紋谷のソコヂカラ
30日に2回目の投薬。 [病気について]
投稿日時:2008/08/04(月) 20:26
物事が、それなりにこともなく進んでいたり、
よい結果などが出ているうちは、よいのです。
いったん トラブルが起こったり、望んだ結果が得られないと分かると…人の本性は姿を現します。
また、良いときに“よい感じ”なのは当たり前で、悪い時に同じように“よい感じ”でいられるか。しんどい時の“在りよう”で、彼の器の大きさや、彼女の肝っ玉の座り具合は分かってしまいます。
30日に2回目の投薬。
1回目の結果を受けて…今回は許容量MAXの投与となる。実質120%UPだ。副作用もその分UPだ。
僕は決めていた
点滴中、いちばんキツク感じる瞬間に
主治医の先生と担当の看護師さん相手に
冗談のひとつもカマシテやろうと。
どんなにしんどくとも、ジョークを口ずさみ、余裕のあるところ見せてやろうと。
「おぅ…Mrもんやは、なんてすごい人なんだ。こんなにしんどいのに…ユーモアを忘れない。
本物の男だ」 と思って頂こうと。
30日当日 朝1000から1本目。まずは「吐き気止め」。
このネーミングがたまらなく嫌いだ。
なんとかならないか…といつも考えるが思いつかない。
この日は、午前中お見舞い客があった。彼らの会社や仕事の話しなどして盛りあがる。
「なぁんだ…元気そうじゃないですかぁ」と言われ
“007シリース製作40周年記念19タイトルDVDセッドを頂いた。
そういえば「FROM RUSSIA WITH LOVE 」のダニエラ・ビアンキが、
“スクリーンに恋した“初めての女優さんだったなぁ。などと思う。
1200。彼らが帰るとほどなく点滴交換…2本目にしていよいよメインイベンターの登場だ。
ネダプラチン …ネダ・プラ・チン! 。
…僕の元気は ここまでで終わった。
思い出したくもない時間のはじまり。
まずは 全身の皮膚が逆立つ感じの悪寒 これが前兆…次に 吐き気 …胃の中を駆け巡り…
ひっきりなしに突き上げてくる …鼻水が止まらなくなり 体全体から汗が噴き出してくる感じ。
胃がぐうっと縮まり、点滴を引きずりトイレに駆け込む。
特に吐き気はひどい。
一瞬たりとも収まらず、寝転がることすら出来ない。
そのうち体全体が痙攣をはじめる。
それでも吐き気は収まらない。
「こんなもの体に入れるな!!」 …僕が怒っている。
ネダプラ野郎は3時間をかけて、ゆっくり入れる。
まだまだ 続く…ひとこと…失神したい。
1500。次の抗がん剤は、イリノテカン …弱そうな怪獣のような名前だ。
しかし…手強い。さっきまでの症状に加え、左の上下の歯がギリギリと痛みはじめ、
右目がモノモライのような鈍痛で開けられない。
1700。いれたばかりの抗がん剤を、体に行き届かせる為の点滴、通称「流し」に替わる。
これが2本4時間。この流しがまたキツい。
いったん受け止め切った薬が、このせいでまた体中を巡るため…気持ち悪さが増大する。
このあたりまでくると。
ただぐったりしている状態となる。
動けない。動きたくない。
トイレの消毒剤の臭い。
病院食の臭い。
病院の臭い全部が気持ち悪い。
廊下を行くストレッチャーの音。そこかしこで聴こえるお見舞の声。
病院の音全部が気持ち悪い。
それでも、自分で決めた約束事は忘れていない。
いや正直、忘れてはいないが…どうでもよかった。
というか、それどころではない。
そんな気分であるわけがないじゃないか。
ここでジョ-クなど口にしてなんになる。
……しかし、逃げるのは簡単だ。
意味ない、と誤魔化し、なかったことにしても誰にもわからない。
それでよいのか。
いや違う。しんどい時ほど自分を試せ!だ。
先ずは様子を診にきた看護師“君”で肩慣らし。
「吐き気抑えるクスリある?」
「ドンペリドンでよいですか?」
「…銀座のホステスじゃないんだから…どうせならクリュグにして…美味しいから」
「…??」
「あっいや…ごめんシャンパンみたいな名前だなぁと思ってさ」
「……はぁ」
駄目だ 完璧にダメだ。
ジョークがハイブリット過ぎた。
気持ち悪さが増したかのようだ。
夕方、外来を終えて回診に来られた主治医の先生。いよいよ本番だ。
「だいぶんキツイようですが如何ですか?」
「ハァハァ…」
「つらいですか?」
「先生!これはやはり人の体に入れるもんじゃないですよ」
「…無言…」
いちおうインテリ系のユーモアのつもりだったが、僕の悲惨な状態のせいでは、
マジに受け取られてしまったようだ。
治療を否定していると思われてはいけないので、
すかさず自覚している症状の報告へと言葉を繋いだ。
ふむふむと頷く先生
帰り際 、最後の挑戦
「今回は、前回を踏まえて量を増やしてますからね。
やはりその分副作用もキツイわけですよ…」
「先生、だいじょうぶ。抗がん剤は…“こうでなくっちゃ”…ですよ」
精一杯強がった魂のジョーク。しかも哀しそうな笑顔を添えて。
「ははは…そうですかぁ
効いてる感じがしますかぁ(笑)」
よかった 少しは喜んでもらえたようだ。
…しかし充実感はない。なんか虚しい。…ただ、変わらず気持ちが悪いだけだ。
男の器の大きさとはなんなんだろう。
いったん トラブルが起こったり、望んだ結果が得られないと分かると…人の本性は姿を現します。
また、良いときに“よい感じ”なのは当たり前で、悪い時に同じように“よい感じ”でいられるか。しんどい時の“在りよう”で、彼の器の大きさや、彼女の肝っ玉の座り具合は分かってしまいます。
30日に2回目の投薬。
1回目の結果を受けて…今回は許容量MAXの投与となる。実質120%UPだ。副作用もその分UPだ。
僕は決めていた
点滴中、いちばんキツク感じる瞬間に
主治医の先生と担当の看護師さん相手に
冗談のひとつもカマシテやろうと。
どんなにしんどくとも、ジョークを口ずさみ、余裕のあるところ見せてやろうと。
「おぅ…Mrもんやは、なんてすごい人なんだ。こんなにしんどいのに…ユーモアを忘れない。
本物の男だ」 と思って頂こうと。
30日当日 朝1000から1本目。まずは「吐き気止め」。
このネーミングがたまらなく嫌いだ。
なんとかならないか…といつも考えるが思いつかない。
この日は、午前中お見舞い客があった。彼らの会社や仕事の話しなどして盛りあがる。
「なぁんだ…元気そうじゃないですかぁ」と言われ
“007シリース製作40周年記念19タイトルDVDセッドを頂いた。
そういえば「FROM RUSSIA WITH LOVE 」のダニエラ・ビアンキが、
“スクリーンに恋した“初めての女優さんだったなぁ。などと思う。
1200。彼らが帰るとほどなく点滴交換…2本目にしていよいよメインイベンターの登場だ。
ネダプラチン …ネダ・プラ・チン! 。
…僕の元気は ここまでで終わった。
思い出したくもない時間のはじまり。
まずは 全身の皮膚が逆立つ感じの悪寒 これが前兆…次に 吐き気 …胃の中を駆け巡り…
ひっきりなしに突き上げてくる …鼻水が止まらなくなり 体全体から汗が噴き出してくる感じ。
胃がぐうっと縮まり、点滴を引きずりトイレに駆け込む。
特に吐き気はひどい。
一瞬たりとも収まらず、寝転がることすら出来ない。
そのうち体全体が痙攣をはじめる。
それでも吐き気は収まらない。
「こんなもの体に入れるな!!」 …僕が怒っている。
ネダプラ野郎は3時間をかけて、ゆっくり入れる。
まだまだ 続く…ひとこと…失神したい。
1500。次の抗がん剤は、イリノテカン …弱そうな怪獣のような名前だ。
しかし…手強い。さっきまでの症状に加え、左の上下の歯がギリギリと痛みはじめ、
右目がモノモライのような鈍痛で開けられない。
1700。いれたばかりの抗がん剤を、体に行き届かせる為の点滴、通称「流し」に替わる。
これが2本4時間。この流しがまたキツい。
いったん受け止め切った薬が、このせいでまた体中を巡るため…気持ち悪さが増大する。
このあたりまでくると。
ただぐったりしている状態となる。
動けない。動きたくない。
トイレの消毒剤の臭い。
病院食の臭い。
病院の臭い全部が気持ち悪い。
廊下を行くストレッチャーの音。そこかしこで聴こえるお見舞の声。
病院の音全部が気持ち悪い。
それでも、自分で決めた約束事は忘れていない。
いや正直、忘れてはいないが…どうでもよかった。
というか、それどころではない。
そんな気分であるわけがないじゃないか。
ここでジョ-クなど口にしてなんになる。
……しかし、逃げるのは簡単だ。
意味ない、と誤魔化し、なかったことにしても誰にもわからない。
それでよいのか。
いや違う。しんどい時ほど自分を試せ!だ。
先ずは様子を診にきた看護師“君”で肩慣らし。
「吐き気抑えるクスリある?」
「ドンペリドンでよいですか?」
「…銀座のホステスじゃないんだから…どうせならクリュグにして…美味しいから」
「…??」
「あっいや…ごめんシャンパンみたいな名前だなぁと思ってさ」
「……はぁ」
駄目だ 完璧にダメだ。
ジョークがハイブリット過ぎた。
気持ち悪さが増したかのようだ。
夕方、外来を終えて回診に来られた主治医の先生。いよいよ本番だ。
「だいぶんキツイようですが如何ですか?」
「ハァハァ…」
「つらいですか?」
「先生!これはやはり人の体に入れるもんじゃないですよ」
「…無言…」
いちおうインテリ系のユーモアのつもりだったが、僕の悲惨な状態のせいでは、
マジに受け取られてしまったようだ。
治療を否定していると思われてはいけないので、
すかさず自覚している症状の報告へと言葉を繋いだ。
ふむふむと頷く先生
帰り際 、最後の挑戦
「今回は、前回を踏まえて量を増やしてますからね。
やはりその分副作用もキツイわけですよ…」
「先生、だいじょうぶ。抗がん剤は…“こうでなくっちゃ”…ですよ」
精一杯強がった魂のジョーク。しかも哀しそうな笑顔を添えて。
「ははは…そうですかぁ
効いてる感じがしますかぁ(笑)」
よかった 少しは喜んでもらえたようだ。
…しかし充実感はない。なんか虚しい。…ただ、変わらず気持ちが悪いだけだ。
男の器の大きさとはなんなんだろう。
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