、少し押しつぶす加減で成型したら
…包丁で4等分に切り分けます。
 
はい。できました。
 
「さんまのサンドウィッチ」

 
鯖でも美味しいです。アジはいまひとつ、白身はいけません。
マグロの切り落としなら、アボガドとマスタードの替わりに、
わさびという組み合わせがイケます。
 
これも、ポピューラーな料理ですが
…なかなか自宅では作らなかったりしません?
 でも、目からうろこの美味しさです。 
 
休日のお昼とか、旦那が奥さんに作ってあげる…
手間としては最高です。
白ワインがよく合います。
たまには、奥さん孝行しなきゃです。
 
簡単な割には、保存が効きませんので、食べる量だけ作る。
青魚が苦手な子供でもこうしたら食べてくれるかもです。
 
 
ここで、料理の方程式をご紹介。
 
 (素材+素材)×調味料×調理方法
 
この基本さえ、身につければ、レシピは無限に広がります。

 
中でも「素材と素材の相性」「素材と調味料の相性」 
この2つがポイント。
この2つを体で覚えたら、
もう料理なんて…へのちゃらです。
 
それこそ、スーパーに行って食材を眺めながら、
場合によったら、適当に安い食材買ってしまった、
そんな後…でも、なんとかなります。
 
覚えるための秘訣は…はじめはテレビでも雑誌でも、
スタンダードに紹介されている料理を眺めることからです。
そして、なんとなくでも、キッチンに立つこと、
ガスコンロに火をつけ、フライパンを握ること
…これだけです。
 
料理は するかしないか だけよね。  
母がよく口にしていました。
 
僕の数少ない経験で言うなら、
「わたし 洗い物は得意なの」 
こういう彼女は危険です。
 
なぜなら、料理の上手な娘は、
洗い物も当然、上手だからです。
 
逆に、
「わたし 洗い物は苦手なの」 
こういう彼女が当たりです。
 
だって、洗い物なんてみんな嫌い、面倒なだけです。
男子諸君は、奥さんや彼女が料理してくれるのでしたら、
このところをしっかり理解してあげてください。
手伝う、手伝わないの話しではなく、
洗い物は面倒臭い…ということを。
 
そして、大切なことは、
つくって頂いた料理に関しては、必ず感想を言うこと。
料理は、「誰かのためにつくってこそ本物」です。
「この人、この子のために美味しくしようとする気持ちが、
より、料理上手の高みへと誘うのです」
 
 
○ これも今が旬の 「スルメ イカ」
 
一杯、100円で、けっこう大ぶりのイカが買える季節。
煮物でも美味しいのですが…もっとかんたんに。
 
買ってきたら、簡単に水洗いして“ぬめり”を取ります。
取らなくても、大丈夫。それほどの違いはありません。
料理本は大げさなのです。
 
水道の蛇口を出しっぱなしにして…
イカの胴体の中に注ぎながら、内臓を引っ張り出します。
これは、簡単。すぐ抜けます。
「わた」は使いますから捨てないで。
 
次に1枚の骨と奥にある、内蔵も引き出し
…こちらは、さようなら。
 
胴体の部分は、エンペラまで、輪切りに。
ゲソは足2本を目安に切り離します。
どんぶりにイカの身を入れ、
その上から「わた」をこそいで、加えます。
 
そこに、日本酒…トポトポ…塩少々…
最後に「しょっつる」を入れ混ぜ合わせます。
 
しょっつるは、秋田名産の名前、
石川では“いしる”
ベトナムでは“ニョクマム”
タイでは、ご存知“ナンプララー”…
魚などの塩漬けを発酵させてつくる
「魚醤」の総称です。
 
味が苦手と言う人もいるでしょうが、
モノによってさまざま、
タイを旅行して…あの臭いが…
ということろで認識が止まっているなら間違いです。
 
ひとつご紹介。秋田角館にある「安藤醸造元」
ここの、「しろだし」は、岩魚がベース。
同じ岩魚ベースの原液で「しょっつる」もありますが、
このしろだしはお得です。
 
そのままお湯を注いで飲んでもすごく上品で美味しいです。
おそらく、ナンプラーの概念変わりますから、お試しあれ。
 
この店には、しょっつるはもちろん、
各種お醤油…お味噌や出し…おしんこや稲庭うどん…
きりたんぽや漬物までありますし、これが全部美味しい。
 
http://www.andojyozo.co.jp/
覗いてみてください。
 
さて、混ぜ合わせたら、少し置く…ものの3分程度。
フライパンにバター(ここでは出来るならバターでお願いします)を溶かし、
後は、焼くだけ。 
お好みで一味唐辛子など振れば
…出来上がりです。
 
 「スルメイカのしょっつるとバターソテー」

 
バターとしょっつるの混じったスルメイカは…もう至福の味。
イカとはこんなに美味いのか…を再確認します。
 
なんといっても焼きたてが最高ですから…
僕の場合、卓上コンロにアミを敷き、
アルミ箔を乗せた上で、焼きながら…と
いう嗜好です。
 
漬け汁は…
余っても捨ててはいけません。
 
たとえば、鳥のささ身といんげんあたりの野菜を、
そのままナマで漬け込み、冷蔵庫でひと晩ほっておきます。
で、翌日、同じように焼いて食べる。これも、また、最高。
 
○「野菜スープ」と「山いも汁」


 
先日、知り合いのデザイナーの女性に、
「フードプロセッサー買おうか…悩んでいるのです」 と言われた。 
僕は、すぐさま、「それは是非買いなさい」と。
 
フードプロセッサーは、とても便利、
お料理上手の便利アイテムです。
新婚時代に頂いたけど、どこかに仕舞いこんだっきり…
なんて奥さんは、すぐ引っ張りだしましょう。
 
たとえば、冷蔵庫にくず野菜が残っている場合…
スープにしましょう。
 
玉ねぎ(これは必須)とピーマン、にんじん、
レタスにキャベツ、ナスでもトマトでも、
とにかく、放り込む…
次にベーコンを加えて…
フードプロセッサーで「ガアッ~」と攪拌。
 
鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくを少々炒めます。
次に、攪拌したベースを加え、弱火で、
かき混ぜながら火を通します。
 
全体に火が通って、玉ねぎあたりが半透明になったら、
白ワインを振り掛ける。
ついに、お水を加えます。 
量は、ベースの3倍程度。
 
次に、固形スープのもとを入れ、
煮立つ直前で「チーズ」を加え、
固まらないようにかき混ぜたら…
はい。出来上がり。
 
ポイントは、チーズが出しになるということ。
いい味がでます。
 
チーズの種類ですが、「とろけるチーズ」あれはダメです。
味なんて出ません。
パスタにかける、パルメザンチーズか…
一番はゴーダチーズ。
これが、最高です。
 
そのままスープで…もよいのですが、
「冷やご飯」をチン!して、
その上にヒタヒタににかければ…
スープリゾットの出来上がり。 
朝飯なんて、これだけで充分。
さっそく明日の朝ごはんにどうぞ。
簡単で、ヘルシーで美味しい。
 
山芋も美味しい季節。
 
皮を落とし(剥くのが面倒なら、包丁を立てて、こすれば充分)、
ざく切り。
そのまま、フードプロセッサーに入れ、攪拌…
摺りこぎや、すり鉢なんて要りません。
 
鍋に、お味噌と白だしを入れ、ひと煮立ちしたら、
ここに摺った山芋を、少しづつ入れてゆきます。
 
ここでのポイントは、この味噌汁を濃い目に作ること。
で、山芋は熱が入るとすぐ、固まってしまうので、
お玉でかき混ぜながら、徐々に溶かす感じで…
はい。山芋汁の完成です。
 
そのままでも酒のアテになりますし、
もみ海苔とネギを散らしてご飯の上に…
ああ!至福です。
 
うちの実家では、ベースの味噌汁を
「鯖」で出しを取り、作ります。
田舎ですので、
自然薯が手に入ると必ず作っていました。
 
お酒を飲んで帰ったご主人の夜食に最高!!
ついでに、
…あなた今夜…うっふんネ…
のサインにもなり、夫婦円満の料理でもあります。
 
もちろん、冷や飯にかけても美味しい。
この場合、鍋で温めなおす際に、
卵を加えると、ふわふわ汁になり、また美味しい。
 
これ一品で、朝ごはんも充分の栄養価です。
 
とまあ、今回はこんなところ。
 
◆◆◆
 
美味しい肉じゃがの秘訣は、ジャガイモの味の染み具合。
もし、夕食に出すなら…お昼からつくり、
冷蔵庫で冷やしておき、温めなおすくらいの覚悟が入ります。
 
圧力鍋でもよいのですが、やはり、
煮物は冷めてゆく過程を繰り返し、味を染み渡せること。
ほんとうは、ジャガイモだけを別につくり、
後でほかの具材と合わせるぐらいの勢いなのです。
素材+素材…煮えていゆく順番を考えることも大切なのです。
 
それでは、本日のお料理のポイント…おさらいしてみましょう。
 
①「オレ、にくじゃが作好きなんだよね!」
  …って簡単に言うなボケ!!
  …朝から行くぞお前の部屋に。
 
②たまには、メシ作れ!洗い物せんかい!!
 
③フードプロセッサー…買わんかい!!
 
④うまいならうまいって言わんかい!!
 
基本はきっちり守りましょうネ。

知らずに死ねるか!VOL.7

投稿日時:2008/10/16(木) 03:10

~  悪役の色気  ~

 

僕の家の戸棚の中には、ここ20年くらい

撮影した写真が、たくさんあります。

デジカメは持っていなかったので、ポジフイルムか紙焼きの状態。

そのほとんどが、自分で撮影したものだから、

当然、僕自身が写っているものはほとんどない。

 

いつか、どこかで、誰かと、何かをした記憶が、

整理もされず乱雑に収まっている。

 

DEPで頂いた、簡易なアルバムに差し込まれているのは、

まだましな方で、そのほとんどがなんとなくゴソッ

積み重なって放置されている。

 

たまには、整理してみようと思わないでもなかったのですが

未だ、変わらず。

根がものぐさのせいか、

いや、確実にものぐさのせいであります。

 

最近、お見舞いなどで、懐かしい友人の来訪がある時は、

「彼や彼女との記憶」に関する写真など用意しておこうと思い、

戸棚を開けるのですが、そのあまりの乱雑さに、

目的の写真を探すのが一苦労。

 

そもそも、記憶が曖昧で、

その彼や彼女を

いつ、どこで撮影したのか

どんな風景だったのか

なんてことも分からず、

なんとなく思い出しながら

探しているわけですから、無理があります。

 

結局、見つからないこともほとんどで、頓挫します。

 

今週は、リクルートに入社した頃の同僚が、

訊ねてくれるというので、

「たしかこのあたりにあったはず」だと、

写真の山と格闘しました。

 

しかし、お目当ての写真は見当たらず

お目当てではない写真ばかりが見つかります。

「おおっ!」


「懐かしい!!」


「若い!!!」

などとひとりで口にしながらの作業は、時間ばかりかかってしまい

いつの間にか本来の目的とは、ずれてゆきます。

 

13年前、初の闘病の後、休暇をとって

奥さんと奥さんの母親と行ったスペイン旅行。

 

ああ、ここはマドリッドのホテルだなぁ~

夕方のラウンジでお茶を飲んでいたら

 

◆◆◆

 

ドレスアップしたスペイン人の男女が

ラウンジ近くに集まってきました。

初めはカップル同士での待ち合わせか?などと思いましたが、

その数がどんどん増えてゆき

総勢20人くらいになってゆきます。


男女とも、20歳後半くらいの感じです。

結婚式の2次会

しかし、新郎新婦は見当たりません。

男同士、女同士が知り合いといった空気もなく

そこかしこ、なんとなく会話はしているのですが、

妙によそよそしく見えない風でもなく。

懐かしく声を掛け合う様子もないので、

同窓会というのでも違うし

 

なんとなく眺めているのには訳がありまして、

そこに集まっている男女が皆さん、

「美男美女」ばかりだったのです。

スペインのイケテイル集団

しかも、目的不明。

気になるじゃないですか。

 

男子は全員フォーマルなタキシード。

女性はカラフルでゴージャスなドレス。

しかも、全員がモデルばりのルックスにスタイル

いやでも目立ちます。

 

スペインの美形というのは、エキゾチックです。

目鼻立ちは際立ち、彫りはあくまで深く。

肌は浅黒く、野生的。

 

男子は剃り残した髭に

少し乱れた感じの長髪。

女子は、長い黒髪を束ね、

豊かな胸元を見せつけています。

 

中には、いわゆるアングロサクソン系の正統派2枚目や、

色が白くブロンドでチャーミングな女性も、混ざっています。

 

僕が座っているカウンターからは少し距離があり、

何を話しているかは、聞こえません。

もっとも、仮に聞こえたとしても

スペイン語はわかりませんから意味はありません。

 

そのうち、スーツ姿のひとりの女性が

大きな声でなにかを喋り始めました。

その女性は、手に書類らしきものを持ち、

その書類を見ながら、声を張り上げています。

 

どうも、名前を確認しているようです。

呼ばれた男女それぞれが、手を上げて返事をしています。

気がつきました。

 

これは合コンだ!……「スペイン風合コン」 

 

そしてここが集合場所。

このイカシタ集団は、

これから恋が芽生える集団なのです。

 

もしかしたら、異業種交流会か、

なんかだったのかもしれませんし、

点呼の後、バスに乗って

どこかのファッションショーに出演する

モデルの集団だったのかもしれませんが、

ここは合コンということにしました。

 

だって、その場には、

「オレッてどう?」


「ワタシはいかが?」


的なオーラが満ちていましたから。

こういう場面に出くわすと、

どうでもいいことを考えてしまいます。

 

この中に混じって遜色のない

「日本の芸能人」は誰か?

合コンですから「戦えるルックスの日本男子は誰か?」

年齢はさておき、ルックスだけで考えると、

いわゆる日本イケメンでも通用するか否かは限られます。

 

※13年くらい前の話ですから、

当時は違う面子を想像していますが、

分かりにくいため、今時に変換してお伝えします。


福山雅治やぐっと若くして、

三浦春馬君タイプは無理です。


サラッとしすぎ…スパニッシュな女性陣には物足りないでしょう。


小栗旬君もダメ

山ピーも赤西君も同様。


キムタクやもこみち君は

うーんダメだな。


顔の縦のラインに「気骨」を感じさせ

さりとてオリエンタルな色気があるタイプ。


岡田准一君や松ジュンなんかは合格かな、

合格だねえ~合格。

そんなことを日本人代表として考えていると、

ベストな日本男子が見つかりました。

 

「竹野内 豊」 彼がベストです。

 

竹野内 豊は 

まさにこのPATYにはぴったり、

必ずスペイン女性を虜にしてくれるでしょう。

 

よかったよかった。

 

◆◆◆

 

 

演技派といいますが、名優と呼ばれる

俳優さんには共通点があるのではないかと思います。

昔、大手の映画会社が映画を製作していた時代、

看板役者さんは、いろいろな役にチャレンジしています。

 

たとえば、大映の看板スターのひとり市川雷蔵。 

 

剣を持っての立ち姿の美しさは、

最高と評された役者さんです。

眠り狂四郎シリーズなど観ると、

時代劇の昭和のヒーローここにありという感じです。

 

僕個人は、雷蔵ものとしては、

彼の数少ない現代劇の映画が好きでして、

中でも 「陸軍 中野学校シリーズ」がお気に入りです。

 

昭和の混乱の時代、シナ占領~真珠湾までの時代の中で、

誕生した日本発の「諜報部隊」を描いた作品です。

 

当時の陸軍からは「へなちょこ」と揶揄されたスパイ活動。

そのスパイを養成するべくひとりの陸軍士官(加東大介)が

立ち上がり、学生を中心に「スパイの育成」を始めるのが第1話。

 

2話以降は、雷蔵が実際のスパイとなり、

日本や上海、香港などで活躍する姿を描いています。

 

今までになかった組織を作るのですから、

この学校では、ありとあらゆることを叩き込まれます。

英語を初めとした外国語。通信機やカメラの組み立て、

各種薬の配合や尾行術。

なかには現役の泥棒を講師に迎えた、金庫の錠前の破り方や、

女性の裸体図をもとに性感帯とはなんぞや(笑)

…なんてことまでまじめに。

 

それでも、愛する婚約者はもちろん母親にも告げず、

戸籍を消去し、正当な軍部からは疎まれ、

それでも、受けた指令をまっとうすべく、立ち向かう雷蔵。

 

ストーリーも面白いので興味のある方はぜひ。

大きなレンタルショップにはあると思います。

「陸軍中野学校」

「雲1号指定」

「竜3号指令」

「密名」

「開戦前夜」

 

雷蔵の代表作、眠り狂四郎シリーズの前、といえば、

 

映画「大菩薩峠」です。


 (タイトルクリッックで、AmazonからDVD購入

 左写真クリックで、楽天レンタルでDVDレンタル)

 ※楽天レンタルは、会員登録(無料)が必要です。

 

 ※本日16日、13:00まで片岡千恵蔵主人公の

 レンタルDVDを紹介してました。スミマセン!




ここでの雷蔵は、のっけから、

辻斬りで罪なきおじいさんは切っちまうわ、

奉納試合の相手の奥さんは手篭めにするわ


剣は達人ながら、正確は最悪という人物を演じます。

シリーズを通して、僕としてはストーリーがつまらないので

お勧めはしませんが、市川雷蔵を大スターたらしめた

いわば出世作。

美形スター雷蔵の伝説はここから始まったのでしょう。

 

ここで「悪役」を演じたことが

彼のイメージを確立したのだと思います。

 

「綺麗なだけではない役者」「妖艶な怖さ」

とでもいう彼のイメージを。


市川雷蔵などは、演技力がどうこう評される役者さんではなく、

その存在感で飯が食えるタイプ…


> 大菩薩峠でも、 奉納試合に手心を加えて欲しいと

頼みに来る奥方(若かりし中村玉緒…目力がすごい)に、


「お家のために、拙者の武士の魂を捨てろと言うが…

 

 そなた女の操を捨てる覚悟はあるのか」

 


と訳の分からぬこじつけで追い返したと思ったら…

下働きの男に命じ、奥方を拐かし…

水車小屋で…あれぇ~帯がしゅるしゅる…

にもかかわらず奉納試合では、旦那さんを一刀両断にする。


なんて非道やつだと思っていると…

殺された旦那の家臣たちが仕返しにくることを告げに、

奥方がやってきて…

 

「あなた剣はお強いけど女にもお強いのかしら」と…

「私とどこか違う場所で暮らして」


という展開になる。(笑)


> この間…雷蔵はセリフはほとんど喋らない…

黙って“苦味走っているだけ”で

周りがどんどん話を進めてくれるのです。


またどんなに理不尽でも、

雷蔵ならば許せてしまうのですから、

そういう存在感はずるいなぁと思います。

 

同じ存在感でも雷蔵の“静”に対して、

“動”なのが勝新太郎。


当時の大映2代看板スターですが、タイプは正反対。

 

顔や体型以前に…

あの押し出しが強烈な役者さん。

「悪名」「兵隊やくざ」などのエネルギー全開の演技は、


 


観るもの巻き込む強さがあり飽きさせません。

当時の観客は、“円月殺法”と“仕込み杖”

対決させたらどちらが強いかなんて言っていたのでしょうか。

 

高倉健さんは雷蔵タイプ…

背中見せているだけで話が進みます。

 

ただ、雷蔵のような“非道な悪役”は終ぞ演じなかった。

「網走番外地シリーズ」「任侠シリーズ」一貫して…

男のあるべき姿を背中で泣いてる唐獅子牡丹。

僕は、東映から松竹や他の映画会社の

現代モノの作品に出始めてからの健さんが好きです。







>マイベストは

 

「海峡」









「駅 STATION」









「夜叉」









「冬の華」









君よ憤怒の河を渡れ」

 


「野性の証明」

 








また、テレビドラマへの出演は数は少ないですが…

 チロルの挽歌」 の健さんが好きです。

 

国鉄の技術職員の健さんが奥さんに逃げられ…

北海道に赴任…リゾート開発に携わるという話。

 地域復興の目玉がチロル村…

ヨロレイホゥ~ですね。


> 観光客目当てにプロジェクトを進める市長と商工会の面々…

対するは「土地は売らねー」と言い張る牧場主


…こう書くとお決まりの構図かと思いきや、

そこに逃げた女房とその男が絡んできますから、

話はややこしく…情けない健さんも楽しめます。


背中を見せている暇などまったくなく…

よく喋り感情も露わに奮闘します。

> 脚本、山田太一


> 健さん(裕次郎さんとかも)などは稀ですが、

役者さんの真価は“悪役”にこそあるのではと常々思います。

 

現在、押しも押されぬ名優…

現役古参組と言えば…

三国連太郎、山崎務、仲代達矢さんあたりでしょうか。

 

皆さん、若かりし頃は、

だいぶんやんちゃでいらっしゃいました。

 

高倉健や裕次郎や三船さんが、正義を演じる為には

対する“悪玉”の存在が欠かせませんから、

 

ヤクザから軍人から代官から政治家まで…

ありとあらゆる悪役を演じる羽目になり…

でもその経験が芸を肥やし、

いま名優と呼ばれるまでに押し上げてくれたのでしょう。

 

逆に“正義”しか演じなかった役者さんは、

途中で消えてしまうか…

名優という誉は貰えていない気がします。

 

■緒形拳 俳優生活50年。享年71歳。

 

「齢を重ねると 力は弱くなるけど 心は強くなる

 だから(俳優)出来ているんだと思います」

 

最後のテレビドラマの制作発表の

インタビューでこう言われていました。

僕に「老いはつらい…体の力で演じることができなくなるから」

と聞こえてきました。


代表作は文芸作品や大作が多く、

老いてこその「分別」と

時折の「茶目っ気な笑顔」のギヤップは、

他の役者さんにはない魅力。

若い頃のちょっとした脇でも存在感は抜けていました。

 

彼もやはり“悪”で名を馳せた役者さん。

“日本一女衒の役が似合う俳優さん”だと思います。

 

オマージユを込めて紹介すると、

「火宅の人」 、「楢山節考」 も良いですが、









やはり 「鬼畜」

 


 

 





ベスト1は、なんといっても79年

「復讐するは我にあり」です。










殺人と詐欺を繰り返す男の逃避行…

人を騙す狡猾なインテリと

内に秘めた狂気を演じる力に圧倒されます。

 

最近の映画は主人公の行動に

“理由”を求め過ぎ、なぜそういう行動にでたのか?

を一生懸命紐解くパターンが多いように思います…

幼少期のトラウマや社会との不適合などが

その“理由”として描かれるお決まり。

その紐解きに躍起になることに終始します。

 

「復讐するは…」では、

この紐解きは一切描かれません。

だから…恐い。

犯罪者の狂気と普通の人間臭さのギャップが…怖い。

あの茶目っ気な笑顔も…余計に恐い。

 

ストーリイは、主人公の犯罪逃避行を軸に展開する

ロードムービーなので、メリハリがあって飽きません。

また、映画の見所は周りを固める役者にもあって…

父親役の三国連太郎と嫁(緒形に翻弄される妻役)

賠償光子との微妙な関係が、物語に厚く深みを与えます。

 

経営する宿の露天風呂にひとり入っている三国…

そこに小さなタオル一枚の全裸で入ってくる賠償…


「私がこの宿に残っているのは…

 あの人(犯罪者の夫)のためじゃありません…」


で始まるエロティシズムは、

日本映画史に燦然と輝く“入浴シーン”だと断言します。


とにかく面白い映画ですから…

ご覧になっていない方はぜひ。

 

◆◆◆

 

今後、竹野内豊という役者さんが、

悪を演じ、魅力が出るという話ではありません。

ただ、彼がマドリッドで合コンに参加すれば、

日本男児の面目躍如だなあ…と考えていたら、

男の色気…と顔の造りは無関係ではないか…

と思い立ち、そんな話にしようとしたら…

緒形拳さんの訃報を想い、

名優の共通点というテーマで、

盛り上がってしまった訳でした。


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