紋谷のソコヂカラ
天気の良い日は、銭湯に行くのだ [戯れ言]
投稿日時:2010/06/05(土) 01:11
自宅の小さな風呂にばかり浸かっていると、
人間がせせこましくなってくる。
通勤でせせこましく、
職場でせせこましく、
女房とも…せせこましい
月曜日の会議室はせせこましく、
金曜日のメールの内容もせせこましい…
たまに早く帰れば
子供との会話はせせこましく、
テレビのニュースやコマーシャルも
せせこましいことこの上ない。
ついでに言うと、サッカーW杯
日本代表のFWの動きはせせこましく、
参院選に向けた
政治家の権謀術数とそれを揶揄する、
みのもんたも、せせこましい。
普通に生きていても、
なんだか、知らないうちにまとわりついてくる、
こういう世の中の“せせこましさ”を洗い流したい
そういう人は、銭湯に行くのであります。
「下町じゃないんだから…ウチの近所には銭湯ないんだよね」
そういう人は、電車に乗って
車に乗って
自転車にまたがり
…それでも行くのです
銭湯に。
探せばあります。
「天然温泉 極楽湯 噂の岩盤浴とアロママッサージ
7つのお湯があなたを癒します!
湯あがりは お休み処 極楽へ!
冷えたビールと海山の幸があなたを極楽にいざないます」
こういう所ではダメです。
結局、せせこましくなってしまう。
「おい! たまには銭湯でも行くか?」
「えっ!? 子供たちは…?」
「ほっとけ 留守番させときゃいいんだよ」
「…でも、明日のお弁当の準備が…」
「うるさい! 行くぞ!」
こういう男にあなたはなりたい?
ワタシはなりたい。
そして、別れるのです …番台で
そう しばしのお別れ…
チラッ
「…じゃあな …外で待ってるからな」
「…はい」
…たいがいにして 絶対に 風呂は男が早くあがるもの。
「お~い でるぞ!!」
「お~い 出るからな!!」
「………はぁ~い」
♪横丁の風呂屋 ♪いっしょにでようねって言ったのに
そうそうカタカタ
鳴るんです。
湯あがりは浴衣
うなじにかかるほつれ髪…
くう~これですこれ。
銭湯は初夏が最高です。
なんだか冬のイメージに思えますが、
それは 神田川 一間の下宿 苦学生
段ボールのみかん箱 太宰治 ニーチェの時代の話し、
カタカタ鳴りすぎの時代。
変わらぬ良さは 初夏の銭湯です。
もちろん ひとりでも 最高です。
平日は無理でも
週末の早め(この早めが大切)
の時刻に家を出る。
商店街をそぞろに歩く
…えっ? 商店街がない??
…ダメだなあ…引っ越してください。
えっ…引っ越せない
…仕方ないなあ
…じゃ 商店街まで車で
はい!探して!
「陽が長くなったなあ~」
これ決まり文句。
ひとりそぞろで口に出る。
銭湯は、商店街の外れにあります。
そういうもんです。
看板はでかい
もちろん漢字かひらがなの屋号。
げた箱につっかけ(サンダルも可)を放り込み
ガチャ…
下足板。
たてつけの悪い
引き戸を開けると
番台から いらっしゃ~い
番台には 若者は似合いません
とくに女性はNG。
おっちゃんか おばちゃん
出来ればひなびた(失礼)
おばあちゃんだったりすると最高です。
「!…よ…!よんひゃく…ごじゅうえん!?」
そうなんです。
最近の銭湯代は 450円が相場。
僕が上京した頃は、180円でした。
こうなると毎日、気軽にはこれないですね…もう。
月に1度の贅沢の感ありです。
気を取り直して、早い時間の銭湯は
じいさんがちらりほらり、
この「ちらりほらりのじいさんばかり」
の風情がなんともよいのです。
壁の向こうの女湯は
ところ変わってばあさんばかり…?
見たことないのでわかりません。
湯殿の床はくすんだタイル張り
天井は高く 湯船の奥の壁は
全面にペンキ絵…絵柄は富士山か
遠州灘に三保の松…
風呂おけは黄色の…赤い文字で“ケロリン”
そのまま湯船に向かってはいけません。
じいさんに怒られます。
ここでは主役はじいさんです。
マナーを守る。
まずは、軽く体を流してから…
一呼吸…おもむろに静かに湯船に…
このとき前は隠すこと
これ大切
どんなに自慢の品物でも
ここは隠すこと。
そうしないとじいさんに怒られます。
ワシも若いころは…ずいぶんと…なにがなにして…
早いお湯はたいがいにして熱い…
がまんです。
心で泣いて顔はどこまでも笑顔です。
がまんです。 涼しい顔です
…とここまできて はじめて
じいさんたちは
この若僧(じいさんから見ればたいがい若僧)
を認めてくれます。
出たらゆっくりと体を洗います。
学生時代は、ここでパンツなんか洗ったりしてました。
が、そういうことはもうしません。
体の洗石を流したら、もう一度湯船に
タオルは頭の上。
歌のひとつも唄いたくなったら、どうしましょう?
それは上級者です。
できれば都都逸(どどいつ)が定番です。
「…はあ~ あじさいわあ~ 馬鹿な 花だよお~♪
根のない 棒に絡みつくぅ~♪」
こういうやつです。
ちなみにこれは あじさいを女性にたとえているのですね。
まったく女というやつは、仕方のない…
どうして、根のない棒(根性も男気もない男)に
惚れてしまうんだろうか。
という唄です。
「人の手前は薄茶と見せて 心濃茶の…四畳半」
「国のお方と知らずにいたが 唄で気付いた…安来節」
なんて感じはわかりやすいですね。
寅さんの常套句の
「信州信濃の新蕎麦よりも わたしゃあなたの…そばが好き」
これも都都逸。
庶民のユーモア 七・七・七・五の定型詩です。
この七・七 からの始まりのリズムが僕は好きです。
21文字かけて枕を作り
最後の5文字で落とす
ここんとこのユーモアが修練された感じが好きです。
さて、唄い終わったら とっとと退散です。
おっと…長居はいけねえや
そいつはどうも粋じゃねえから。
銭湯からでたら出来れば屋台で一杯
と行きたいものです。
もちろん冷で… 。
人間がせせこましくなってくる。
通勤でせせこましく、
職場でせせこましく、
女房とも…せせこましい
月曜日の会議室はせせこましく、
金曜日のメールの内容もせせこましい…
たまに早く帰れば
子供との会話はせせこましく、
テレビのニュースやコマーシャルも
せせこましいことこの上ない。
ついでに言うと、サッカーW杯
日本代表のFWの動きはせせこましく、
参院選に向けた
政治家の権謀術数とそれを揶揄する、
みのもんたも、せせこましい。
普通に生きていても、
なんだか、知らないうちにまとわりついてくる、
こういう世の中の“せせこましさ”を洗い流したい
そういう人は、銭湯に行くのであります。
「下町じゃないんだから…ウチの近所には銭湯ないんだよね」
そういう人は、電車に乗って
車に乗って
自転車にまたがり
…それでも行くのです
銭湯に。
探せばあります。
「天然温泉 極楽湯 噂の岩盤浴とアロママッサージ
7つのお湯があなたを癒します!
湯あがりは お休み処 極楽へ!
冷えたビールと海山の幸があなたを極楽にいざないます」
こういう所ではダメです。
結局、せせこましくなってしまう。
「おい! たまには銭湯でも行くか?」
「えっ!? 子供たちは…?」
「ほっとけ 留守番させときゃいいんだよ」
「…でも、明日のお弁当の準備が…」
「うるさい! 行くぞ!」
こういう男にあなたはなりたい?
ワタシはなりたい。
そして、別れるのです …番台で
そう しばしのお別れ…
チラッ
「…じゃあな …外で待ってるからな」
「…はい」
…たいがいにして 絶対に 風呂は男が早くあがるもの。
「お~い でるぞ!!」
「お~い 出るからな!!」
「………はぁ~い」
♪横丁の風呂屋 ♪いっしょにでようねって言ったのに
そうそうカタカタ
鳴るんです。
湯あがりは浴衣
うなじにかかるほつれ髪…
くう~これですこれ。
銭湯は初夏が最高です。
なんだか冬のイメージに思えますが、
それは 神田川 一間の下宿 苦学生
段ボールのみかん箱 太宰治 ニーチェの時代の話し、
カタカタ鳴りすぎの時代。
変わらぬ良さは 初夏の銭湯です。
もちろん ひとりでも 最高です。
平日は無理でも
週末の早め(この早めが大切)
の時刻に家を出る。
商店街をそぞろに歩く
…えっ? 商店街がない??
…ダメだなあ…引っ越してください。
えっ…引っ越せない
…仕方ないなあ
…じゃ 商店街まで車で
はい!探して!
「陽が長くなったなあ~」
これ決まり文句。
ひとりそぞろで口に出る。
銭湯は、商店街の外れにあります。
そういうもんです。
看板はでかい
もちろん漢字かひらがなの屋号。
げた箱につっかけ(サンダルも可)を放り込み
ガチャ…
下足板。
たてつけの悪い
引き戸を開けると
番台から いらっしゃ~い
番台には 若者は似合いません
とくに女性はNG。
おっちゃんか おばちゃん
出来ればひなびた(失礼)
おばあちゃんだったりすると最高です。
「!…よ…!よんひゃく…ごじゅうえん!?」
そうなんです。
最近の銭湯代は 450円が相場。
僕が上京した頃は、180円でした。
こうなると毎日、気軽にはこれないですね…もう。
月に1度の贅沢の感ありです。
気を取り直して、早い時間の銭湯は
じいさんがちらりほらり、
この「ちらりほらりのじいさんばかり」
の風情がなんともよいのです。
壁の向こうの女湯は
ところ変わってばあさんばかり…?
見たことないのでわかりません。
湯殿の床はくすんだタイル張り
天井は高く 湯船の奥の壁は
全面にペンキ絵…絵柄は富士山か
遠州灘に三保の松…
風呂おけは黄色の…赤い文字で“ケロリン”
そのまま湯船に向かってはいけません。
じいさんに怒られます。
ここでは主役はじいさんです。
マナーを守る。
まずは、軽く体を流してから…
一呼吸…おもむろに静かに湯船に…
このとき前は隠すこと
これ大切
どんなに自慢の品物でも
ここは隠すこと。
そうしないとじいさんに怒られます。
ワシも若いころは…ずいぶんと…なにがなにして…
早いお湯はたいがいにして熱い…
がまんです。
心で泣いて顔はどこまでも笑顔です。
がまんです。 涼しい顔です
…とここまできて はじめて
じいさんたちは
この若僧(じいさんから見ればたいがい若僧)
を認めてくれます。
出たらゆっくりと体を洗います。
学生時代は、ここでパンツなんか洗ったりしてました。
が、そういうことはもうしません。
体の洗石を流したら、もう一度湯船に
タオルは頭の上。
歌のひとつも唄いたくなったら、どうしましょう?
それは上級者です。
できれば都都逸(どどいつ)が定番です。
「…はあ~ あじさいわあ~ 馬鹿な 花だよお~♪
根のない 棒に絡みつくぅ~♪」
こういうやつです。
ちなみにこれは あじさいを女性にたとえているのですね。
まったく女というやつは、仕方のない…
どうして、根のない棒(根性も男気もない男)に
惚れてしまうんだろうか。
という唄です。
「人の手前は薄茶と見せて 心濃茶の…四畳半」
「国のお方と知らずにいたが 唄で気付いた…安来節」
なんて感じはわかりやすいですね。
寅さんの常套句の
「信州信濃の新蕎麦よりも わたしゃあなたの…そばが好き」
これも都都逸。
庶民のユーモア 七・七・七・五の定型詩です。
この七・七 からの始まりのリズムが僕は好きです。
21文字かけて枕を作り
最後の5文字で落とす
ここんとこのユーモアが修練された感じが好きです。
さて、唄い終わったら とっとと退散です。
おっと…長居はいけねえや
そいつはどうも粋じゃねえから。
銭湯からでたら出来れば屋台で一杯
と行きたいものです。
もちろん冷で… 。
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