紋谷のソコヂカラ
僕は頭が悪い… [知らずに死ねるか!]
投稿日時:2010/05/12(水) 17:32
頭が悪いというのは、
お馬鹿さんということです。
経験で見聞きしたことは多くあっても、
それを自分の言葉にして語るという作業がなかなかうまくできない。
無駄な修飾を出来る限り、そぎ落とし、
物事の理を多面的な角度から、スパッと言い切りたい。
言い切りたいのにできない。
だからお馬鹿さん。
「たとえば…」は僕の口癖ですが、これなどは、
お馬鹿さんの常套句…なにかを喋り、
相手が理解していないかもしれないと、
なにかほかの例にたとえて、
違う言い方で同じ中身を何度も繰り返す。
くどくて、長い…結局、ずれてしまう。
僕としては、なんとか理解してほしいものごとは、
相手の“知”の部分にいかにコミットするかにかかっていると思い、
なんとか言語調整をして、共通理解にしたい訳なのですが、
ほんとうに頭のよい人は、そんな作業はしないで、
簡潔に誰にでもわかるように噛み砕き、
どんな物事も説明してしまう
ソウイウヒトニワタシハナリタイのですが…
普段、他人に対して、なにか一見、“徳”になるようなことを喋っても、
それは「いつか、どこかで、誰かが」もうすでに言っていたことで、
それを聞いていた僕が、いつの間にかそれをちゃっかり
自分の“意見”のようなことにしてしまっている。
ボクの言葉は誰かのモノマネ。
ほんとうに自分の「思想」として発信できていないと、
いつも感じています。
これは、ほんとうに考えるべき時に、
ちゃんと考えてきていなかったせいだと自覚していて、
普段、新しい情報に触れると、
その“本質について”自分の言葉で考え、
口にするように…努力はしているのですが、
なかなか切れ味するどく…とはいかない。
何度、考えても同じところをぐるぐる回っていたり、
本質より“我(が)”が勝ってしまい、
それ以上思考が先に進まないということがいつもなのです。
◆◆◆
昨年から今年にかけてベストセラーになった新書の数々は、
こういう僕の頭の悪さを補ってくれる貴重なアイテム。
最近のお気に入りは、
「日本辺境論」内田樹:新潮新書
これはとても面白い本です。
“辺境論”などというタイトルを見ると、
ああ、そういう島国モノね…などとイメージしてしまいますが、
その“そういう…”ってところを、そのままにしないで、
「なんなんじゃ?」とページをめくり始めると
もう、止まりません。
「日本人は自分でルールを作っていない。
誰かがつくったルールに乗るのが大好き…なぜか?」
「知識人を自認している方々も、なにか起こると…
○○の国ではどうしたこうした…とすぐ諸外国を例に
善し悪しを論じる…どうして?」
「水戸黄門はただの爺いなのに、狐たち(助さん格さん)が、
騒ぐ立てると虎に見えてきてしまう。
場違いに態度がデカイただの爺いが、前の副将軍であるかなんて、
誰も分からないのに、悪者は虎のイメージにひれ伏してしまう
…なぜなのでしょう?」
難しい本質をわかりやすく教えてくれる…
こういう本こそ“良書”と呼ばれてよいのでしょう。
第一次世界大戦に勝利したこと、
そしてその後の我が国の立ち居振る舞い…
国際人ではない日本人 このくだりと、
日本の小説(特に日本人が大好きな琴線に触れる文学)は
英語をはじめ、諸外国で翻訳化されていない…というくだり
が特に好き…というか個人的に勉強になりました。
知の巨人…養老猛司さんは、
この本についてこんなことを語っておられます。
「自分で骨組みまで考える人は非常に少ないのです。
骨組みはどこか他所にお願いして、
その内側で細かいことをやる人がほとんどです。
これは文系も理系も同じ。むしろ理系のほうが
文系より酷いかもしれません。
大きな枠組みを考える人が少ない。<中略>
内田さんは日本、日本人について
大きな枠組みを作って考えている。
しかもこんなに真面目なテーマを扱いながら
笑えるところがあるのは珍しいでしょう。」
そうそう「自分で骨組みを考えたい」
これが僕のお馬鹿さんからの脱却です。
しかし、道のりは果てしなく遠い、気がします。
蛇足ではありますが、「日本辺境論」は
昨年1500冊ほど出版された「新書」の中で
いちばん読まれている本だそうです。
未読の方は、ぜひ。
ちなみに、今年、いまのところ面白かった新書は
「不幸な国の幸福論」加賀乙彦:集英社新書
「人間の器量」福田和也:新潮新書
器量をあげることも、僕自身の重要なテーマではありますが(笑)、
これも言っているそばから道のりは遠い…
と感じさせてもらいました。
お馬鹿さんということです。
経験で見聞きしたことは多くあっても、
それを自分の言葉にして語るという作業がなかなかうまくできない。
無駄な修飾を出来る限り、そぎ落とし、
物事の理を多面的な角度から、スパッと言い切りたい。
言い切りたいのにできない。
だからお馬鹿さん。
「たとえば…」は僕の口癖ですが、これなどは、
お馬鹿さんの常套句…なにかを喋り、
相手が理解していないかもしれないと、
なにかほかの例にたとえて、
違う言い方で同じ中身を何度も繰り返す。
くどくて、長い…結局、ずれてしまう。
僕としては、なんとか理解してほしいものごとは、
相手の“知”の部分にいかにコミットするかにかかっていると思い、
なんとか言語調整をして、共通理解にしたい訳なのですが、
ほんとうに頭のよい人は、そんな作業はしないで、
簡潔に誰にでもわかるように噛み砕き、
どんな物事も説明してしまう
ソウイウヒトニワタシハナリタイのですが…
普段、他人に対して、なにか一見、“徳”になるようなことを喋っても、
それは「いつか、どこかで、誰かが」もうすでに言っていたことで、
それを聞いていた僕が、いつの間にかそれをちゃっかり
自分の“意見”のようなことにしてしまっている。
ボクの言葉は誰かのモノマネ。
ほんとうに自分の「思想」として発信できていないと、
いつも感じています。
これは、ほんとうに考えるべき時に、
ちゃんと考えてきていなかったせいだと自覚していて、
普段、新しい情報に触れると、
その“本質について”自分の言葉で考え、
口にするように…努力はしているのですが、
なかなか切れ味するどく…とはいかない。
何度、考えても同じところをぐるぐる回っていたり、
本質より“我(が)”が勝ってしまい、
それ以上思考が先に進まないということがいつもなのです。
◆◆◆
昨年から今年にかけてベストセラーになった新書の数々は、
こういう僕の頭の悪さを補ってくれる貴重なアイテム。
最近のお気に入りは、
「日本辺境論」内田樹:新潮新書
これはとても面白い本です。
“辺境論”などというタイトルを見ると、
ああ、そういう島国モノね…などとイメージしてしまいますが、
その“そういう…”ってところを、そのままにしないで、
「なんなんじゃ?」とページをめくり始めると
もう、止まりません。
「日本人は自分でルールを作っていない。
誰かがつくったルールに乗るのが大好き…なぜか?」
「知識人を自認している方々も、なにか起こると…
○○の国ではどうしたこうした…とすぐ諸外国を例に
善し悪しを論じる…どうして?」
「水戸黄門はただの爺いなのに、狐たち(助さん格さん)が、
騒ぐ立てると虎に見えてきてしまう。
場違いに態度がデカイただの爺いが、前の副将軍であるかなんて、
誰も分からないのに、悪者は虎のイメージにひれ伏してしまう
…なぜなのでしょう?」
難しい本質をわかりやすく教えてくれる…
こういう本こそ“良書”と呼ばれてよいのでしょう。
第一次世界大戦に勝利したこと、
そしてその後の我が国の立ち居振る舞い…
国際人ではない日本人 このくだりと、
日本の小説(特に日本人が大好きな琴線に触れる文学)は
英語をはじめ、諸外国で翻訳化されていない…というくだり
が特に好き…というか個人的に勉強になりました。
知の巨人…養老猛司さんは、
この本についてこんなことを語っておられます。
「自分で骨組みまで考える人は非常に少ないのです。
骨組みはどこか他所にお願いして、
その内側で細かいことをやる人がほとんどです。
これは文系も理系も同じ。むしろ理系のほうが
文系より酷いかもしれません。
大きな枠組みを考える人が少ない。<中略>
内田さんは日本、日本人について
大きな枠組みを作って考えている。
しかもこんなに真面目なテーマを扱いながら
笑えるところがあるのは珍しいでしょう。」
そうそう「自分で骨組みを考えたい」
これが僕のお馬鹿さんからの脱却です。
しかし、道のりは果てしなく遠い、気がします。
蛇足ではありますが、「日本辺境論」は
昨年1500冊ほど出版された「新書」の中で
いちばん読まれている本だそうです。
未読の方は、ぜひ。
ちなみに、今年、いまのところ面白かった新書は
「不幸な国の幸福論」加賀乙彦:集英社新書
「人間の器量」福田和也:新潮新書
器量をあげることも、僕自身の重要なテーマではありますが(笑)、
これも言っているそばから道のりは遠い…
と感じさせてもらいました。
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