紋谷のソコヂカラ
本当に面白い海外ドラマ [映画]
投稿日時:2008/11/17(月) 23:53
海外ドラマは小さい頃からよく観ていました。
小学生時代なんと言っても「スパイのライセンス」
(ABC放送 1968年~1971年)です。
もともとは、プロスパイという題名で、
主演はロバートワグナー。
後に探偵ハート&ハートでも主役をつとめた、
甘いマスクの俳優さんです。
ナタリーウッドと2度結婚していることでも有名です。
映画の出演も多く、タワーリングインフェルノで、
不倫してる女性を助けに火の中に飛び込む、
広報部長役…といえば顔を思い出す方もいるかもです。
我が家にカラーテレビがやってきて、初めて観た、海外ドラマ。
これには、はまりました。
ワグナー扮する、女好きでダンディな泥棒、
アレックスマンディが恩赦を餌に、
諜報機関から頼まれる任務を
遂行してゆくというストーリー。
静岡の片田舎の普通の家庭のお茶の間に、
突如現われた、ハリウッドのスタイリッシュな世界。
「ワタシの名前はアレックスマンディー」という
台詞で始まる煌びやかな1時間は、
テレビの前に釘付けでした。
吹き替えは、ジェットストリーム初代パーソナリティーの
城達也さん。
そのあたりを前後して高校生までは、
海外ドラマにはまり、
放送があればすべて必ず、観ていました。
コロンボ…スタスキー&ハッチ…マクロード…
コジャック……87分署…SWAT…ベンケーシー、
チャーリーズエンジェルや600万ドルの男、
スパイ大作戦…大草原の小さな家、
ナポレオンソロ、ヒッチコック…
中でも刑事物のお気に入りは、
「ポリスストーリー」(1973年NBC製作)
ロス市警が舞台ですが、
登場人物が1話ごとに替わり趣向。
ある回は刑事、ある回は白バイ隊員、
またある回は、潜入捜査官…
主人公が入れ替わる1話完結。
全体に、ヒューマンタッチで、独特の世界観が、
今までになくたまらなかった。
コロンボは、もう言わずもがなですから、
あえて褒めませんが、
この前、まだ観ていない人から、
どの話しがお勧めかと言われたので、
「歌声の消えた海」と「祝砲の挽歌」
を押しておきました。
SFものは、謎の円盤UFOや宇宙家族ロビンソン、
しかし、なんといってもこのジャンルNO1は
「タイムトンネル」(1967年ABC製作)
アメリカの砂漠の地下にある、研究所で開発された、
タイムトンネルで2人の博士が過去や未来を旅する話し。
この2人、いったっきりで帰って来られない…
毎回の襲われるピンチに、ラストでは、
また違う時代に飛ばされるというお決まりのパターンが、
手に汗を握る。
「To be Continued」のラストクレジットが
有名になった初のドラマだと思います。
ひとつのエピソードは基本1回の放送で
完結するのですが、そもそものテーマは、
1話で終わらず、つながって進行するパターンは、
「逃亡者」や「宇宙家族ロビンソン」などもそうでしたが、
なかでも、この “手に汗感” は、
タイムトンネルが秀逸だったと記憶しています。
高校生以降になると、
いわゆる政治経済物の大作が相次いで放送されました。
僕は「リッチマンプアマン」(NHK放送)
が好きでした。
ニックノルティーがよかった。
いつ頃からか…その後は、
あまり海外ドラマを観る事がなくなった。
観てはいるのだろうが、あまり記憶に残っていない。
最近の方が、記憶にないというのは、
へんな話しですが、
なんかお決まりのパターンに嫌気がさしたのかなあ。
「ビバリーヒルズ高校白書」と
「アニーMY LOVE」…
直近は「CSI」くらいですか。
昨年の話ですが、
お見舞いに「24」を頂いた。
中国の出張土産。
シーズン5までが、セットになっていて、
厚紙の大きな箱に入っている。
そう、思いっきりのコピー版(笑)
まるで、タイミング外しているので、
そもそも観る機会はないと思っていたら、
むこうからやってきた。
「まあ、こんな機会でもなければ、観ることもなかろう」
「そもそも、お見舞いに頂いたのだから…目は通さねば」
そんな軽い気持ちで、見始めた…
参った!…そんなに面白くない。
少なくとも、なぜ、あれほどのブームを巻き起こしたのか…
僕には分からなかった。
誰に感情移入してよいのか、
わからないので、手に汗が、浮かんでこない。
エピソードが場渡り的で、
話しを引き伸ばすことだけに
終始している感じがハナについてしまうから。
ただ、24以降、
海外ドラマが新たなブームになっていることは、
知っていたので、もしかしたら、昔のように、
心をくすぐる名作があるのではと、
以来、ちょこちょこと、借りて、観ている。
LOST
…設定は好きですが、
グランドホテル形式といえど、登場人物が多すぎ。
しかも、島に来る前の話しが、その大部分を占め、
個人のキャラ付けという意味を遥か通り過ぎ、
やはり、単なる引き伸ばしにしか見えない。
◆シーズン3の途中で挫折
プリズンブレイク
…主人公は一番のイケメン。
しかし、わざわざ、ここまでするか?
の必然が解消されない
大きな理由は、刑務所の外でのエピソードに
あまりに力がないこと。
映画で刑務所物は数多く観ているので、
それとの違いに目新しさがない。
◆シーズン1で挫折
HEROS
…各人の得意技が面白い。
なかでも、チアリーダー。
また、その親父の転身ぶりとその背景もよかった。
…がしかし、こちらも、収束に向けての努力が(笑)
見られず、広げるばかりで飽きてしまう。
要するに「幻魔大戦」のような、
1点に向かううねりを、ストーリーの中心にすえて欲しい。
シーズン2の「ヒロ」のエピソードとか、チャちいし。
◆シーズン2継続中
ボーンズ
…骨の話しには限界があるような気がする。
主人公の設定が普通。
相棒の刑事とのやりとりで、
進行させる手法でもあるが、2人の関係が希薄すぎ。
研究所の同僚のキャラ設定が甘い。
…ただ、シーズン1のエピソード、
クリスマスの回はよかった。
◆シーズン2で挫折
とまあ、こんな調子でした。
あくまでも、僕の正直な個人的な見解ですので、
「ふざけるな!」のご指摘はあろうかと思いますが…
と、これだけで、終わらせないのが
もんやのよいところ(笑)
ありました! お勧め。
というか、これをお勧めしたいので、
ここまで引っ張ったのです。
「Re: Genesis」
(カナダムーヴィーネットワークほか製作)
これは“当たり!!”です。
カナダトロントのバイオテクノロジー研究機関
(ノーバック)を舞台にしたドラマです。
主人公は、デビットサンドストローム博士
…分子生物学の天才科学者(ノーバックの主任研究員)
ストーリーは彼を中心に、
ノーバックの仲間が数々の難題に取り組むことがメインテーマ。
その難題は、ウイルス性の疾患や伝染病、
大気汚染や遺伝子問題…と多岐に渡り、
そのいちいちに、最先端の見識が詰まってる。
犯罪捜査を目的とした機関ではないところが、
みそで、ノーバックに持ち込まれる難題の数々を
プロフェッショナル達が挑んでゆく過程では、
ドンパチや殺人などが起ることはなく、
研究解明と解決策の提示までが描かれます。
大きな、魅力はこの研究解明の方向を、
我々視聴者にもわかり易く、見せてくれるということ。
手を抜いてない骨太の演出。
(たとえば、福山の湯川ガリレオ…
彼が始める、物理の数式の羅列…
意味わからないですよね。
そういういい加減な演出ではないという意味です)
そして、何よりサンドストロームをはじめ、
出演者のキャラがきっちりと魅力的にたっているということ。
主人公で言えば、性格は直情的でいい加減…、
酒好きで、女たらし、料理も得意で、人情にも厚い。
それでいて、世界に知られた天才科学者。
相棒のセラーノは冷戦沈着な、遺伝子、解剖学の
スペシャリストながら、ゲイであるメキシコ人。
ボブは、協調性…社会適応性に障害を持ちながら、
生化学では、ぴか一の頭脳を誇り、
サンドストロームを敬愛している。
そのほかのキャラも皆、魅力的。会話も洒落ています。
そんな、面々がノーバックに持ち込まれる、
難題を一致協力して取り組んでゆくところが、
時に痛快です。
また、このドラマは、「医学の限界」「科学の限界」も
ある意味正確に描いています。
つまり、難題に、挑みましたものの…、
結局解決できない問題という…落ちもあり、
やたらに、“ちゃんちゃん♪”という
ご都合主義になっていないところも、
僕は好きで…このあたり、物足りないという
方もいるかもしれませんが…
僕は、「大人が観るに値するドラマ」と思います。
また、話しの進行も、いくつかのエピソードは織り込まれ、
重複して進行するものの、その回で終わらせる話し、
何回かに渡る話し、全体に渡る話し…
ときっちり整理されているため、
「目が飛ばない」というか、
落ち着いてみることができます。
まさに脚本と演出の力。
現在、シーズン3までレンタルされています。
(カナダではシーズン4が放映中)
いま、これほど待ち遠しいドラマはありません。
休日に、暇をもてあましている方、ぜひご覧ください。
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