紋谷のソコヂカラ
しぶとい [病気について]
投稿日時:2011/10/07(金) 16:34
今日の採血室は、平和でした。
病院の駐車場への入り口は、
待ちの車の列で大渋滞だったので、
こちらも推して知るべしか…
と覚悟していたのですが、
待ちの人数も少なく
順番もスムースに流れている様子。
朝から雨、どんよりした一日のはじまり…
憂鬱な水曜日です。
先週のことがありますから、
なんだか落ち着かない心持で、
検査にやってきたわけです。
待ちの人数が少ないから余計に目立つのか、
今日はどうみても20代前半の女性の患者さんがちらほら。
ここにいるということは、癌か、
もしくは癌の疑いがあるか、
そのいずれかであることは間違いなく、
そう思ってみると、20代前半で、
癌に悩まされて、大変だなあ~と考えてしまう。
どうみても70歳越えているじいさんは…
まあ、もうそんだけ生きたんだから
癌にもなるし ひいひい言ってんじゃないよ
俺たちの先輩だろ…とか
思ったりしてしまうのですが、
若い子となるとやはり
がんばれと小さい声で応援してしまう。
1か月ほど前だったか、
週刊現代に「治り難い癌」のような
タイトルの特集記事が載っていた。
ポピュラーな癌を男女別に分けて、
5年生存率でランキングを…
という仕立てで、それ以外に
口の中の癌とか、顔の癌とか
特異な癌をいくつもあげて、
その難治度をレポートしていた。
こういう記事を見ると思うのは、
「5年生存率」という切り口であります。
つまり癌は “かかったと分かった時” の
衝撃が大きいから、その瞬間…
たとえば医者に “告知” されたその時に、
「こう受け止めればいいんだよ」的な
本や雑誌の記事が、相変わらず多いなあ~
と感じること。
精巣癌はこのランキングで…21位でした。
1位は「膵臓癌」…
これは、ご存じだと思いますが、
事前に見つかり難いので、
分かった時は “末期 ”であり、かつ、
有効な治療方法が確立されていないので…
末期なら…即、余命告知となります。
肺がん、胃癌、なども相変わらず上位。
21位の僕の癌にも、コメントがありました…
「抗がん剤がとてもよく効く癌で、
発見されたのがステージⅥレベルでも、
5年生存する可能性は70%~90%」
そう、僕もこの7~9割に入ったので、
よくわかります。
主治医は
「もんやさん末期ですが、
この癌は抗がん剤入れて闘う価値がありますよ」
と確かに言われました…
16年前。
それでも、11年経ち再発し、
その後順番に抗がん剤のセットを試し、
マーカー値が上がったり下がったり、
また完治した2週間後に再発したり、
「癌とうまく付き合う方法」なんてとも違い、
“レアもの”であることは間違いなく、
“レアもの”が故に価値はなく(治験にならない)ので、
週刊現代に取り上げられることもないわけで…
5年生存率なぁ~ ふっ…
って感じなわけなのです。
今日の採血室には
もうひとつ新しい発見がありました。
「とてつもない美人看護師が
採血する看護師に登場したのです」
僕が通い始めて4年以上の
この採血ルーム始まって以来の珍事です。
どれくらい美人かといえば
“鼻頭の上までマスクで覆っていても"、
それとわかるほどの美しさ”なのです。
そんな馬鹿な…マスクしていたらわかんないじゃん…
そう、僕もそう思ってましたが、違うのです。
本当の美人は、マスク関係ない…
マスクをしていても、分かってしまう。
それが本当の美人…はじめて知りました。
彼女が動くだけで、空気が変わる、匂い立つ…
それほどのオーラを醸し出しています。
こういうことを言うと、
「もんやさあ~ 俺は、真面目に
あんたのことを心配しているんだよ。
それなのにさ、何が、美人だよ~
ふざけんじゃないよ」
とか、…怒られ…てもいい、
それでも、ひと言、
言わないわけにはいかないほど…
それほどの美人なのです。
はっきり言って、彼女に会うために、
ここに採血しにくるべきです…
と言い切りたい。
「で、なに?
その看護師さんに採血された?
…とかそういうことなのか」
違います。
僕の場合、それとこれとはぜんぜん違います。
まだ、若い彼女は、
採血ルームのベテラン看護師さんより、
明らかに技量は劣る様子、
動けば匂いは立ちますが、
ぎこちなさは歴然で…
みんなのサポートを受けながら、
真摯に取り組んでいる感じ…
これまで、採血 注射 点滴…と
針を刺されまくっている僕は、
針を刺すことが下手くそな
看護師さんに悩まされてきたので、
彼女のような看護師さんに、
腕に針を刺されるのは
「まっぴらごめん」であります。
「どうか…彼女にあたりませんように…」
1人ずれてセーフでした。
彼女は、先に僕の隣のおっさんの腕と…
案の定、格闘しています。
「痛い…ですか?
あっ…ごめんなさい
痛い?…すいません
いったん抜きますね…」
ひょえ~やはりであります。
それに引き換えこちらの看護師さんは
ぜんぜん匂いは立ちませんが
お見事な針さばき…
あっという間に終わりました。
出来ない拍手を心で打ちます。
美人は損ですね。
必要以上に注目を集めてしまうから、
うまくいかないことも目立ってしまう…
健闘を祈りましょう。
■■■
「!もんやさん
…下がりましたよ!!」
こんな嬉しそうに話す、
主治医の先生を…はじめて見ました。
▽46,990
みてください
この急降下する直線。
「…考えられることは、
抗がん剤が効いて、大きな癌細胞を壊して
その成分が出て、いったん大きく
マーカー値が上がったのでしょう
…よかった」
ほとんど期待していなかったので、
びっくりしました。
ただ、あんだけというかまだ副作用が苦しいのに…
それまでして 効かないどころか
上がっているというのは、
もう世に中的に不条理すぎて勘弁してくれ
…という思いの塊でしたから
…なんというか 肩すかしな感じ。
先週の
「おいおい癌細胞君…君には慈悲の心が…」
あれが効いてのでしょうか(笑)
…お願いしてみるものです。
しかし、僕のマーカー値を4年前から
横に並べて、ずーっと検証すると面白いだろうな~と
この急降下をみて改めて思います。
値に左右されないといつも思うのですが…
人間というものは
いや 自分が…でしょうが、
弱い人間なんだなあと思いますし、
上がったり下がったり、
なんだか、おもちゃにされているようで
…妙な気分です。
「…もんやさん…しぶといわ」
と主治医の先生…
“しぶとい” は、医学用語なのでしょうか先生?
レアケースの意地見ちゃいましたね…
本音ですね。
ということで、
また寿命は少し延びました。
ただ、あくまで数値が下がって、
癌を少し抑えたということです。
大きく大笑いはできません。
あと、心配した骨髄抑制が
それほどでなかったというのも、
よい兆候です。
身体が強いぞ 紋谷税 ってことです。
まだ入れられる
そして効く可能性がある。
そういうことがわかって嬉しいです。
「効果がない 具合が悪い 」
…そんなブログばかり
読ませてしまい
まことにすいません。
まだ副作用は続いていて、
調子は戻りませんが
僕は元気なので
心配しないでください。
帰りぎわに
「先生 お好きだそうですね」
と1冊の本をプレゼント
「退院した時に
お渡ししようと思っていたのですが
忘れてしまい…」
“3-4-3” 著:杉山茂樹
学生時代サッカーをされていて、
いまも子どものサッカーチームの審判をしている
…と聞いたのは
今回、入院している時に病棟の看護師さんから…
ちょうど この本を読み終えたばかりだったので、
差し上げようと。
杉山茂樹さん…
金子さんと並び、日本代表への批判が目立つライターさんですが、
僕はサッカー評論家&ライターとしては
もっとも認めております。
戦術解説がわかりやすい…くだらんOBではなく、
テレビのサッカー解説にぜ呼んでほしい…
とかなり以前から思っています。
サッカーが、心底好きな人以外には、
難しい本ですので、薦めませんが、
先生は “3度の飯より” のクチと
お伺いしましたので ぜひ。
…ということで
そこから外来の診察室は
サッカー談議の場へと…。
4時過ぎで、
もう外来患者がいない時間でもあり、
先生も激務の中の息抜きな感じで…
楽しい時間を過ごしました。
これも、効果があったおかげでありましょう。
勝てないのなら引き分けに…
いやいや守るのではなく勝ちにゆく
治療もそうありたいと思ってはいるのですが…。
ではまた。
病院の駐車場への入り口は、
待ちの車の列で大渋滞だったので、
こちらも推して知るべしか…
と覚悟していたのですが、
待ちの人数も少なく
順番もスムースに流れている様子。
朝から雨、どんよりした一日のはじまり…
憂鬱な水曜日です。
先週のことがありますから、
なんだか落ち着かない心持で、
検査にやってきたわけです。
待ちの人数が少ないから余計に目立つのか、
今日はどうみても20代前半の女性の患者さんがちらほら。
ここにいるということは、癌か、
もしくは癌の疑いがあるか、
そのいずれかであることは間違いなく、
そう思ってみると、20代前半で、
癌に悩まされて、大変だなあ~と考えてしまう。
どうみても70歳越えているじいさんは…
まあ、もうそんだけ生きたんだから
癌にもなるし ひいひい言ってんじゃないよ
俺たちの先輩だろ…とか
思ったりしてしまうのですが、
若い子となるとやはり
がんばれと小さい声で応援してしまう。
1か月ほど前だったか、
週刊現代に「治り難い癌」のような
タイトルの特集記事が載っていた。
ポピュラーな癌を男女別に分けて、
5年生存率でランキングを…
という仕立てで、それ以外に
口の中の癌とか、顔の癌とか
特異な癌をいくつもあげて、
その難治度をレポートしていた。
こういう記事を見ると思うのは、
「5年生存率」という切り口であります。
つまり癌は “かかったと分かった時” の
衝撃が大きいから、その瞬間…
たとえば医者に “告知” されたその時に、
「こう受け止めればいいんだよ」的な
本や雑誌の記事が、相変わらず多いなあ~
と感じること。
精巣癌はこのランキングで…21位でした。
1位は「膵臓癌」…
これは、ご存じだと思いますが、
事前に見つかり難いので、
分かった時は “末期 ”であり、かつ、
有効な治療方法が確立されていないので…
末期なら…即、余命告知となります。
肺がん、胃癌、なども相変わらず上位。
21位の僕の癌にも、コメントがありました…
「抗がん剤がとてもよく効く癌で、
発見されたのがステージⅥレベルでも、
5年生存する可能性は70%~90%」
そう、僕もこの7~9割に入ったので、
よくわかります。
主治医は
「もんやさん末期ですが、
この癌は抗がん剤入れて闘う価値がありますよ」
と確かに言われました…
16年前。
それでも、11年経ち再発し、
その後順番に抗がん剤のセットを試し、
マーカー値が上がったり下がったり、
また完治した2週間後に再発したり、
「癌とうまく付き合う方法」なんてとも違い、
“レアもの”であることは間違いなく、
“レアもの”が故に価値はなく(治験にならない)ので、
週刊現代に取り上げられることもないわけで…
5年生存率なぁ~ ふっ…
って感じなわけなのです。
今日の採血室には
もうひとつ新しい発見がありました。
「とてつもない美人看護師が
採血する看護師に登場したのです」
僕が通い始めて4年以上の
この採血ルーム始まって以来の珍事です。
どれくらい美人かといえば
“鼻頭の上までマスクで覆っていても"、
それとわかるほどの美しさ”なのです。
そんな馬鹿な…マスクしていたらわかんないじゃん…
そう、僕もそう思ってましたが、違うのです。
本当の美人は、マスク関係ない…
マスクをしていても、分かってしまう。
それが本当の美人…はじめて知りました。
彼女が動くだけで、空気が変わる、匂い立つ…
それほどのオーラを醸し出しています。
こういうことを言うと、
「もんやさあ~ 俺は、真面目に
あんたのことを心配しているんだよ。
それなのにさ、何が、美人だよ~
ふざけんじゃないよ」
とか、…怒られ…てもいい、
それでも、ひと言、
言わないわけにはいかないほど…
それほどの美人なのです。
はっきり言って、彼女に会うために、
ここに採血しにくるべきです…
と言い切りたい。
「で、なに?
その看護師さんに採血された?
…とかそういうことなのか」
違います。
僕の場合、それとこれとはぜんぜん違います。
まだ、若い彼女は、
採血ルームのベテラン看護師さんより、
明らかに技量は劣る様子、
動けば匂いは立ちますが、
ぎこちなさは歴然で…
みんなのサポートを受けながら、
真摯に取り組んでいる感じ…
これまで、採血 注射 点滴…と
針を刺されまくっている僕は、
針を刺すことが下手くそな
看護師さんに悩まされてきたので、
彼女のような看護師さんに、
腕に針を刺されるのは
「まっぴらごめん」であります。
「どうか…彼女にあたりませんように…」
1人ずれてセーフでした。
彼女は、先に僕の隣のおっさんの腕と…
案の定、格闘しています。
「痛い…ですか?
あっ…ごめんなさい
痛い?…すいません
いったん抜きますね…」
ひょえ~やはりであります。
それに引き換えこちらの看護師さんは
ぜんぜん匂いは立ちませんが
お見事な針さばき…
あっという間に終わりました。
出来ない拍手を心で打ちます。
美人は損ですね。
必要以上に注目を集めてしまうから、
うまくいかないことも目立ってしまう…
健闘を祈りましょう。
■■■
「!もんやさん
…下がりましたよ!!」
こんな嬉しそうに話す、
主治医の先生を…はじめて見ました。
▽46,990
みてください
この急降下する直線。
「…考えられることは、
抗がん剤が効いて、大きな癌細胞を壊して
その成分が出て、いったん大きく
マーカー値が上がったのでしょう
…よかった」
ほとんど期待していなかったので、
びっくりしました。
ただ、あんだけというかまだ副作用が苦しいのに…
それまでして 効かないどころか
上がっているというのは、
もう世に中的に不条理すぎて勘弁してくれ
…という思いの塊でしたから
…なんというか 肩すかしな感じ。
先週の
「おいおい癌細胞君…君には慈悲の心が…」
あれが効いてのでしょうか(笑)
…お願いしてみるものです。
しかし、僕のマーカー値を4年前から
横に並べて、ずーっと検証すると面白いだろうな~と
この急降下をみて改めて思います。
値に左右されないといつも思うのですが…
人間というものは
いや 自分が…でしょうが、
弱い人間なんだなあと思いますし、
上がったり下がったり、
なんだか、おもちゃにされているようで
…妙な気分です。
「…もんやさん…しぶといわ」
と主治医の先生…
“しぶとい” は、医学用語なのでしょうか先生?
レアケースの意地見ちゃいましたね…
本音ですね。
ということで、
また寿命は少し延びました。
ただ、あくまで数値が下がって、
癌を少し抑えたということです。
大きく大笑いはできません。
あと、心配した骨髄抑制が
それほどでなかったというのも、
よい兆候です。
身体が強いぞ 紋谷税 ってことです。
まだ入れられる
そして効く可能性がある。
そういうことがわかって嬉しいです。
「効果がない 具合が悪い 」
…そんなブログばかり
読ませてしまい
まことにすいません。
まだ副作用は続いていて、
調子は戻りませんが
僕は元気なので
心配しないでください。
帰りぎわに
「先生 お好きだそうですね」
と1冊の本をプレゼント
「退院した時に
お渡ししようと思っていたのですが
忘れてしまい…」
“3-4-3” 著:杉山茂樹
学生時代サッカーをされていて、
いまも子どものサッカーチームの審判をしている
…と聞いたのは
今回、入院している時に病棟の看護師さんから…
ちょうど この本を読み終えたばかりだったので、
差し上げようと。
杉山茂樹さん…
金子さんと並び、日本代表への批判が目立つライターさんですが、
僕はサッカー評論家&ライターとしては
もっとも認めております。
戦術解説がわかりやすい…くだらんOBではなく、
テレビのサッカー解説にぜ呼んでほしい…
とかなり以前から思っています。
サッカーが、心底好きな人以外には、
難しい本ですので、薦めませんが、
先生は “3度の飯より” のクチと
お伺いしましたので ぜひ。
…ということで
そこから外来の診察室は
サッカー談議の場へと…。
4時過ぎで、
もう外来患者がいない時間でもあり、
先生も激務の中の息抜きな感じで…
楽しい時間を過ごしました。
これも、効果があったおかげでありましょう。
勝てないのなら引き分けに…
いやいや守るのではなく勝ちにゆく
治療もそうありたいと思ってはいるのですが…。
ではまた。
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