紋谷のソコヂカラ

魔法の藁なら すがりたい [病気について]

投稿日時:2008/12/08(月) 13:10

悪魔の劇薬(笑)入れて参りました。
何度やっても、これだけは慣れません。
入れるたびに、体が怒っているのを感じます。
 
直前のRFP値は350…やはり、
投薬の間隔を空ければ空けただけ、数値は跳ね上がります。
 
予想はしているのですが、数字を見せられるとやはり、
心中に漣がたちます。
 
後は、1週間ごとのチェック…僕の場合、
薬が効くいてくるまでにタイムラグが…
3週間くらいあるようなので、
実際、効果があったのかが分かるのは、
クリスマスくらいですね。
 
多少でも、抑え込めていたら嬉しいのですが、
正直、過度な期待は出来ません。
サンタクロースの袋に 入っていないプレゼントもあるんだ。
と得心するのは、ひねた大人のようですが。
 
 
入院の直前、ライターのT氏より
「ペプチド・ワクチン療法」という、
がん治療の新しい可能性に関する情報を頂きました。
少し前に、NHKで取り上げられたそうです。
 
そのメカニズムは、
人のすべてに備わっている「免疫」の力をコントロールして、
がん細胞だけを攻撃させようというもの。


 
キラーT細胞が認識できるがんの目印“ペプチド”を合成して、
新たに投与することで、キラーT細胞の
働きを強くしようというものです。
 
すでに、なにを言っているのかわからない。 
もしくは、興味のない(笑)という方は、今回は、ご勘弁。
 
NHKでの放送では、この治療法が「規制緩和新制度」の
指定を受けたこと、また、臨床実験では、
この治療を受けた患者の約6割が、がんの成長が止まった、
もしくは縮小したとのこと。などと併せ取り上げられたようで、
その反響はすごかったとのこと。
 
実際、がんワクチンの研究は、
すでに全国のさまざまな大学や研究機関で、連携
もしくは単独で行われているようで、
T氏から重ねて頂いた資料を見ると、
北は北海道から南は九州まで30を越える大学や研究機関、
適応の疾患も血液悪性疾患・消化器系のがん・
固形癌(舌癌・喉頭がんなど)・泌尿器系のがん・
胸部や筋・骨格系・中枢神経(悪性リンパ腫など)・
皮膚や胞腫にいたるまで、
ありとあらゆる分野で進められていることが分かりました。
 
ただ、まだそのほとんどが臨床実験レベル。
投与の安全性も含め、まだまだ未開の治療のようです。
 
また、先のペプチドに関しても、
あらかじめ “このペプチド” と決めて利用している研究機関と
患者の癌から採取した細胞に併せて、オーダーメイドの
ペプチドを投与するケースがあるようで、
その中でなにがわが身に適しているかは、
今のところはわかりません。
 
また、僕として理解が及ばないのは、
「合成したペプチドを投与する」ことで、
キラーT細胞を “その気にさせる” というのが、
どうも腑に落ちない。

領地を侵犯してくる敵の兵士の数を、実際より多く見せることで、
こちらの兵士の士気が上がる(もしくは攻撃力が増える)
という理屈が分からない(笑)。普通、逆ではないかと…
 



ただ、この治療法は、ペプチドを注射するだけという
シンプルなもののため、外来での治療が可能なことと、
なんといっても副作用が少ないというメリットがあります。
 


別の知人S君が、僕の入院中から、実際にこの治療の研究に
名を連ねる大学に当たってくれています。
 
その結果、新たに分かったことと言えば、
 
●この分野での先端をゆく福岡の久留米大学では、
  来年4月より、「がんワクチン外来」を開設するということ。
 久留米大学では臨床患者も受け入れていたが、
   人が押し寄せ現在は閉鎖中。
 外来は、「週1回の注射×6回」が1クールで、
   それを2~4クール行うのが基本。
 
●B大学 正規の手続きを踏み、審査の上、臨床試験の適応が可能。
 それには、主治医の同意と事前のエントリー要件を
   満たしているかが重要。
 一部の機関が宣伝しているような強力なものではない、
   効果発現までには1ヶ月はかかる。
 もっとも望ましい使用は、手術後の再発防止、
   癌発症高リスク者への発症予防。
 
   腫瘍がCTレベルで認識できる大きさの場合、腫瘍の完全抑制は無理。
 現実的には、効果が期待できる抗がん剤を使い尽くし、
   体調がまだ良好の場合、腫瘍が増悪を開始するまで
 2~3ヶ月の時間稼ぎをするというところ。
 精巣腫瘍は1例の臨床実績がある。
   一時的にマーカー値は激減したものの、
   後に増大、抗体を持った細胞が逆に増えてしまった。
 (しかしこれにより、患者の存命期間が、
    投与前の予想より少なくなったわけではない)
 
 マスコミの情報は不可思議…実際の治療効果とは開きがある。
 
 ※B大学は…臨床レベルであるということ、また、
    病院の医師個人のコメントでもあるため、
  ここでは、大学名は伏せます。
 
上記でいえば、久留米が「オーダーメイドのペプチド」B大学が
「ひとつに限定したペプチド」の使用と考えられます。
 
このほかにも、札幌医科大や慈恵医大…そして
総本山の東大医科学研究所あたりが進んでいるようですが、
その違いが、実のところどうなのかはまだ不明です。
 
こういうときに思うのは、
情報がその大学発信に限っているということ、
素人が、比較検討するにはわかりにくいということが、
とても困ります。
 
実際、僕の癌センターの主治医も
この療法は知らなかったようで、
全国規模で言えば、同じ病気の治療に携わっていても、
研究と臨床の間には、情報の流通だけでも
相当の乖離があります。
 
それでも進んでいることはありがたいのですが、
患者の身としては、歯がゆい思いです。
 
僕としては、来年に向けて、更なる情報の収集をして、
ベストではなくても有益な選択をしたいと思います。
 
そのためには、モルモットも辞さない覚悟です。
 
みなさんのまわりに、このペプチド療法を知らない
癌患者さんがおられるようでしたら、ぜひ教えてあげてください。
また、直接、ご連絡いただければ、
もんやの知りえた情報とそのリソースはすべてお教えします。
 
重ねて、何か、新しい情報がございましたら、
宜しくお願いします。

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