紋谷のソコヂカラ
春は…徒然 [戯れ言]
投稿日時:2009/02/18(水) 22:16
昔、お馴染みだった 銀座のホステスさんから、
立て続けに近況報告のメールが届きました。
当時、彼女たちは、イケイケでした。
ホステスという職業は、まじめにやればやるほどキツイ仕事。
会社の看板や商品のバリューがあるわけでもなく、
お店はただの箱。保証もない。わが身ひとつで勝負。
かぼちゃがお財布持ってやってきた…と思ってはみても、
そこは人の娘、こういう日常はむなしいと気づいたりする、
そんな気持ちを、お酒でごまかし、同伴、アフターと
ノルマ達成が自分のがんばり…と毎日を過ごす。
夜の早い銀座は…1件目。
タクシー飛ばして六本木のサパーや麻布のカラオケ屋へ。
朝になっても終わらない。狂騒の宴。
やってもやっても先は見えてこない、
お客さんが増えれば、それだけ面倒も増える。
取った取られたは日常茶飯事。
いつの間にか、来なくなったお客さん…
へんだなあ??と思っていたら
可愛がっていたヘルプが、新しく移ったお店に通ってた。
当時、銀座は、古きよき大人の社交場ではなくなり、
マネー'sパワーの時代と変わりつつある時代。
ロマネだかなんだか知らないが…
ちまちま飲むのは性に合わない、
オレはシャンパン…向こうが2本なら、
こっちは5本だ…全部飲むまで帰らねえぞ。
…そんな光景を肴に たまにちまちまと
お酒を飲むというのはなかなかの一興でした。
僕の席は地味な席…ホステスさんは休憩しにやってくる。
「はあ…疲れた …しつこいんだよね ○○の会長」
「毎週じゃない…気をつけなよ。
□□さん…△△ちゃんも口説いているらしいから」
「せこいんだよね。東京出張の度に 元取ろうと…してさ。 」
「太いお客は美味しいけど…売り掛け三桁行ったら気をつけて、
パンクする兆候…教えるから」
「!…あらまあ ごめんなさいモンちゃん…こんな話し聞かせちゃって…」
僕の席は地味な席。
Mさんは その店のNO2 イケイケ度合いも半端ではなく
彼女の出勤前は 同伴を狙う男が群がる。
同伴にフラレタ男は、店で待ち構えている。
…彼女が店にやってくる前から…
同伴を勝ち得たお客は得意顔。
同伴男は仕方ない。
次はどの席に来るんだ。もちろんオレの席だろ。
男達の嫉妬がうずまく。
お目当てのMさんがやってきた。
まずどの席からごあいさつしようかと悠然と店内を見渡す。
…僕と 目が会うと… ニコッと笑いやってくる。
「おいおい!!やめてくれ、オレは待ってないし、
……そうかいわざとかい。悪魔の所業だね…
ほらみんな睨んでる。勘弁してくれ…
オレは傍観者…単なる地味な傍観者」
そのMさんが真夏の深夜
銀座の並木通りを駆けて行くのを見かけたことがある。
裸足で…しかも泣きながら …車道を…
真っ赤なドレスが きれいだなあ~なんて
間抜けに見とれていたことを思い出しました。
そんな彼女も銀座をあがり…もう4年。
「今日、就職が決まりました。初の社員です。
3月から宇都宮で研修です。頑張ります」と。
1流のホステスは、優秀です。
相手の気持ちを見抜く力。お金を引き出す営業力。
いっぺんに多くのことを考え遂行する段取り力。
メンバーを育成するマネジメント力。
そしてなにより、目標に対する高い達成意欲。
すべてが備わっています。
だから 大丈夫。 がんばって。
もうひとりはYさん。
こちらからは
「いま、伊豆のリゾートホテルでセラピストしてます。
去年1年間、沖縄の学校に通い。就職しました。
緑がキレイで 静かなところです」 …と。
違う形で人とかかわり、希薄でいて妙に濃かった
銀座の人間関係があったから、
いまの仕事を選んだのでしょうか?
真相はわかりませんが。
こちらも大丈夫。 がんばって。
銀座の店を手伝ってくれていた学生たちも、
この4月から社会人。
ひとりは「人材関係の会社」に就職。
営業として。
とても気性の優しい子で、
お母さんの愛情を強く受けているから、
営業…どうかなあ…とも思いましたが、
新しいことを取り入れて、成長してゆく
伸びしろがいっぱいある子ですから、
どんどん先に進んでくれることでしょう。
学生時代の4年間。
想ってはフラレ 想ってはフラレ…
そんな彼が、先週「僕の彼女です」と
女性を伴って現われた時は、
うれしいやらはずかしいやら、でした。
ひとつ年上の聡明な女性でした。
よかったよかった。
Sちゃんは、新聞社勤務のお父さん転勤にあわせて、
台湾にゆくそうです。
いまは、語学習得に専門学校に通う日々。
いまの日本での就職よりも、
違ったなにかが見えてくる気がしたのでしょう。
才能豊かな女性ですから、自分に合う、
目的を探し出すことでしょう。
カフェをやりたいAさんも、
就活はさっさと見切りをつけ、
バイトしながら模索中とのこと。
組織やビジネスは似合わない彼女ですから…
それもよいでしょう。
ニュー新橋ビルには、中国系のマッサージ屋さんが多くありますが、
なかのひとつに勤める20歳の陳さんとはお友達。
生まれは広東省。父さん母さん
弟妹とおばあちゃんと故郷に残し、
日本に来て3年。
自分で稼いだお金で日本語学校を卒業。
4月からデザインを学び
ビジネスを学ぶ大学に通う予定だそうです。
午前中~深夜の12時近くまでの力仕事。
土曜日も休まないそうです。
もっと稼いだら 故郷に帰る。
強い意志が彼女にはあります。
みんなまだ若く これからこれから。
経験は積みすぎると邪魔になるといいます。
判断の軸をもてない、
器用に立ち居振る舞いはできるものの…
流されているだけで…強さがない。
とでもいうことなのでしょう。
それでも、経験がないことは
引き出しのないこと…
凡人が生き抜くためには
他人と関わるためには、
まずは、幅広い経験をして、
多くの引き出しを産むこと、
これが大切です。
適度な引き出しが持てたら、その上に自分の主張を…
アイデンティティを作り上げる…
そういう風に出来ればよいのでしょうが…
なかなかそう簡単にはゆきません。
このたび、某大手の企業で部長に昇進した友人が…
言ったことがあります。
「自分のことじゃなければ、どんなことでも頭を下げられる
…これが僕の能力」と。
すげえなあ~と思いました。
普通に聞くと、
冷たい言葉に聞こえますが、出来る人は少ない。
他人が出来ないことを身につけられたら、
その人生は価値があるのです。
ただ、それなりの企業で、部長になるということは、
経営の一翼に参加するということ。
プレイヤーを兼ねた 課長職とは
その働き方が違ってきます。
クライアントに向けていた視線を
会社に向ける比率が多くなる
…そんな時にも潔く、たとえ不条理なことでも、
頭をさげることができるのだろうか?
出来るんだろうなあ ~彼なら。(笑)
春なので なんとなく 徒然な話しでございます。
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