紋谷のソコヂカラ

大人の通信簿 つづき [病気について]

投稿日時:2009/06/18(木) 13:08

行ってまいりました。 
午前中採血をして、午後に出直して、先生から検査結果を伺うという、
いつものパターンです。 
 
このいったん帰って…出直すというのがけっこう精神的に辛い。
また、ボクの場合、検査結果を聞きに伺う場合、
待合の混雑を避け、通常の外来が終了する 
15時くらいに…出向くのですが、
外来の診察室と入院病棟を、頻繁に行ったり来たりする
先生のタイミングもあって、
結局は、待合で待つことになるのですが
…この時間も辛い。
 
平常心 …唱える弱さが恨めしい。
消化器内科と泌尿器が同じ待合コーナー 
癌センターのいちばん奥になります。
 
そこまで行くのに、他の待合の前を通るのですが
…まあ今日は 人の多いこと多いこと。
 
「もんやです」
 
と受付に診察券を出すと…

「あっ!? もんやさん!…先生、待ってたんだけど
…いま 上に(病棟に)上がっちゃったんだよねえ~
 少し、待っていてね」
 
…と ベンチに座っていると 
…しょこたん先生が 通りかかかる。
 
「あっ…もんやさん …いかがですか?」
 
「まあ まあです」
 
「ままですか?」
 
「はい。まあまあです」
 
「それはよかったです」
 
「はい」
 
特に注意もアドバイスも ご指南も ないのだが、
このゆるい感じがよい。

和ませていただいた。
 
 
待合にはドラマがあります。
 
「はい。○○さん、では、尿道にカメラ入りますからね
  …痛みが出るんで…その前に座薬入れてもらうんですよ。
 なので、当日は少し早めに
   …ええっ…来ていただくことになります」
 
にょうどうにカメラ?!!!
なんという恐ろしい会話だ。 
 
看護師と話しているのは 
おじいちゃんとその奥様か…
 
その歳で、そんなに辛いことをしなけらばならないのか。
そんな顔しないで…ボクには耐えられないかもしれないけど、
あなたはだいじょうぶ。
 
「どうしよう?」
 
「どうしようって、仕方ないじゃないか」
 
ほとんど、泣いている女性と旦那さんらしきふたり。
 
「どうしよう?」
 
「…オレが聞きたいよ」
 
「…(涙 涙 )…」
 
無言
 
この2人は、診察室に呼ばれ…5分で出てきました
 
「…よかったね」
 
「ああ…」
 
腕を組んで廊下を歩いてゆく後姿に…
 よかったんだね。

よかったよかった。
 
とつぶやいてみました。
 
…ほどなく 「もんやさあん~」 と呼ばれた。
 

前置きはない。すぐに検査結果のお話し。
 
「…数値いくつですか?」
 
「うーん こんな感じかなあ」
 
今時は、パソコンの画面を見ながらのやりとり、
数値はグラフ化されているので、
前回からの上昇度合いもわかりやすい。


 
「…なるほど…あがってますね」
 
「そうですね。」
 
数値は1000を超えているものの、
ボクが予想した数値(根拠はない)よりは下でした。
前回の倍は覚悟していたので、
2000は軽くオーバーしていると思っていたから。
 
…で、いつものやりとりの結果、

抗がん剤の投与は、9月の血液検査とCTの結果を見て、
判断することになりました。
 
数値が上がってくるということは、
病巣の転移も予想され、転移はその臓器を蝕む恐れがあるのですが、
ボクの体調や血液データと考え合わせ
…現段階で、そういう判断になったということです。
 
以前も書きましたが、治癒への完璧な道筋がない以上、
その判断が是か非か…を決める
わかりやすく正しい答えはないので、
今日の時点での結果をどう捉えるかは難しいのですが…
 
赤点の通信簿を受け取り、合格点に向けてのプランがなければ、
頑張りようがないじゃないか。
 
確かにそうですし…
 
また、抗がん剤の投与を、そのプランと信じ、
とにかく、投薬だ…骨髄が壊れるまで 
投薬だ… という判断をするべきではないのか。
 
そういう方もいるかもしれませんが…
前者に悲観したり、安易に後者を選択しない
そういうのが自分ということでしかありません。
 
ということで、日常の体調管理を整え、
なにか異常があれば、いつでも外来を訪ねる
という約束をして、診察室をでました。
 
わが主治医が、マスクしているし、
載せてもよいというので…お写真掲載します(初登場)


ちなみに、マスクを外されて素顔は、
現代医学に関わる医者さんというより、
明治の文豪か、学者さんといった風貌です。
 
病院の外に出ると…どっと疲れた感じですが、
自分の体が思いのほかがんばっていることと、
すぐに抗がん剤を入れなくて済んだことへの、
安心感が少し遅れて心を埋めてゆく感じでもありました。
 
思えば、再発してもうすぐ2年です。
 
13回の抗がん剤の投与を経て、
いま、こうしています。
 
いま、こうできていることに感謝だなあ~と思います。
 
空を見上げると、
梅雨曇りの中に青空が覗いて、陽がさしています。
 


うーん。
一昨日も昨日も…黒い雲だらけで、
いまも、この少しの青空以外は
ぜんぶ梅雨の曇、このわずかな青空が嬉しいなあ。
 
なんて…こういう時は、少し感傷的(笑)になるものです。
 
電源を切っていた携帯をONにすると、
着てます 着てます … 

「検査結果はどうでした?」

というメールの数々…ありがたいことです。 
 と同時に、やはりこの場で、
心弱気自分をさらけ出すのは控えよう…と思いました。
 
どうにも、こらえきれなくなった時以外は…。
そんな日は来ないと信じていますが。
 

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