紋谷のソコヂカラ
ブランコな話し [友]
投稿日時:2010/02/08(月) 21:33
目の前の公園に朝晩顔を出す。
ほんとうに目の前なので、“行く”という感じではない。
体力を戻すために、ここで体を動かしている。。
先日来、公園はその敷地の半分が、
立ち入り禁止になっていた。
どうも、遊具のリニューアルらしく、
工事中は子供が入らないように
立ち入り禁止の柵が張り巡らされている。
そもそも、こじんまりとした公園が、
余計、小さくなってしまい、
真面目にリハビリしていて、
公園内を愛犬と走るボクにとっては、
いい迷惑でありました。
毎日、毎日、進んでいるか、
いないんだかの進行具合でしたが、
今朝、行ってみると、工事は終わり、
立ち入り禁止の柵は取り払われていた。
新たに登場した、ブランコと鉄棒
…これだけかい?
と思わず突っ込んでみたが、
まだ、出来たてのほやほや、早朝のことでもあり、
たぶんこれを目にしたのは僕が第一号。
せっかくだから、座って遊んでみた。
…
特に感慨もない。
小さいころの思い出も…特に浮かんでは来ない(笑)…
志村喬の胸中でもなく…ただ、行ったり来たり…
◇リハビリと言えば、昨年、帰省の折、
母が通う地元の病院に 迎えに行った時のこと。
「ワタシのリハビリのセンセイは、お兄ちゃん
(僕はこう呼ばれている)の高校の同級生よ」
と言っていたことを思いだした。
モノのついでと、病院のリハビリセンターに顔を出す。
部屋の入口の扉の脇に、
スタッフの名前のプレートが貼り出されている。
…ふどれどれ…やつの名前はあるかな?
!室長?…室長かぁ~!!
せっかくだから、入ってみる。
「○○さんいますか?」
「…室長は、隣のリハビリルームに…」というので、
センターからつながるリハビリルームに向かうと、
中では、大勢の患者さんがリハビリの最中。
その中央に…いたいた。
「おーい ○○!」
振り返る○○ …怪訝な表情??
それもそうだろう、30年ぶりの再会。
「もんやだよ」というと
「!!おおお~!」と笑顔に。
この○○とは、高校時代、学校の廊下で取っ組みあった。
彼についてほかのことは思い出さないが、
この取っ組みあいだけはよく覚えている。
「おいもんや …おまえのスリッパ、
女子便所に投げてやったぞ!(笑)」
「なに!!ふざけるな!」という取っ組みあい。
どうも○○は、高校イチの美女と日曜日に映画を観にいったという、
もんやの自慢話しが気に入らず、頭に血が登ったらしい。
(高校イチの美女??…というところ…ここは気にせず、
先に進むところです)
この○○…いわゆる直情型。
ガタイもデカイが態度もデカイ。
そんな彼が、母のリハビリ。
女子便所にヒトのスリッパ投げ込む奴が
…母のリハビリ。
…人は変わるのか…
「母がお世話になっています」
初めこそ、丁寧にごあいさつ申し上げたが、
リハビリルームにいる全員が注目しているので…
「この○○はねえ…昔、僕のスリッパを、
女子便所に投げ込んだ…そういう奴なんですよおお!!」
と大きな声で、みんなに紹介してやった。
「!!おい…やめろ 勘弁してくれ!」
○○は顔を真っ赤にしている。
…君は変わろうとも 僕は変わらない…
◇変わらない性格と言えば、どうもボクは、
他人に迎合するのが苦手だ、面白くないのに笑えない、
可愛げのない奴だとよく言われてきた。
大人になってもその性格はいっこうに改善しない。
そもそも直す気もない。
銀座で商売をしている時も…そう。
しかし、商売には不向きのようで、
「もんやさんのお店は…なに屋さんなんですか?」
と聞かれても、
「もん屋 …です」と応えていた。
別に、和食でもイタリアンでもなんでもいいではないか。
要するに来ればわかる。
そういう、キャッチーな感じは好きではない…
とこういうスタンス。
ひねくれているわけではないのだが、
どうも、表面上の会話が、出来なくて…。
だから、初対面の方には「こわい」
という印象を持たれることが多い。
先日、手伝っている会社が創業以来はじめて、
新卒を採用するということで、その最終面接を頼まれた。
堅実経営とはいえ、全国的に名の知られている
会社でもないのに、エントリーシートは
2000通を越える応募状況。
採用枠は全職種併せて8名…
その最終面接だから心して臨んだ。
採用活動は、昨年からこの会社の一大業務として進んできた。
担当の社員たちが、なれない仕事ながら、
1次から一生懸命に選んだ末に、どうしても判断がつかない…
そういう応募者たちが中心の面接。
中には、最終面接に至る以前に、落とされたが、
その後も、どうしてももう一度、僕の熱意を聞いて欲しいと、
長文の手紙を社長に送りつけてきた学生もいる。
時間はひとり1時間…志望動機の先に、
彼、彼女の本音を見極めようとすると、
自然と言葉はきつくなる。
「…高校の野球部では 後輩になどう思われていた?
…なるほど、面倒見がよいのは、なぜ?
…甲子園に出場しているんですね
…みんなでなにかを成し遂げるということは
…好き…ひとりで黙々と…というのは?
…営業となると、たとえば飛び込みなんて仕事は、自分ひとりで
…自分に負けてはいけないのですが?
…根性はある?…あるといわれて、はいそうですか…と思えない。
思わせて欲しい…」
などと、答えに窮する質問を矢継ぎ早に投げかけて、
その返答と態度をじっくり見てしまう。
…後日、内定式で この彼を含め 何人かと話した。
面接を終え、正直、手ごたえは感じたか?と聞くと…
「自分に足りないところが、なにか考えてしまいました」という返事。
いまどきの若者はどこまでも真面目だ。
…しかし、そう応える彼の目は、おびえていた。
社長宛にメールを送ってきた学生から、
またメールが届いたらしく、文面を読ませてもらった、
かなりの長文…その中に、
僕がこわかった…と2度も書かれていた。
幸運を祈る。
◇面接といえば コミュニケーション力…とよく言われる。
先日、NHKで“言語力の低下”についての番組を観た。
要約すると、日本人の「奥ゆかしさ」は「察してくれ…」に通じ、
物事を正確に、早く伝えられないことにつながるらしい。
番組では、世界一の言語力を持つと言われる、
ドイツの学校教育について検証し紹介していた。
ドイツでは小学校の頃から
「自分の言いたいことを、相手に伝えるための」教育が盛んで、
たとえば、教室に抽象画を持ちこみ…
「この絵はなにに見えるかスピーチしなさい」
と先生が尋ねる。
答えは、簡潔さを求められ…またこの投げかけ問答には、
「ほかの子と同じ答えはしてないけない」というルールがあり、
児童たちは、指されたら、瞬時に判断して答えなければならない。
先生がある単語を言うその単語に連想した単語を
ノートに1分間、思いつく限り…書く、
次に指されたら、その書き連ねた単語をすべて使って、
これまた1分間でストーリィをつくり、発表する。
こんなカリキュラムは高校生の授業。
…おもしろい試みだと思い。
早速、先の会社の社員研修に取り入れてみたりした。
ただ、このやり方では、言語力は身につくかもしれないが、
それが即、カンバセーション上手とはいかない。
会話のできる人間のもっとも優れた点は、
単語やセンテンスの量はもちろんのこと、
相手の気持ちを察する、
そのための知識や経験にあると僕は信じているので、
その意味では「察する」という感性はとても重要です。
そして、この察する…は、
歳を重ねるとかんたんに出来るようで、
なかなかそうはいかない。
別のチャンネルの看板番組のひとつ…
村上龍が投げかけた…相手は
王将フードサービスの社長
「好業績の秘訣は?」
そして、村上氏はその質問の後に、
“察し”て、社長の返事を待たずに、
「…ああ、愚問でしたね…“安くてうまい”…それにつきますね」
と言った。
少し考え、社長は答える
「いえいえ “うまくて安い”んです」
インタビューアーの手慣れた引き出し術はさまざまあれど、
相手の本音にコミットするのは、簡単ではない。
◇餃子と言えば、
「外はカリカリ、中はジューシー」
…おいしい形容詞がこれだけというのは、どうしたものか?
と、このようなことを
永遠の命題のひとつと考えているのは…
僕だけか?
馬鹿のひとつ覚えとしか思えないが、
ではかわって何かあるかと言えば、
特にないのだが、
それでいて、いつの時代も大人気という
商品であるから大したものだと思う。
形容詞なら、チャーハンはもっとシンプル…
「お米がパラパラで…」しかないのではないか。
それはもう、鍋を振る行為の問題で、
厳密にいえば、おいしい形容詞ではないではないか。
しかも、世の中チャーハンだけをオーダーすることは少ない、
チャーハンに…そう!…餃子をつける、
チャーハンの立場からしてみれば
「オレだけじゃ、不満ってことね」という気分だろう
しかも、「あっ…半チャーハンにして」と…こうなると、
もはやチャーハン+餃子定食ではなく、
餃子+チャーハン定食である。
…と 真新しいブランコで行ったり来たりして、
ぼんやりと考えてしまった。
ブランコは、何事か考える際には…もってこいだ。
考えたくなくても考えてしまう
乗り物かもしれない。
そういうことか…志村喬。
そろそろお腹が空いてきたのと、
いつの間にか、目の前に女の娘がいて、
僕のことをなんだかじっと見ているので、
このへんで、さようなら。
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